軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

金の卵、またもや快挙!

今朝の産経は、≪若手バレーダンサーの登竜門として知られる第42回ローザンヌ国際バレーコンクールの最終選考が1日、スイス西部ローザンヌで行われ、長野県松本市の松本第1高校2年、二山治夫さん(17)が優勝した。…2位には横浜市の高校1年、前田紗江さん(15)、6位にはモナコ在住の加藤三希央さん(18)=東京都出身=が選ばれ入賞者6人のうち3人を日本人が占めた≫と快挙を報じた。

≪第42回ローザンヌ国際バレエコンクール最終選考で優勝した二山治雄さん(中央)、2位の前田紗江さん(左)、6位の加藤三希央さん=1日、スイス・ローザンヌ(共同)≫


ローザンヌ国際、日本人上位独占に会場興奮 躍動する演技、大きな拍手」と題するmsnニュースには、
≪世界の大舞台で、日本の高校生が躍動感あふれる演技を披露した。1日のローザンヌ国際バレエコンクールで、長野県松本市横浜市の高校生が1位と2位を独占、興奮した観客から大きな拍手が起きた。

 「とてもうれしくて、何を言ったら良いか分からない」。優勝した松本市の高校2年、二山治雄さん(17)は喜びのあまり、ぼうぜんとした表情に。

 この日は最終選考に残った20人が演技。会場の反応からは、ブラジル出身のダンサーらに高い人気がうかがえた。しかし、結果は入賞者6人中3人が日本人。二山さんは自身の演技について「細かいところで失敗し、少し悔いが残る部分もあるが、気持ち良く楽しく踊れた」と振り返った。

 2位となった横浜市の高校1年、前田紗江さん(15)は「入賞したと分かった時、現実かどうかさえ分からなかった」と驚いた様子だった。(共同≫とある。

≪関係者から祝福を受ける二山君!=産経から≫ 

先日に続いて、“金の卵たち”の活躍に、日本の将来は明るい!と嬉しくなる。


それに比べて心配だったのが北海道の小学生行方不明事件だったが、これも無事保護されたので安心した。しかし、監禁した男は26歳の無職青年だという。
≪北海道警は3日、監禁容疑で逮捕した白石区東札幌3条の無職、松井創容疑者(26)の本格的な取り調べを始めた。同日中に自宅を家宅捜索し、容疑を未成年者誘拐に切り替える≫というが、こんな“腐った卵”は早く処分してほしい。


ところで、先月29日の産経一面に、≪尖閣領空侵犯に「マニュアル」 空自着手、中国機念頭に強制着陸手順≫と報じられたが、何を今更…の気がしないこともない。記事を引用しよう。


航空自衛隊が外国航空機に領空侵犯された際の対応マニュアルの策定に着手したことが28日、分かった。マニュアルの策定は初めて。尖閣諸島沖縄県石垣市)周辺の上空で領空侵犯や領空接近を繰り返す中国の戦闘機や情報収集機を念頭に置いている。マニュアルは強制着陸の実効性を高めることに重点を置いており、武器使用権限の見直しも喫緊の課題になる。
一昨年12月、中国国家海洋局のプロペラ機が尖閣周辺の上空で領空侵犯したことを受け、空自はマニュアルの策定作業に入った。

領海侵入には海上保安庁が対処するが、領空侵犯に対処するのは空自戦闘機だ。しかし、パイロットの権限は警告射撃と強制着陸命令に限定される。空自は昭和62年、ソ連軍機に警告射撃を行ったことはあるが、強制着陸をさせた事例はない。
マニュアルでは、侵犯機を国内に強制着陸させる方法や手順を規定。中国軍機の領空侵犯をにらみ、尖閣に近い石垣空港(同市)と宮古空港(同県宮古島市)に着陸させることをモデルケースとする。


