軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

生ぬるかった日本の外交

予想通り、今朝の産経一面トップは、韓国の密輸に関するニュースだった。

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一部メディアは、「密輸を摘発したのは韓国政府であり、クリーンなことを示している」という文大統領の言い訳を強調していたが、自主的に摘発し、日米の関係先に適時に通知していたのかどうか…

それがなかったから米国は、日本もグルになって“黙認”しているのじゃないか?と圧力をかけてきたのだろう。

でなければトランプ大統領が「日米安保条約」不平等発言を、唐突に言いだすわけがない。勿論「安保ただ乗り論」は米国民の対日不満の象徴だが、日本側は適切な対応を取ってこなかった。「思いやり予算」などと言う「番犬に餌」をやるような無礼な態度を示すだけで、共に血を流そうとはしなかったから、湾岸戦争時にも米国政府から大きな不満が出た。

そしてこの時も『金』を払って切り抜けたが、何処からも感謝されなかった…

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湾岸戦争時の米国紙の漫画

2001年の米国防計画見直し(QDR2001)で、我が国の≪シーレーン≫に当たる地域は「不安定な弧」と指摘され、自衛隊の活用を要望されたが、時の外務大臣は「自由と繁栄の弧」だと“茶化”したものだ。これらの不満が、米国政府部内には灰汁のように蓄積されていったのだ。

辛うじてそれを支えているのは、米軍と共同している自衛隊の練度、並びにトランプ大統領安倍総理の間の「個人的信頼関係と友情」である。

しかし、互いに選挙を抱えている立場だから、この状態が未来永劫続くはずはなかろう。

そこで同盟国らしい働きをするよう要請され、まず韓国の不正取引を見せつけられた日本政府は、慌てて韓国を「ホワイト国待遇」から外したが、それほど米国政府は日本政府の不作為に怒っていたのだろう。

そんな日韓関係の背景については今日の宮嶋氏のコラムが実に適切に表現している。

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韓流に嵌っている政官界はもとより、日本国内で甘い汁を吸い続けている韓国企業とずぶずぶの関係にある我が企業界はこれを機に猛省すべきである。

 

処で「トランプ氏を下品な言葉で酷評した英国の駐米大使」が辞任した。ダロック大使は書簡で「公電文書が大使館から漏えいして以来、自身の立場、および大使としての在任期間を巡る憶測が飛び交っている。こうした憶測に終止符を打ちたい。現状では自分自身の役割を自分が望むように果たすことは不可能になっている」としたが当然だろう。

メイ首相は議会で「ダロック大使が辞任の必要を感じたことは非常に残念だと本人に伝えた」と説明。トランプ政権に対する認識はダロック大使と同じでないとしつつ、大使は率直な評価を自由に下せることが重要と指摘した。

これが「高尚な?」政治家と外交官らの裏の姿だが、酷評されたトランプ大統領も、負けずにダロック大使とは「今後対応しない」とツイッターに投稿し、ダロック大使を「いかれた男」、メイ英首相を「愚か者」と呼び、英国に対する「口撃」を強めていたから、「目くそ鼻くその類」だが、「笑顔で握手しつつテーブルの下で足蹴にする国際政治」とはそんなものだ。更にレベルが低い相手が韓国だから、上品ぶった外交では裏をかかれるだろう。

在韓日本大使が、文大統領をどう評価しているのか、知りたいものだが・・・。