軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

大きく動く半島情勢

今朝9時半、南北両首脳が「国境線」を超えてにこやかに握手した。
なかなかうまい演出で『想定外』のパフォーマンスも出たから、世界中から集まっていたメディアには歓声が起こったと言う。
「国境線を無くして、互いに自由に交流しましょう!」と言う金正恩委員長の演技だったろうが、予想していなかったメディアにはそれが将来を見通す『明るい出来事』と映ったようだ。

≪朝日デジタルから≫


今から会談に入るようだが、ほぼ結論は見えている。
北は、「米国によって設定された『分断線』を解消しよう!」と持ちかけたのであり、南は「これでノーベル平和賞は固い!」と喜んだか?


この会談を、北のメディアがどう伝えるかが問題だが、おそらく「北の首領様の主導によって統一への道が開かれた」と強調するだろう。つまり南が折れてきたという印象操作になる。

事実今回のピョンチャン五輪以降の流れを見てみると、焦る南をうまく利用した北が、見事な“外交”を展開したと言える。
今のところ7:3で北の外交的勝利だ。


問題は核の放棄だが、これはあくまでも北と米の直接的交渉に依らねば解決しまい。
事前に秘密訪問した国務長官が、何を取り決めて来たかが問題だが、北の核廃棄=南の核撤去、つまり在韓米軍からの核兵器放棄要求になるだろう。

その前提として、おそらく「朝鮮戦争の停戦状態の解消」つまり南北和解宣言が出される公算が大きい。これには誰も反対できないからだ。


しかし核撤去の検証は非常に困難だが重要だから、双方の専門家による今後の検証活動方式の取り決めに時間がかかると思われる。

冷戦時代に米ソ間で行われた「SALT」交渉がそれを暗示している。
しかし結論が出ないまま、レーガン大統領が発表した「SDI構想」が効果を上げて、ソ連は内部から崩壊した。

その例が半島で実現できるとは、今のところ思われない。それには、北を支えているロシアと中国の存在が大きく影響しているからである。


問題は米国だが、内外情勢からいつまでもトランプ大統領は半島情勢に関わっていられない状況が生じて来ているから、南北が平和条約を締結して先に友好関係を築いた場合、在韓米軍は存在する意義を失う。
勿論それはロシアと中国にとっては“僥倖”である。


処で北が米大陸に届くICBMの開発を断念すると宣言した場合の米国の対応である。
北が「核を完全放棄するまで」米国はあらゆる手段を継続して追いつめる気か、それとも米国民最大の関心事であるICBM放棄で“妥協”するか?
次回の米朝首脳会談が、どう展開するかが非常に気掛りである。


一方、拉致問題さえも自国で解決できず、米国製の“憲法”を理由に「軍事力の使用を禁じ」て、自ら「国家主権を放棄」して「天皇を戴く商人国家」に成り下がって、ひたすら金儲けだけにまい進してきたかっての強国「大日本帝国」は、今度ばかりはアジアの孤児になりかねない。
永年の半島の戦争状態が終焉して隣に「統一朝鮮」が出現した場合、今まで以上に「特亜諸国」からの“いじめ”はひどくなるだろうが、誰も助けてはくれまい。

半島の将来を占う結果は間もなく出るだろうが、その後に控える米朝首脳会談こそ、わが国にとって気が抜けないものである。


当然外務省はじめ関係省庁はそれに備えているだろうが、官庁トップのいじましい事件の多発に、士気は大きく低下しているだろうから、あまり期待はできまい。

この様な結果を招きつつあるのも、反日野党の“国賊的活動の成果”だろうが、割を食うのは「お人よし」な日本国民である。


今年は「変化に富む、予測しがたい戌年である」と年頭に予言した。
その兆しが始まっているのに、何ともこの国は「ピンボケ極まれり状態」で救いようがない。

遊びほうけていたキリギリスは、やがてアリに喰い殺される…と言う寓話が今更のように思い出される。


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≪Will6月号≫
桜井よしこ女史と田久保忠衛氏の「危機の宰相は独裁でいい」は読ませる。
隣の「安倍総理、トランプと喧嘩してくれよ」と言うタイトルの対談は理解に苦しむ。世相が混乱している時には「玉石混交」の文章が出るモノらしい。
今月も「モリカケ論争」が尾を引いているが、国民のほとんどは関心を持っていない。火をつけた“方々”も内心収束法に苦しんでいるのじゃないか?


≪Nanada6月号≫
今月も『朝日新聞批判』が軒を連ねているが、なかなか効果がないらしい…
しかし財務次官問題で、今回ドジった!のは同系列のテレ朝だろう。
これは昔からひどい会社だが、女性記者を“餌?”につかって、罠にはめた挙句スクープ?は週刊誌にさせると言う、依然として呆れた報道会社であることが証明された。
書斎整理中だが、過去の記事がどんどん出てきているので、単に破棄するのではなく、折角だから次回以降ご紹介していこうかと思っている。


≪航空情報6月号≫

今月は、「歴代F−Xと次期戦闘機』の特集が読ませる。
漸く「陸上総隊」が創設されて、改変された陸上自衛隊の〈新体制〉は、遅きに失した感があるが、これで陸海空の真の統合の一歩を踏み出した、と私は感じている。



≪未確認飛行物体:非売品≫

日本宇宙現象研究会の並木伸一郎氏が「古希の祝い」に有志と共に発行したもの。
いずれにせよこれからは、地上のみならず「宇宙的視野」が要求される時代が到来する。
人々の意識は、地球を離れて、宇宙に向かっているのである…。
これはその先駆的方々の記録集である。

宇宙戦争を告げるUFO 知的生命体が地球人に発した警告

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金正日は日本人だった

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大東亞戦争は昭和50年4月30日に終結した

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