軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

表層のあぶくの化学反応!

ジャーナリストの宮崎正弘氏が、「大阪維新の会と橋下市長を『小さな小さなファシスト』と批判めいた比喩をしたが、ちょっと違うのではないか?」という質問に、≪ポピュリズムの本質には変わりないでしょう。嘗て「山が動く」と社会党のおばはんが叫んだら、京都あたりでは70歳のお婆さんもマドンナと言われ、日本新党は「新」の割には寺沢さんとか老人が混ざり、小泉現象では奇妙きてれつな人々が混入し、そして消えていった。前回の民主党ブームも同じです。次は「野田とともに去りぬ」。現場の政治家は、しかし政局が大事ですが、小生など表層のあぶくの化学反応に興味はありません≫とメルマガで答えているが、私はこの「表層のあぶくの化学反応」という表現が大変気に入った。


幹部学校時代、米、露、中3国の特性について研究させられたものだが、それぞれを川に例えて、「水面を流れる塵芥に目を奪われて、水中を流れ続けている『本流』を見失ってはいけない」と教育されたことを思い出した。今のわが政界の様相は、異臭を放ちながら川べりを漂っている「塵芥」に右往左往している。
国民新党とかいうミニ政党の「クーデター劇」にマスコミは踊らされているが、党を立ち上げた代表を切って政権にしがみついた卑劣な守銭奴ばかり見ていて、肝心要の「有権者」に対する裏切り行為には触れていない。
尤もこれを衝くと、民主党政権そのものが立ち行かぬことをメディアは知っているからだろう。
その昔、徳川幕府は、民百姓を絞れば絞るほど何とやら、と雑巾に例えたと言われたものだが、さて、現政権は、民百姓を何に例えているのだろう?


今朝の産経の記事は実に面白い。被災地のがれき処理では、世界を驚嘆させた日本人の絆は≪ボロボロ≫になって、日本は一つでもなく、立ちあがろうともしていないことが、すでに一部外人によって指摘された。大方の日本人は決してそうではないのだが、メディアに登場する「日本人?」の偽善性が世界中に伝えられているからである。

記事には、≪受け入れへの理解を求めて細野豪志環境相は全国行脚を続けているが、3月31日に訪れた京都市の京都駅前では、「私たちを被曝させるな」「人殺し」などとプラカードを持った反対派に罵声を浴びせられた。

 ティッシュペーパーまで投げつけられたため、細野環境相は「皆さんが聞く耳を持たないので」と述べ、予定していた演説を断念している≫とある。

≪産経から≫

がれき受け入れを拒否している都市名を見ると何か共通してはいないか?
九州地方で勤務した時、自分らの気に入らないことに対しては、徹底的に反対する「市民グループ」がいて、ひどいのになると役場のロビーに糞尿をまき散らすこともあった。そんな常識はずれの行動も≪市民団体の意見≫だと勘違いしている向きがあったが、反対派は、がれき受け入れは不安「安全の確証がない」からだという。
電車も自動車も、ましてや飛行機などにも「安全性の確証」はない。3800時間も乗ってきた本人が言うのだから間違いない。
しかし民間航空、JRなど、毎日相当数が運航されていて、たまに災害などで止まると、数万人の足に影響と報じられる。歩いていても上からものが落ちてきて死ぬこともある…
しかし彼ら彼女らは、もともと、イデオロギーで反対しているグループである。いくら誠意を持って説いてみたところで、“絶対に”安全性に確証を持つ相手ではない。
細野大臣はティシュ―ペーパーで済んだようだが、次は豚の内臓、牛の首かもしれないぞ!!ご用心ご用心!


原発の再稼働についても同様の現象が続いているが、地方自治体の長などは、そんな直接的暴力行為が怖いのであり、下手すると落選するから、屁理屈つけて「市民グループ」に理解を示すそぶりをしているだけに過ぎない。要は偽善なのである。そのいい例が昨日の産経28面に出ていた。


≪今年2月、青森の雪を那覇市に届けて子供に楽しんでもらう行事が、東日本大震災後に首都圏から避難した人らの反対で中止になった問題で、反対の中心になったのは以前から反原発運動に携わっている市民団体のメンバーらだったことが5日、分かった。メンバーらは「放射能の影響が心配」と抗議、行事を中止させたが、一部のメンバーは被災地から出るがれきを受け入れないよう沖縄県に反対する運動も行っている≫というリードの、「青森の雪で遊ぶ行事中止」「那覇で反原発団体が主導」「がれき受け入れ反対運動も」という記事である。少し長くなるが、この“市民運動”の真相をついているから引用しておく。

