軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

蔡英文新総統就任!

15日、第2回「台湾大講演会」第3部「台湾の安全保障」に講師の一人として招かれた。10時から16時半までというマラソン講演会だったが、聴衆はみな熱心で、台湾の将来を憂慮する方々で埋められた。
私の持ち時間は20分、そこで【台湾の戦略環境=中国のミサイルにおびえる必要はない!】と題して、パワーポイントで解説した。
台湾関係者も少しは安心されたのじゃないか?と思う。


ところが突如福岡県郷友連盟事務局長で沖縄時代の部下から、19〜22日の間、台湾新総統就任祝賀訪問団に参加して欲しいと要請が来た。
団長予定だった田母神君が“不参加”になったためのピンチヒッターらしかったが、時間が取れたので参加することにした。


私にとっての台湾訪問は平成16年1月の「日台安保対話」以来、12年ぶり10回目の訪台だったが、この時期は台湾はちょうど梅雨の季節だから【雨具必携】だという。
そこで後輩が「空飛ぶテルテル坊主」を急きょ呼んだのか?と勘ぐった。

羽田発時刻は早朝で、帰国時刻は夜遅いので、田舎住まいの私は躊躇したが、旧部下はてきぱきと事務手続きを進行してくれた。


19日早朝羽田の待合室で、エルドリッチ氏と落ち合い、台北では福岡組の主力と合流、初対面の方々が大半だったが、すぐに打ち解けて、その夜は「中華民国第14任総統曁副総統就職慶祝酒会」(前夜祭)に参列した。
旧総統府迎賓館は、招待客で埋まったが、アフリカや南米などの外交団の姿が目立った。
ダークスーツ・ネクタイ着用とあったが、私は陳水扁総統時代に国防部から貰ったグリーンのネクタイを着用して臨んだ。
当夜は雨は降らなかったものの蒸し暑かったから、20日に野外で行われる就任式典の天候が気になった。
しかし、わざわざ「日出国」から太陽を背に飛んできたのだから、もちろん好天は確信していた。


翌日は総統府前広場は厳重警備で、バス乗り入れは制限されているので、かなりの距離を歩かされたが、「テルテル坊主効果」は絶大?で青空が広がったから、台湾の将来は明るい!と確信した。
既に座席は満席、辛うじて着席できたが、周囲は外交団やジャーナリストらが目立った。



≪式典前の各種の催しもの、演じる若者たちの表情が実に明るかった!≫



≪突如中央の席に日覆い出現か?と思ったが、ブルーシートに巨大な台湾島が描かれたシートだった≫


式典は「台湾人」の喜び溢れる光景でにぎわっていたが、とりわけ、式台前のスペースで行われる祝賀行事に参加する若者らの喜びに満ちた動きと同時に表情が生き生きと輝いていたのが印象的だった。

中華民国第一四任総統宣誓就職大典」は10時から12時を予定されていたが、その間は数々の催し物が壇上や演壇の前で演じられ、徐々に興奮が高まっていった。
やがて儀仗隊が整列すると会場は厳粛な雰囲気に包まれたが、就任式を終えた蔡英文新総統が登場すると、歓声が上がり祝砲が放たれる。
これを機に会場は一段と熱気に包まれた。


≪儀仗と礼砲を受ける蔡英文新総統≫


と同時に上空も晴れ渡り、強い日差しが照りつけたので脱水症が気になるほどだった。
その熱気の中、蔡総統は約40分間、見事な就任演説を行った。
感心したのは「原稿なし」であり、声も「変質」せず、「水も飲まず」堂々としていたことであった。さすがに噂に高い「才女」だと実感した。

内容はすでに報じられているから省略するが、その堂々たる姿から、彼女の並々ならぬ決意を読み取ることが出来た。

演説終了後、全員で「美麗島」が総統、副総統を先頭に壇上と会場が一体になって声高らかに斉唱された。この歌は、国民党時代に歌うことを禁止されていたものである。

そしてそのフィナーレでハプニングが起きた。台湾の有名な歌手が、さりげなく赤い垂れ幕を体の前に掲げたのだが、そこには「GET OUT」とはっきり書かれていたのである。勿論その対象は「外省人」と「国民党」を意味するものであるに違いない。

≪「GET OUT」と書かれた幕。下には原発反対とも書かれている≫


好天だったから演説会場の状況は世界中のTVで放映されたが、このパプニングを伝えたのは台湾のTVだけだったろうと思われる。
ちなみにこの祝賀式典の経費は、4000万円だそうだが、国民党の馬政権時代は1億3千万円だったという。

≪報道関係者のテントの一部≫


会場で行われた各種の催しとその雰囲気から見て、私は台湾もまた『日出国』になったと感じ、隣国は間違いなく「日没する国」になる予感がした。
いよいよ「台湾の、台湾人による、台湾のための政治」が始まるのである。
心からそれを期待し、喜びを共にしたいと思う。
一連の写真を添付するが、詳しくは、同行した郷友連盟幹事・井上政典氏の次のブログをご覧いただきたい。

http://ameblo.jp/rekishinavi/entry-12163260973.html?frm_src=favoritemail

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ほかに「気になる在日米軍基地」特集が貴重である。早速シナは購入して分析しているだろうが…


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都知事選挙をやる金がない、などと都民を無視した政界の裏事情があるらしいが、間違いなく戦後政治は国民、都民無視の専制政治に陥っているようだ。こんなことじゃ、いずれ我が国にも「トランプ氏」が出現するのじゃないか?いや『必殺仕事人』かも…

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第30回国防講座
「軍事力と政治力学の関係」〜レーガン登場とトランプ現象

平成28年5月28日(土)1230開場:1300〜1530(予定)
靖国会館2階・偕行の間
参加費:¥1000(会員は500、高校生以下は無料)


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