軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

半島危機は終わってはいない

のど元すぎれば熱さ忘れる、のが人の常である。
北朝鮮の連続ミサイル発射事案で、日本海に展開した米空母が、演習を終えて日本海を離れると、まるでメディアは危機が去ったかのように、森友学園問題から、今度は学校法人「加計学園」問題に目標を変えて、何が何でも安倍政権を倒そうという試みを国会で演じている。


北のミサイルが日本本土を狙っている「国家存亡の危機」だというのに、何ともまあ、今日はTV画面に「上野動物園のパンダ『シンシン』が赤ちゃんを出産」という「大ニュース」がテロップで流れる有様。
こうなると、トランプ大統領が、米国のメディアを信じないという理由がわかる気がする。
日本のメディアも確かにどこか異次元的で、ニュースの優先順位を間違えているのじゃないか?


たまたま先日、「モニタリング」という番組で、“無知な”芸人がスタジオに呼ばれ、高名な政治・経済専門家とともに、TPPやEUなどについて論評させられるシーンを見たのだが、この場違いな雰囲気に“蛮勇”をふるって参加した芸人の対応ぶりが笑わせた。

しかし私は、いかに仕組まれた番組だとはいえ、正直言って「違和感」を覚えなかった。
という事は、こんな番組が成り立つのは、普段行われている専門家らによる政治・経済などに関する討論なども、この程度のオチャラカ番組なのだ、と合点がいったからである。

つまり、まじめ?な報道も、そうではない報道も、みそも○○もほとんど変わりはないことを学んだのだ。地上波TVの知的レベルは“無知な芸人”とほとんど変わらなく見えるから、すべての番組がいわゆる“ワイドショウ”レベルなのだ。


おそらく、大半の国民は、それに気が付いて敬遠していると思われるから、ほとんどはTV界、および出演者たちの自己満足なのだろう。つまり常識的な一般社会から分離した“別世界”なのだ。それともギャラが狙いなのか??

これを見て、私は新聞もそうだが、映像社会の末路が見えた気がした。
これじゃトランプ大統領の判断の方が正しいといわざるを得まい。

ましてやそんな米国のメディアをなぞっているだけの日本のメディアじゃ、やがて共倒れになるのじゃないか?

今、わが国が急がねばならないことは、戦後日本社会を最大の窮地に陥らせた『平和無抵抗憲法』を破棄することである。

有事に改正が間に合わないのであれば、唯一の方法は「超法規的対応」があるが。


金正恩は「ICBMの完成をちらつかせている」が、これが彼の命取りになるのではないか?

相手はオバマではないからだ。

大国だと自画自賛していたシナは、全くの張子の虎であったことが証明された。
トランプは「北が米国に届くICBMを試射する証拠」をつかんだら「先制攻撃する」と警告している。
オバマは口先だけでシリア攻撃をしなかったから世界中から舐められた。しかし今回は別人!である。
トランプは、シナも頼りにならないと見たら、単独行動も辞さないだろう。


そこで問題は、北が“自棄のヤンパチ”になった時だ。地上では韓国を攻撃するだろうし、ミサイルを日本に向けて打ち込むだろう。問題は韓国と日本にある原発の被害だ。
いずれにしても米国にICBMは届かないから、トランプ大統領にとっては、出先の米軍とその家族だけが保護の対象になる。
岸田外相は「万全の態勢を整えている」と記者団に語ったが、「万全」などと国民をだましてはいけない。
世の中に「万全」という言葉ほど無意味なものはないからだ。彼には何ら具体策が語れないだろうと思うから、気休めにすぎず、言わない方がいいだろう。


勿論外交上の責任も彼にとれるはずはない。
その点ではシナと同様、日本の防衛策も張子の虎なのだ。少なくとも年内は要注意である。

今や代議士先生方は、選挙活動で気もそぞろだろう。落ちればただの人なのだから選挙活動の方に必死だ。

こうなると、国民にとって頼りになるのは自衛隊しかないから、ここは自衛隊にひと踏ん張りしてもらう以外にはない。
警察も消防も、事件続きで今のところ頼りになりそうにないから…

後輩たちよ、ゆめゆめ油断なさるな!!


