軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

資料から:「軍事常識欠如」が戦争を招く

政府は8月2日、安全保障に関連する物品の輸出管理手続きを優遇する「ホワイト国」から韓国を除外する政令改正を閣議決定した。

すでに7月4日から半導体材料などに使うフッ化水素、フッ化ポリイミド、レジストの輸出手続きを優遇する措置をやめているが、今回の「ホワイト国除外」で他の幅広い物品の輸出についても原則、優遇措置がなくなることになる。

遅きに失した感があるが、「国家安全保障」と言う国の根幹にかかわる問題を、国会議員自らが軽視してきた「ツケ」がようやく解消されたと言うべきだろう。

遅まきながら今回の決定で、「国防技術を保有する企業の外国企業への身売り」が拒否されることになるが、これは諸外国では常識的な判断であり手段である。

しかしながら日本だけがそうしてこなかったのは「スパイ防止法もない国」だから、規制強化は難しかったからである。

 

日本の政治の世界は、国家安全保障を軽視して、些末なことで世間受けを狙い、TVのワイドショー化することに血道を上げてきたし、今でもそうである。

 しかし今回、経産省は、韓国をホワイト国の指定から外し、同時に8月1日から、国家安全保障にかかわるハイテクを保有する日本企業の海外勢の買収の規制に踏み切った。英断を評価したい。

既に日本政府の対応のまずさから「液晶技術のシャープ」は台湾企業を偽装した中国資本に買収されたし、「半導体東芝」メモリーもそうなった。

元より政府だけではなく、企業トップにも、危機管理対応能力が欠落していた。

 

連日、記者会見で米つきバッタのように並んで頭を下げる企業トップらの無責任さにはあきれるしかない。きっとゴルフと麻雀は得意なのであろう…

今回の国の決定は一歩前進だと言えるが、未だに「外国人の土地買収規制」問題は放置されたままだから、極論すれば軍事力を使用しなくとも、“合法的”にわが国土は外国人が購入することができるのである。この異常さは、外国人には理解できまい。

 

やがて、町内の回覧板が”外国語”になり、気がついたら町内会会長が「外国人」になっていて「外国語」の使用が義務づけられる…「チャイナタウン」どころの騒ぎじゃない。

そんな悪夢は以前から指摘されていたが、国会では全く問題にならなかった。

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そんな国会には、日本人”もどき”が「合法的」に進出し、自分に都合の良い法律を作るから、どんどん少数派が集結して議会はスラム化し、その内本会議場にも楽に居眠りが出来るように、ソファーやリクライニングベッドが設置されることになるだろう。

如何に長い間の「軍事意識欠如」政策が国を滅ぼしてきたのか、過去の切り抜きからご紹介しておこうと思う。

 

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2018・9・15産経抄

諸悪の根源はここにあるが、政権維持のため、「その場しのぎのごまかしを続けて」で切りぬけてきた。

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学問の府では、「軍事」と聞くとアレルギー発作を起こして、研究を拒否してきた。

 

その責任は文科省にある。

しかし国民はその危険性を身に感じてきた。

感じていなかったのは国会議員と公明党(与党)が取り仕切る国土交通省である。

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平成30年5月14日産経

 

わが国では『シビリアン・コントロール』が口癖になっているが、それで国の安全が確保できるのか?と説いた識者はいない。

私は昔から「シビリ・アンコントロール」だと発言してきたが・・・

 

しかし、村井教授は『正論』に「戦争は文民統制で止められない」と書いた。将に正論である。

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村井教授は最後にこう書いている。

【・・・国民が常に平和的であると言うのは歴史的に誤りである。民主主義と文民統制が機能していても、国民が戦争を望めば民主主義国家は戦争に突入する】

 

それは「平和」を呼号する「民主的」学生たちが、ことあるごとに政府に「闘争」を挑み、「戦術」を練り、「作戦会議」と称する集会を持つことからも証明されてきた。

要は、大人たちが「偽善に目をつぶってきた」のだが、それを知った上で「学生ら」を煽ってきたのがメディアであった。

 

時代は進んでいる。その場しのぎのごまかしは、当の昔に効かなくなってきているのである。

政治の速やかな決断と実行力が戦争を防ぐ最善の道である。