軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

「剣はペンより強い」ことが証明された!

東京五輪も無事?に終わり、メディアはメダルラッシュ!と大騒ぎしているが、メダル獲得数は1位「米国 113」、 2位「中国 88」であり、日本は58で3位だという結果だったが、まるで日本が1位でもあるかのようにメディアは騒ぐ。

しかし、ドタバタ劇はあったもののどうにか‟公約”を果たした関係者は一安心だろう。唯我独尊、自己満足だと言えなくもないが、大会は、ボランティア始め、下部の組織(現場)が支えたので成功したと私はみている。

軍隊に関する有名なジョークに、世界最強の軍隊は「アメリカ軍の将軍、ドイツ軍の参謀、日本軍の下士官」で構成された軍隊で、最弱の軍隊は「イタリア軍兵士、日本軍参謀、中国軍の将軍」というものがあるが、今回の五輪はそれに当てはまりそうだ!。

つまり日本軍の下士官(兵も含む)は、歩兵と言ったくらい一日、4,50キロ徒歩行軍する程身体頑健で、しかも、教育水準も高かったので高度な独自の判断力を備えており、その上団結力と玉砕を辞さない敢闘精神に満ちていたからだ。

 

さて次はパラ五輪だがどうだろう?多分これも下が支えるので成功するだろうが、それよりも、二兎を追った菅首相は、残る一兎のコロナ対策で苦境に立たされている。まるでミッドウェイ作戦を見ているようだが参謀たちよ、しっかり指揮官を支えてくれ!

 

処でアフガン政府が崩壊してタリバンが権力を奪取した。米軍が撤退すると宣言して以降、タリバンの動きは素早かった。更に米軍が供与した多数の兵器が政府軍によって横流しされていたから、戦力は逆転していた。しかしバイデン政権は「歴史に学ばない」で国民の人気取りに徹した。いかにも民主党らしい無責任さだ。その結果、中央アジアに火種を作ってしまった。

 

私は靖国会館での講演で「アメリカの独善的戦法」と題してこう語ったことがある。

  • 力で独裁者を倒して暫定政権を樹立し、
  • 兵力を撤退、または一部維持要員を残留させてアメリカ式の“民主的?な”選挙を行い
  • アメリカ式(気に入る)民主主義国家を構築する。

しかしこの方式には欠点がある。

  • 現地の風俗宗教は度外視し、同一レベルだとして処理する。
  • 基準にする「情報源」は「英会話が堪能な現地人」を徴用し、
  • その後本国の政権が交代すると、政府要員の申し継ぎはなく、新大統領側近が新規に対応する(政策の不統一)

つまり打倒後の対象国の将来のビジョンが描けない。こうしてダラダラと継続するからやがて国内に厭戦気分が高まり選挙が焦点になる。そして“事業”を放棄するという悪循環に陥る。その実例には事欠かない。例えば、

1、1949・10・1蒋介石を切り捨てて毛沢東を支持へ⇒大陸の共産化

2、1949・12・7蒋介石、台湾・台北に亡命⇒台湾問題の生起

3、1950・1・12アチソン国務長官発言(アチソンライン)⇒6・25朝鮮戦争勃発

4、1955・ヴェトナム共和国(通称南ヴェトナム)成立

5、1964・トンキン湾事件米軍の介入(ヴェトナム戦争)

6,1971・「アルバニア決議」可決、中華民国国連脱退、中共国連参加

7,1972・2ニクソン訪中、米中和解⇒やがてソ連崩壊

 

その背景には一国覇権主義。軍事力“過信”、人種差別などがあるがこれは「過度の民主主義」と「人道主義」が足を引っ張っているからであろう、と私は解説した。

さてアンディチャン氏のAC通信によれば、

「今のアメリカは違法入国、麻薬密輸、人種差別、白人原罪論、殺人犯罪の増加、大幅なインフレなどに続いてアフガン撤退と大使館の緊急撤去が起きた。バイデンは就任して七ヶ月で続けざまに危機を作り出したが責任を負わず全ての危機に対策も講じていない。まことに憂慮すべき状態である。」とある。

 

国際情勢の危機は米国の時のリーダーの資質が大きく作用しているというべきかもしれない。

サイゴン陥落時同様、空港から逃げ出そうとするアフガン市民の画像を見て、わが政府はどう感じているだろうか?

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武器を持つものが政府を支配する!教養は無関係!「TVから」

 

複雑怪奇な国際情勢においては、少なくとも最後の最後は「力が支配する」のであり、「ペンは剣より強し!」などとは言ってはいられないことをわが国民は悟るだろうか?

無教養だが、銃を持った男らが強いのだ!昔のペルー大使館占拠事件を忘れたか!

教養人?のはずの大使らは何もできなかったじゃないか。

 日本人よ早く目を覚まそう!!