軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

教科書に載った“迷”宰相?

早いもので4月に入った。三寒四温とはよく言ったものだが、草花は元気に成長している。鶯初め小鳥たちも元気に我が家上空を飛び回っている。桜もほぼ終わり、世はまさに春だ!


今日から愛読している産経新聞の紙面が変わり読みやすくなった。
一面は沖縄の土地を所有する「台湾人が殺された」ことを分析する記事で、沖縄にはびこる中国の影に警鐘を鳴らしているが、その中国では、ネット情報によると、北京に豪邸を持つ胡耀邦の3男、胡徳華の屋敷を武装した200人以上の「黒=暴力団」が取り囲んで乱入し、屋内にあった公文書の類を持ち去ったという。
胡徳華は香港に不動産会社を持っているが、不動産会社の裏には「黒」がついているのが常識、金目当ての犯行か?といわれているらしいが、それにしては「公文書」の類を持ちだしたのが意味不明。薄帰来に絡む権力闘争の一環か?といわれているらしい。


日本のバブル期も地上げ屋と称する暴力団が跋扈したが中国はその比ではないらしい。
豪州の不動産屋などは、当初から黒社会と契約を結んで進出しているというから、殺された台湾人も多分その被害者だろう。ということは、中国の黒社会が絡む不動産屋の触手が沖縄にも伸びているという証に他ならない。


今後、普天間以外にも米軍用地がどんどん返還されるだろうが、地代が入らなくなった軍用地地主たちにも「黒」の手が伸びているとみるべきで、「基地返還」「米軍出て行け」「県外移設」を叫んできた一派と共闘してきた沖縄の一部地主たちは、やがて“想定外”の悲劇に見舞われることになろう。
3月30日の日本経済新聞夕刊は、「軍用地料のひずみ 高騰の果て 新たな亀裂」と題して、
≪軍用地の所有権が売買されるのは、値上がりが確実に見込まれるからで、金融機関が軍用地を担保に融資する「軍用地ローン」もある。沖縄の米軍基地は約232平方キロ、民有地は約75平方キロで、約3万6千人の軍用地主がいる。年間の借地料は約790億円に上る≫
という沖縄の軍用地のからくりを暴いた記事を書いているそうだが、私が勤務していた頃からそうだったのだ。

≪当時の沖縄タイムズの記事≫

橋本首相の「普天間返還」宣言に大慌てだったのはもちろん軍用地地主で、何とか返還されないようにと「左翼」と共同戦線を張ったが、次に慌てていたのがこの手のローンを組んで多額の出資をしていた沖縄の銀行だった。
すぐに海邦銀行が“倒産”し、沖縄、琉球各銀行も破たんした。だから沖縄の本音は『返還』されることに反対だったのだ。


≪借地料は国と地主会との交渉で決まるが、軍用地を安定的に確保したい政府の思惑もあり、復帰後も値上がりが続いた。
宜野湾市軍用地等地主会によると、普天間飛行場の軍用地料は接収前に宅地だった土地が72年の約6.3倍、田畑など宅地以外の土地が約7倍に上昇。同飛行場の地主が年間に受け取る平均額は200万円弱というが、中には1千万円を超す人もいる。軍用地の販売価格は年間借地料に倍数をかけて決まるが、返還の見込みがない土地ほど高い。嘉手納基地は約35倍、普天間飛行場は約25倍で取引されているという(日経)≫


実はこのような破格の取り扱いをした政府が、沖縄県人の金銭感覚を麻痺させたのだと言える。記事にはこうある。
≪上がり続ける軍用地料は過重な基地負担への償いの側面があるが、沖縄国際大学の来間泰男名誉教授は「高すぎる軍用地料が沖縄社会にひずみをもたらした」と指摘する。高額な地料を得る人は働かなくなり、ばくちに走る例も少なくない。相続の際にはどう分割するかで兄弟間に不和をもたらす要因にもなっている。
また基地問題に悩まされている他の市民からすると、「地主だけがいい思いをしている」と複雑な思いになり、住民間の亀裂も生まれる。… もともとの地主ではない投機目的の人が所有権を持つことで、返還後の跡地利用に影響が出る。
軍用地の上昇に伴い基地外の地価も上がるなど副作用も生じている≫


