軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

人間万事塞翁が馬

11日の建国記念日、玄関先に国旗を掲げてそのまま新潟に向かった。
新発田市総鎮守:諏訪神社で執り行われる≪建国をしのび、国を愛する心を養う―建国記念の日≫奉祝行事の講師として招かれたからである。


気象庁の予報は日本海側は大雪(吹雪)と予報されていたが、晴れ男だから予定通り行動した。
上越新幹線も平常通り、「それ見たことか」と思いつつ林建良著「中国ガン」を読んでいると、「トンネルを抜けるとそこは雪国」だった!

≪越後湯沢の雪景色≫

新潟からのローカル線は20分ほど雪で遅れたが、天候は晴れ!気温は低かったが行動に支障はなかったからますます天を信じた!


午後3時15分から約2時間、「国際関係は『パワーポリティックス』:この現実から日本をどう守るか」と題して、いつも通り画像を示してお話ししたが、私の体験に基づく生々しい話は、いささか衝撃的?だったようだ。

主催は諏訪神社だったが、共催が新潟県神社庁日本会議阿賀北支部で、支部長の中村五郎氏は私より10歳年上、かつ飛行機乗りとしては大先輩、その夜は大いに語り合いご指導を受けた。

中村氏は昭和4年3月、滋賀県生まれで、昭和16年4月に県立八日市中学校に進学、18年の秋、近くに陸軍航空部隊があったせいもあり、“空だ!男のゆくところ”という飛行機乗り募集ポスターにひかれ、大空へのあこがれ抑えがたく15歳で≪第1期特別幹部候補生≫を志願、全国最年少で合格して20歳の“同期生”とともに、昭和19年3月、福岡の大刀洗陸軍飛行学校に入校、朝鮮各地の部隊で訓練を受け、16歳で陸軍伍長に進級、「神武414飛行隊員」として150kg爆弾を装着して昼夜を分かたぬ急降下爆撃訓練に励み、やがて97戦での特攻出撃待機となる。

≪今風に言えば、なかなかの“イケメン”=頂いた資料から≫


「純真で紅顔の若者だった私たち特攻隊員は、『大日本帝国のために死ぬ事。天皇陛下のために己の命をささげる事を日本男児として生まれた自分の最高の名誉であり、立派に死ぬことこそ最高の生き方である』と、心の底から信じ、死を恐れる気持ちなどなかったのです。今では誰も信じないでしょうが、うそのような本当の話なのです」。

≪これが“本当の”日本男児の顔だ!と私は思う≫


出撃3日前の8月15日、対馬海峡に近い南鮮の前進基地「木浦(もっぽ)」への進出を命じられ、出陣式で隊長訓辞を受け、乾杯したところ、「重大放送」を知らされ終戦、「敗戦の悔しさと不思議な安堵感で、その日はみんな互いに肩を抱き合い夜まで慟哭した」という。
10月に郷里に復員し、その後現神戸大学を卒業され、企業を設立、戦後日本の復興に一役買われた経歴の持ち主。御子息方は皆医師として大活躍、世に貢献されている。
人間万事塞翁が馬≫とはよく言われるが、終戦があと3日遅れるか、出撃が3日早ければ、優秀な医師となられたご子息方もこの世には存在しなかったのだ。9人のお孫さん方も…
15歳当時の中村氏の生きざまは、いじめで自殺する風潮が強い中に育つ今の若者には理解困難かもしれないが、人生の不可思議さを教えて余りあるように思う。


一方では核分裂実験をして、地球を傷つけて恥じない「若者」たちがはびこっているのもまた現実問題、しかし、人類共通の「乗り物」である地球を、自分の都合がいいように破壊して恥じない愚か者は、やがて淘汰されることは間違いなかろう。人体が破滅するまで体内で増長する癌細胞そのままだ。
こんな愚か者一人を≪駆除≫できないのもまた、国益追求主義が蔓延する現代国際社会の弱みでもある。
勿論シナという「ガン細胞」に、説得は不可能なのだが、我が国の“有識者”の中には、北の「ガン細胞」をシナというがん細胞に共食いさせようとしている人がいて、これまた不可解極まりない。
ガンに効果的なのは「NKリンパ球」だと林建良医師は言う。


その昔、半島問題解決のために「6か国協議」が開催されたが、何の進展もなかったことをどう評価しているのだろう?
議長国になったのは中国だったが、全くその能力はなかったから、北朝鮮はとうとう核保有国?としての立場を誇示し始めたし、我が国が期待した「拉致解決」も全く進展しなかった。
もともと議長国にははなから「やる気がなかった」のであり、米国もそれどころではなかったのだ。
いや、むしろ結果的には議長国が「ガン細胞」を増殖させてきたといえる。
一番脅威を感じている“筈の”日本は、非核国だし武力行使なき国柄だから拉致にも無力、あの時期待した米国の「キムジョン・ヒル」次官補は今何をしている?
北の核廃棄を核保有国が指導するなど、茶番以外の何物でもなかった。北はますます『俺様が主人公』だと錯覚して今日に至ったのだ。


とまれ、中村氏が15歳のころに感じたであろう愛国心は、すでにこの国から消滅しているのだ。11日、車窓から見た限りではどこにも日の丸は見えなかった。
とにかく戦後日本各界(かろうじてスポーツ界だけには残っている?)に『真剣さ』が足りなくなったように感じるのは私だけだろうか? 私には全てが低俗なワイドショウーの様に「おふざけ満載」に思えるが…

そんな中、新潟で久しぶりに青春時代を真剣に生き抜いた84歳の『元戦闘機のり』、中村大先輩にお会いでき、元気はつらつとされた姿に圧倒されつつも、パワーを頂いた気がした。
充実した2日間、心からお礼申し上げたい。

中国ガン

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