軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

資料から:中国の軍拡戦略=岡崎久彦

「戦略的思考」の必要性を世に問うた外交官として、尊敬していた岡崎久彦氏は、読売新聞の「地球を読む」と言うコラムに≪中国の軍拡戦略≫についてこう警告していた。

【(中国は) こうして、平和な国際環境を希求する半面、国内における共産党支配体制、領土、領海主張などの政治的諸原則については一歩も譲る気のない事を明らかにしている。

そして、その実現を確保するために必要な総合的な国力と軍事力を着々と蓄えて行くという事である。

 という事は、周辺の諸地域が、いずれは中華帝国の威に服するという諦観的な国家戦略を持つという前提でないかぎり、いつかは衝突する路線を走って行く事になる。(中略)

  中国側は、いかに平和を希求しても、原則は下りる気はない。少なくとも、中国側の公式文書――それは多分に真意を反映していると理解して良いであろう――によるかぎりは衝突路線は避けがたいように思われる。

 どうすれば衝突か避けられるだろうか。もちろん衝突直前にどちらかが原則を下りれば妥協も可能であるが、こうしたチキン・ゲームをする事自体望ましい事ではない。】

 

 今、盛況だった経済状況が行き詰まり、米国はじめ世界各国に秘かに手を広げつつあった中国の国家的軍事戦略が、各国から締め出しを食らいつつある。

 八方ふさがりで「暴走」も懸念されている折、岡崎氏の”中華思想”に対する警告を再読してみるのも有益ではなかろうか?

 

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〈平成5(1993)年2月8日読売新聞〉

 

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米朝会談の内幕は面白い。

韓国の教会で日本軍が虐殺?と言う大高女史の文には驚くほかはない。なんでも偽造するこの国は、シナと歩調を合わせることしか頭にないようだが、これも大昔からの「朝貢外交」のせいか。

それにしても濡れ衣を着せられた日本軍将兵は怒り心頭だろう。救いようのない国だ…