着陸させる際、空自戦闘機2機が相手機を挟み込む形で誘導する。領空の外側に設けられた防空識別圏に接近することの多い中国戦闘機J10の搭載燃料で石垣や宮古島まで飛行させられるか見積もりを立てる。
J10とともに領空に接近してきている中国情報収集機Y8は速度が遅い。空自のF15戦闘機が横並びでY8と長時間飛行することは難しく、多数のF15でY8を追い越しては後方に戻ることを繰り返すような誘導計画を作成。中国機のパイロットが操縦席から脱出した場合の対応策も定める。

着陸後はパイロットを沖縄県警に引き渡し、警備態勢の強化も要請する。


ただ、強制着陸を実行するには、相手機と同じ方向に横並びで飛行しながら前方に曳光(えいこう)弾を発射する警告射撃だけでは不十分との声が多い。空自OBは「相手に撃墜の危機感を与えることが不可欠だ。機体すれすれを狙う威嚇射撃を行えるよう武器使用権限を見直す必要がある」と指摘する。

『マニュアルのポイント』

・領空侵犯機を挟む形で誘導し、石垣島宮古島に強制着陸

・着陸後はパイロットを沖縄県警に引き渡し、取り調べを要請

・県警に着陸地の警備態勢強化を要請

・中国戦闘機J10の燃料で着陸可能か見積もりを作成

・速度の遅い情報収集機Y8の誘導計画を作成

パイロットが操縦席から脱出した場合の対応方針≫


34年間、一途にスクランブル勤務に携わってきた私としては、今頃こんな『ありきたりの記事』に接すると、政府は今まで何をしてきていたのだろうか?と疑心暗鬼になる。

ソ連の当時最新鋭爆撃機・バックファイアーを警戒監視するファントム≫


≪その後もこうして日本の空の主権を守っている!:三沢基地


先日外交文書が公開されたが、その中に、沖縄返還時の驚くべき政府の不作為があったので、その概要を雑誌「丸」に書いた。
沖縄返還によって米軍から移管された南西方面の防空識別圏の北西部分を“自主的に”削除して中国を刺激しないよう配慮したのは時の西村防衛庁長官だったが、与那国島上空を二分している識別ラインは放置したままであった…。
更に返還後一年余の間、事実上の防空任務に就く米空軍が、国際基準の「ROE」で対処することを恐れた政府は、わが国のスクランブルは「警察行動」であるから、武器の使用を控えるように要請したものの、米側は「理解を示した」だけであった。にもかかわらず、国民にその事実を説明してはいない。担当した防衛庁の三井部員と空自幹部は「偽りの説明が沖縄に持ち越されることになる」と懸念を表明したのだが、政府は佐藤首相の後継者問題(いわゆる「角福戦争」)でそれどころではなかったことが判明した。


今回の産経の報道には、今まで空自にはそのような手順がなかったかのように誤解される部分があるが、冗談じゃない!我々空自の戦闘機パイロットは、命がけでこれに対処してきていた。
ROEは≪極秘≫に指定されていたから、当然公開出来ないが、細部にわたる手順は定められていたのである。多分今もそうだろう。そのような厳しい国際的手順や法令、実例、その他国内法にかかわる各種規則を十分理解できないと、OR(作戦可能)パイロットには指定されなかった。上空で事態に直面してから「手順書を紐解く」ことは不可能だから、全て頭の中に叩き込まされ、何回も何回も念仏のように唱え、記憶して手が動くように訓練され、その上で筆記試験や試験官から口頭試問を受けて判定される。
だから今でも頭の中に残っているが、その手順の一部が「辛うじて」実施されたのが、昭和62年12月9日のソ連電子偵察機に対する83空隊所属ファントム戦闘機の「警告射撃」である。
これは空自始まって以来の「警告射撃」として世に知られたが、外務省の厳重抗議に屈したソ連は、珍しく謝罪したものだ。
本来はこの時、領空(領土)侵犯したソ連機を「強制着陸」させるべきだったのだが、何故かしなかった。