既に私が退官してから17年になる。
退官後、混乱している現地について事実を教えてほしいと文芸春秋編集部に乞われて、私は雑誌「諸君(平成10年4月号:1998)」に、「沖縄のホンネは『基地存続』(タイトルは編集部)」と題して「橋本総理よ基地と共生してきた沖縄県民の本当の声を聞け」とする内容の一文を書いたから『今頃なんだ』と日経にいいたくなるが、しかしこの手の沖縄批判記事を書くには今でもなかなか勇気がいることだろう。


≪雑誌「諸君」の記事=平成10年4月号:1998≫

いずれにせよ私は当時の橋本総理の一大失政だったと思っている。しかし、それはそれ、今後のやり方いかんでは、そのままそっくり「中国領土の拡大=沖縄占領」につながりかねないことに安倍首相は注意すべきである。
文化財として酒税法対象外の度数を誇る銘酒「どなん」の生産地、与那国島にさえも、常識はずれの地代を請求する風潮が根付いたのは、長年の基地闘争によって桁外れの金が降ってきて潤っている沖縄本島、特に南部の異常な潤い方を見習ったからだろう。


ところで「失政」といえば、3・11当時の政府にも当てはまる。
産経6面の「視線」欄に、阿比留記者が「教科書に載った菅元首相」と題して、文部科学省が3月26日に公表した来春から使用される高校教科書の中に、
≪「震災処理の不手際もあって菅内閣は同年8月に総辞職に追い込まれ、かわって野田佳彦が組閣した」(日本史A)
菅内閣は、放射能汚染の情報を十分に国民に開示しなかったことや、復興計画の立案と実行が遅れたことから、国民の批判を浴びて倒れた」(日本史B)≫
≪菅氏を支えた元首相秘書官によると、菅氏は在任時、口癖のように度々こう語っていたという。「俺は歴史に名を残したいんだ」
その夢はかなったというわけだ。菅氏は今や歴史上の人物として高校生が学ぶ対象となった。目指すべき手本としてではなく、反面教師としてかもしれないが≫
と書いている。
歴代総理で教科書に載るのは、彼のような『失政』の代表しかいないのではないか? ああ、ノーベル平和賞を狙っているというルーピイさんもいたか…

≪インターネットから≫

≪週刊誌から≫

ところでお口直しに、中国国内で話題になっているニュースを二つ。
1、『習夫人、天安門事件の熱唱写真がインターネットに流出』 


ツイッター上で流出した、彭麗媛氏が戒厳部隊の前で熱唱する写真≫

≪【大紀元日本3月29日】習近平国家主席の初の海外訪問に同行し、ファーストレディとして華麗なデビューを飾った彭麗媛夫人。しかし当局にとって不都合な写真がミニブログツイッター(Twitter)や中国の人気ミニブログで流出した。夫人が1989年の天安門事件の際、戒厳部隊の前で熱唱する姿だ。

 写真は、熱唱する夫人の姿を掲載した軍事雑誌の裏表紙を撮影したもの。撮影者はある新聞の記者とされる。記者によると、数年前にそれを自身の中国ミニブログに投稿したが、まもなく削除した。しかし最近、ツイッターなどでこの写真が流出した。(以下略)≫


2、中国チベット自治区ラサ市郊外の鉱山で29日に発生した山崩れで、新華社電は31日、発見された死者は17人になったと伝えた。現地当局は残る60人以上を捜索しているが、生存は絶望視されている。

 新華社電によると、落下した土砂の厚さは20〜50メートル。被害者は土砂に押し流された可能性もあり、地元消防幹部は「捜索は困難を極めている」と話した。(共同)


中国ウォッチャーのコメント
「もともと他人の国土を侵略して、金などの資源を略奪しているのだからその報いだろう。高山地帯であるにもかかわらず、今回救援部隊がいち早く到達したのは、金の採掘を担当しているのが軍隊だからで、チベット人だったら見向きもしなかったろう。このようにチベット領土は、今や搾取さて続けていて荒野になりつつある。
沖縄がそうなる日も近いよ…」

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2年間、九州の芦屋基地で活動していたブルーインパルスが、根拠地の松島に帰隊した。
たまたま偶然、こんな自衛隊PR雑誌が届いた。チャンネル桜の井上キャスターの解説付き。
御巣鷹事故の頃、広報室長をしていた私としては「隔世の感」を覚える! 逆に国民の期待にはずれないように!と祈るばかりだ…

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