軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

歴史の“愚”を繰り返すのか!

1989年6月4日、中国の天安門広場では人民解放軍が、民主化を要求する学生らの抗議集会を戦車のキャタピラで踏みつけ、発砲を繰り返して終了させた。毛沢東は「革命は銃から生まれる」と言ったが、学生は無防備だったから銃で鎮圧され、革命は成就しなかった。

現在の香港でも、是と同様な虐殺が始まったが、デモ隊は屈する様子がないようだ。

大紀元日本は、連日香港に関する記事で埋まっているが、見出しの例はこうだ。

1、逮捕された16歳の少女、香港警察に集団レイプされ中絶手術受ける=香港メディア

2、ポンペオ米国務長官、「中国共産党政権は中国ではない」

3、香港警官からレイプ被害の少女が声明「今後、DNA検査で加害者を特定」

4、15歳少女が全裸の水死体で発見 香港でデモ開始後不審死相次ぐ

5、香港警官からレイプ被害の少女が声明「今後、DNA検査で加害者を特定」

6、香港警察、デモ参加者らの暗号化ネットワークを検閲 個人特定の企み

7、「香港人の精神を本土に広げたい」 中国の大学生が香港デモに参加

 

天安門事件時と異なり、今では瞬時に画像が世界中に発信されるから、いかな強権政府であっても隠しおおせは出来るまい。問題は、民主化を要求して立ち上がったグループに対する世界中の支援と支持が具体的にどのような形で継続されるのか?と言うことだ。

冷戦時代に、ソ連によってベルリンが封鎖された時、米空軍が強固な空輸作戦を強行して東べルリン市民を救援したが、香港は半島だから海上から救援するしかなかろう。

日本政府は『桜を見る会』で揉めていて、全くおとぎ話の世界に埋没しているから、我々は静観するしかないのが無念だが・・・。

ところで天安門事件で世界中から非難された中国の窮地を“救った”のは皮肉にも日本政府だったことを忘れてはいないか? 平成4(1992)年8月、中共は日本政府に対し天皇陛下(現上皇陛下)の訪中を要請してきたのだが、時の宮澤喜一内閣は、日本国内の反対を押し切って受け入れ、10月に天皇皇后両陛下が訪中された。

大方の日本国民は既に忘却の彼方・・・であろうが、要請を受け入れた直接の“犯人”は当時自民党内を牛耳っていた小沢一郎であった。その結果、天安門で地に堕ちていた中国の威信は回復、逆にその恩を忘れた江沢民は“反日”運動にまい進した。裏切られたのである。更に彼は「天皇との会見は1ヶ月前までに申請する」という外交上の慣習を無視して天皇との会見を強引に決めさせた。その結果、日中関係は改善したか?

利用されるだけでいつもバカを見るのは我が国だ。今韓国との間でそれが現実になっているではないか!甘やかしてきた付けが回ってきたのである。まだ目が覚めないのか!

今朝の世界ニュース早読みで、宮崎正弘氏は【香港中文大学といえば「香港の東大」。その香港大学に、11日警官隊が突入した。「学問の自由は踏みにじられた」と日本の新聞なら騒ぐだろう。昭和四十二年だったか、東大駒場に私服でやってきた自衛官衛藤瀋吉教授と面会したとき、その自衛官を取り囲んで、東大の民青らは「学問の自治が冒された」と騒いだっけ。昭和四十四年の東大安田講堂、早稲田大隈講堂に立て籠もってコンクリードで固め、城塞とした極左を排除するため、機動隊の導入は最後に「学長が要請した」のだ。

 香港では政庁の命令があったのか、警察トップの命令で、大学キャンパスが蹂躙され、この日、香港大学だけでも1000発の催涙弾が撃ち込まれ、大学講堂は医務室となった。287名が拘束され、70名以上が負傷した。日本の左翼メディアなら「血の大弾圧」と書くだろう。

 この日、深せんへ逃げ込んだ中国人留学生(遊学生?)は推定150名。一時的な避難所となった救援センターに駆け込んだ。香港から消えた中国大陸からの留学生は80名(サウスチャイナモーニングポスト、11月13日)。(略)11月24日に予定されている区議選は延期されるのではないかと不安視する観測があがり始めた。

民主派の立法議員合計7名が、意味不明の罪状で逮捕され、親中派議員の一人はナイフで刺された。立候補者はうっかり街頭演説もままならないほどに治安が崩れている】

と書いた。

民主化を求める香港市民をそんな状況に追い込んでいる大陸側の首魁を、国賓として招待して即位されたばかりの天皇に合わせる必要があるのだろうか?

自民党政権内部に、平成4年当時の“小澤一郎”がまだ潜伏しているとでもいうのか?

今朝の産経は、【自民党保守系議員約40人でつくる「日本の尊厳と国益を護る会」(代表幹事・青山繁晴参院議員)が、中国の習近平国家主席の来春の国賓来日に反対する決議を準備していることが12日、分かった。

北海道大教授ら邦人の不当な拘束や尖閣諸島沖縄県石垣市)周辺海域での中国公船の侵入行為などの状況が改善されない限り国賓での来日に反対する内容で、13日にまとめた後、安倍晋三首相に提出する方針だ。(略)一方、護る会は、中国で十数人の邦人が理由不明のまま拘束されていることや中国軍機による領空侵犯、尖閣諸島周辺での中国公船の挑発行為を踏まえ、日中関係は「正常な軌道」にないとの認識に立っている香港市民に対する中国当局の弾圧姿勢も問題視しており、これらの懸案が改善されない場合、習氏の国賓来日に反対していく考えだ】と報じたが、全く同感である。

しかしこちらから「招待を中止させる」のは無理だろうから、後輩が考えた「安倍首相が靖国神社に参拝すること」を提言したい。

習近平に“踏み絵”を踏ませるいいアイデアだ。もしも習主席が訪日を強行すれば、靖国問題は一気に解決する。

どうだろう、散々英霊に無礼を重ねてきたご本人である。年末、或は年頭に、靖国神社を公式に参拝されることを切望する。

天皇を政治的に利用して、2度までもバカを見るような愚かな外交をするものじゃない。

 

届いた雑誌のご紹介

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軍事研究12月号

今月の特集は「米中軍拡時代!鎬を削る強力兵器の開発競争」だろう。グラビアには、中国建国70周年軍事パレードの兵器が解説してある。しかし、私が気になったのは海自観艦式に参加してきた中国海軍艦艇「太原」を迎える在留中国人の姿である。

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どうも「間接侵略近し!」と映るのだが…考えすぎかも…

「市谷レーダーサイト」の≪「想定外」は言い訳に過ぎない≫は名言である。台風に関する問題点の指摘だが、私にも「想定しない」としか見えないからだ。都合のいい言葉が流行したものだ。