ところで、先月末に上梓した「宇宙戦争を告げるUFO」の読者から、ぜひ≪メッセージ≫というアメリカ映画を見てほしいとメールが来た。内容がよく似ているというのである。
早速家内と見たが、非常に勉強になった。
http://eiga.com/movie/85583/

私のテーマは、宇宙開発技術の進歩で、傲慢になった地球人と、資源開発を最優先させるために宇宙に軍事的に進出しようとしている中国の脅威に用心せよという警告のつもりなのだが、確かに、異星人との最初のコンタクトは困難だろう。私は思念伝達だろうと思うが、映画では言語学者が現場に呼び出されて苦労するシーンがある。

意思疎通の難しさは、地球人の間でも大変なのだから、ましてや異星人相手になると困難だろう。軍隊の動き、政治家の判断、そして言葉の行き違い…などで予想以上の事態が起きるだろうが、そろそろ知的生命体が発見される時は近いという。
その準備をしておく必要があると私は思うのだが、今の政治家らに任せておいては難しいだろうな〜…。


届いた本のPR
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≪追悼・知の巨人・渡部昇一:永久保存版:ワック出版・¥1000≫


渡部昇一氏の追悼集である。「保守論壇をリードし、国益を守るために戦った言論」という項目が、氏を良く表していると思う。
とりわけ淡々とした令夫人とご長男の手記の中に氏の人間性が感じられる。

私は、2009年の雑誌「諸君」最終号の「日本への遺書」の中の「保守派をもむしばむ〈東京裁判遵守〉という妖怪」という氏の言葉に大いなるヒントを得た一人である。
そこには≪…高度成長が世界の羨望を集めている頃に、その日本に“幽霊”が現れた。幽霊というよりもそれは妖怪、しかも日本人の精神を喰い荒らす“妖怪”が徘徊し始めたのである。その妖怪とは何ぞや。
『日本は東京裁判を受諾して国際社会に復帰したのであるから、その判決を重んじた外交行動をしなければならない』という外務省筋の見解、つまり日本政府の見解である≫とあった。
つまり、「日本は東京裁判ジャッジメントを受諾することによって国際社会に復帰したのだから、東京裁判を重んじた行為をしなければならない(麻生外務大臣発言)」という外務省内を縛っている妖怪である。この一言で、私はわが外務省の“奇妙な外交”の実態が理解できたのであった。


≪SAPIO7月号:小学館¥720≫

今月も“懲りずに?”韓国問題特集号である。この国は放っておくに限るのだが、政府要人が“朝貢団?”を引き連れて訪問するのだから、何ともはや…。それとも里帰りなのかも。

都知事の独占告白もあるが、そろそろ復帰かしらん?
面白いのは平成総理17人の通信簿だろう。これを読むと、隣国のことばかり責めておれない気がしてくるが…。



≪軍事研究7月号≫


半島危機を取り上げた論文が目を引く。とりわけ竹内氏の「斬首作戦」金正恩の首を取れ!は面白い。特殊部隊の潜入か大規模軍事作戦かというのだが、そのどちらも消えたわけではない。刻々と状況は変化しつつあることがよくわかる。



ジャパニズム37号:青林堂:¥926+税≫

ここも半島情勢オンパレード。私は[半島情勢…備えなければ斯くのごとし!]と無為無策の政府を批判しておいた。


≪足利の時代:倉山満著:青林堂¥1200+税≫

表紙は何となく[コミック]風だが、れっきとした歴史書である。憲政史研究者の著者が、なぜ室町時代なのか?
そのきっかけが文科省学習指導要領の聖徳太子の呼称変更にあるというから面白い。
文科省と言えば、今やそのトップが貧困女性の隠密調査を熱心に実施するほど、文部科学とは無関係の役所だが、これじゃ国民の教育が“健全”になるはずはない。
若者たちに一読を進めたい。


≪ねずさんと語る古事記・弐・小名木義行著:青林堂¥1400+税≫

第壱巻は、アマゾンの古代日本史部門で第1位になったというほど、わかりやすい日本史解説書である。ルビがすべてに振ってあるから読みやすい。編集者は大変だったろうが…。
こうして日本の歴史が見直されていることは非常にいいことだと思う。

日本を守るには何が必要か

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金正日は日本人だった

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大東亞戦争は昭和50年4月30日に終結した

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