空自の戦闘航空団では、演習時には、仮設“侵犯機”を誘導して、基地に強制着陸させる[対領空侵犯]処置行動を必ず演練するのだが、その際の問題は、≪入国≫管理と、警備(拘束)に手が出せないことであった。
つまり、あくまでも領空侵犯対処は「警察行動」だから、仮に相手が同意して強制着陸指示に従ったとしても、着陸後の取り調べは、地元警察か空港警察に委ねられる。その前に通訳官と入国管理局員も呼ばねばならない。国際空港は問題ないとしても、いきなり軍人を拘束するに事に慣れていないことは、昭和51年9月6日に起きた函館空港への「MIG25強行着陸事件」で証明されている。あの時は実にだらしなかった…
ひょっとすると、こんな重大事件があったことなど政府は全く無関心だったのではないか? 沖縄返還当時の政府と同じく・・・

≪函館に強行着陸したMIG25と同型機:雑誌から≫


軍事軽視の日本政府らしい、もたつきが感じられるのだが、制服サイドは準備万端のはずだから、よく話を聞くべきだろう。だから私は「シビル・アンコントロール」だと揶揄してきたのだ。


ついでに同じ中国のスクランブル情報をお教えしておこう。産経は8面左隅に「中国軍機緊急発進対象は日本の戦闘機」だとして、次の共同電を報じた。
≪2日付の香港紙、東方日報によると、中国人民解放軍系の学術団体、中国軍事科学学会の羅援副秘書長は、中国軍機が1月31日に緊急発進(スクランブル)をかけた対象は「日本の戦闘機だ」と述べた。羅氏は1月31日が中国の祝日である春節旧正月)だったにもかかわらず、日本が戦闘機を派遣して挑発したと主張、日本を非難した。羅氏は少将などを歴任した中国軍出身の軍事研究者で、対日強硬姿勢で知られる(香港・共同)≫

≪2008年8月の日中安保対話で、尖閣は俺のもの!と言い始めた羅援少将(中央:当時)≫


ところが中国では解放軍報が、寧河の東海艦隊航空第4師団所属の30MKK、2機が31日0935に緊急発進し、わが領空に近づいた正体不明?の敵機を3時間追い回して撃退し1235に基地に着陸した、と“ドラマ仕立ての記事”を得意げに書いたことから、ネット上では「これは映画かドラマの撮影か?」「3時間も飛んで燃料は足りたのか?」「正月早々無駄な燃料を使った!」などの書き込みが集中。
極めつけは「この記事は、昨年2月10日の軍報の記事と全く同一で、558文字の中で一文字だけ違うが、それは昨年は巳年、今年は午年だから『蛇(巳)が馬(午)』に代わっただけじゃないか」という痛烈な書き込みがあったという。つまり1年前の同一記事だというのだ。
そして『軍報は軍人をだまし、人民日報は人民をだましている』と怒った書き込みが殺到しているらしいが、さて、何度か北京と東京で「言い争い」をした羅援元少将よ、これら人民の不満にはどうこたえる?
プロパガンダ好きな支那人らしい…といっては失礼か?

おまけに習近平主席は、2月2日の隣国の“妹さん”の誕生日に祝電を打ったらしく、「彼と彼女」の顔写真が多数掲載されているらしいから、次の共同電に期待したい。

彼ら彼女らが恐れているのは“右翼都知事”の出現であり、そのためには、今までより一層強力な阻止活動を日本の左翼系新聞に指示しているというから、その観点から都知事選の記事を読むのも面白いだろう。
長崎知事選の投票率は40・58%、岐阜市長選は38・93%、したがって支持票は人口の半分以下、これじゃ『民主主義選挙』とは言えまい。
都知事選では若者たちが持ち寄った情報を総合して、「消去法」でいくと少しは見方が変わると思うのだが。何はともあれ、後期高齢者の先は短いが、人生の大半を残している次代を担う若き“金の卵たち”が、自ら人生を切り開いていくよう行動することを期待したい。

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