≪この行事は、海上自衛隊那覇市が平成16年度から毎年実施。今年は会場を那覇市内の久茂地児童館に決め、2月21日に行われる予定だった。雪は海自が青森県十和田市で集め、P3C哨戒機で空輸。児童館で雪遊びの告知をしたところ反対意見が寄せられたため、市は同月20日、児童館で説明会を開催。約20人が集まったという。

 市は自衛隊が雪を積み込んだ際などに放射線量を計測し異常がなかったと強調。2月の空間放射線量は青森市沖縄県南城市よりも低いと説明したが、出席した女性らの反発が強く、市は中止を決めた。その際、「子供に万一のことがあったら責任を取ってくれるのか」と泣く女性もいたという。

 児童館関係者らによると、出席者のほとんどが東京や神奈川など首都圏から自発的に避難してきた人たちで、もともとの住人はいなかったという。

 原発運動を行う2つの市民団体から代表の女性2人も説明会に出席。市の担当者に詰め寄っていたという。そのうちの一人は女性は被曝量が少なくてもがんなどを発症するという持論を展開し、反原発関連の著作の翻訳も手がける。
この女性が共同代表を務める別の市民団体は震災がれきの受け入れにも反対。この団体のもう一人の共同代表の女性は3月12日、沖縄県に被災地のがれきの受け入れに反対する陳情書を提出している。

 久茂地児童館で中止されたイベントは2月28日、那覇市内の別の施設で開催された。この施設の関係者によると、「放射能をまき散らさないで」「別の場所でやって」といった匿名の電話がかかってきたり、無言電話があったりしたという。

 今回の中止騒動について地元住民は「反対するのは勝手だが、イベントを欠席するなどの措置で足りたはずだ。楽しみにしていたイベントが中止になって地元の子供たちはがっかりしている。沖縄県民が反対しているのかと思われ心苦しい」と話した。
計測が不十分
説明会に出席した市民団体代表の女性の話:「私は千葉県松戸市から沖縄に避難し、2歳の子供がいるが、自分の子供だけではなく、ほかのすべての子供たちに危険が及ばないようにしたかったのでイベントの中止を求めた。役所側が提示した空間放射線量のデータはガンマ線のみでアルファ線ベータ線の数値がなく計測が不十分だ」≫


これが今の反原発運動、がれき受け入れ反対運動、そして普天間基地騒動の背景である。この女性はどこの学校を出た“才女”か知らないが、空間放射線量もいいけれど、身の回りの自然界の放射線、医療関連放射線について調査したのか?
「ほかのすべての子供たちに危険が及ばないように」配慮するのだから、その博愛主義には感心するが、今回の行動は一般的には「余計なお世話」というものだ。

こんな≪一部の≫「博愛主義人権グループ」に、公共行事が一一中止されていたのでは、民主主義とは言えまい。もっとも原発撤退を唱えているのは共産党だから、共産主義かもしれないが…。


ところで先日の産経新聞に掲載されたこの一枚の写真を見て、だれも気付かなかったようだが、これがこの国の姿である。緊急配備されて宮古島についたPAC3が赤信号の交差点で停車している姿!!多分同盟国は唖然、対象国は軽蔑、そしてテロリストは大笑い!世は全て事もなし!

私が「表層のあぶくの化学反応」に左右されていたのでは、この国に「絆」も「希望」もあったものじゃないと落胆する気持ちがおわかりだろう。
いま政治に必要なのは【勇気】である。国家防衛を忘れて、独立の気概を失ったこの国の指導者達と、変なイデオロギーにマインドコントロールされた○○につける薬はない!



新書紹介===========================
1、「激論プラス」政治不在の日本に、未来はあるのか!?
   オークラ出版¥1200
  表紙をご覧いただけばおわかりだろう。しかし、いくら正論を吠えても効果がないのも現実であるが…。ご一読あれ!



2、「政治とはなにか」岩田温著(総和社¥1900+税)
 彼の学生時代からお付き合いしているが、気鋭の政治哲学者である。題からわかるように、「政治」とは何かについて、保守主義ナショナリズム、政治家、革命、昭和維新など様々な角度から「政治」に切り込んだ論考集である。
あぶくの化学反応に飽きた私としては、彼のような新進気鋭の学者に、わが国の政治の今後を期待したい。

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