軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

改めて“新憲法(平和憲法)”を読み直してみよう!

今日は新聞休刊日、前回は「統帥綱領」を読み返してみたが、TVは相変わらず視聴率稼ぎ?に同じ動画を流し続けているようで、視聴者は一方的な内容に傾きかけていて‟判官びいき”の傾向が強くなってきた感がする。

いい機会?だから、これを他山の石として、我が国の「新憲法」を振り返ってみることも大事だろう。

まず‟問題”のわが憲法だが、憲法は第9条だけではない。その精神を表す「前文」からして「空理空論」の塊だ!ということに気が付いてほしいものだ。

‟新憲法”によって国防意識が大きく低下させられた事は疑いようがない。”新”憲法前文にはこうある。

「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと務めている国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。われらは、いずれの国家も、自国のことのみに専念して、他国を無視してはならないのであって・・(以下略)」

では現在起きている事象は何なのだ?世界の国は「憲法違反」だらけじゃないか!

占領軍によって、日本国民の“隷属化”が明白に示されたのは、「国民の3大義務」であろう。大日本帝国憲法には、「兵役の義務」「納税の義務」「教育の義務(教育勅語)」と示されていたが、現憲法の国民の義務では「教育の義務」「勤労の義務」「納税の義務」に変えられ「兵役」の代わりに「勤労」とされ、いわば奴隷のように働くことが義務付けられた。

国家とは①一定の領土とその住民を収める、排他的な権力組織と統治権を持つ政治社会であり、通常「領土」「国民」「主権」の3要素を持つ。

一時占領下にあった時は制限されたのは已むをえなかったにしても、独立後も全く改善されなかった。

北方領土は?北朝鮮にらちされた同胞は?尖閣竹島は?どうなったか? 放置されたままではないか。これを私は「法治国家ならぬ放置国家」と言ってきた(苦笑)

最も悪いことは、戦後教育を“日教組”なる反日組織に占拠された結果、「戦争が起こっても逃げ出すつもりの若者が増えて好ましいことだ」とある若い社会学者が言うほどにだらしなくなった。今ウクライナ市民がやっているように、小林秀雄は「銃を取らねばならぬ時が来たら、喜んで国のために死ぬであろう」と言ったが、「学問とはこの覚悟と連なるものだ。自らのこととして思うことから、責任感が生まれるのだ」と国武忠彦昭和音大名誉教授も言ったが、戦後の若者たちは馬耳東風、“戦うこと”を忘れ去った。

しかも、わが国の「国防の基本方針」は、

  • 国際連合の活動を支持
  • 民生を安定し、必要な基盤を確立する。
  • 国力国情に応じ効率的な防衛力を漸進的の整備する。
  • 将来国連が有効な機能を果たしうるに至るまでは、米国との安全保障体制を基調とする。

という四本立てだが、当時の官僚たちは物事を深く考えようとはしなかったようで、第9条に「国際紛争を解決するための手段としての軍事力保持を永久に放棄」すると言う項目を取り上げ、‟得意げに”平和主義を吹聴した。

しかし“肝心な”国連憲章「The Purposes of the United Nations (連合国)are~」というが如く「戦勝国」の憲章だと明示されていたにもかかわらず、誰かが「国際連合」と意訳(誤訳??)して加入し、平和に貢献しているかのように取り繕ってきた。

しかし、これらが‟虚言”だったことは、今のウクライナ紛争での国連の活動ぶりから示されているじゃないか!

常任理事国たるロシアもシナも、安保理の制約を受けず、侵略を制限されていないからだ。国連に加入した理想はよかったが、現実には機能していないのだから、キャッシュ・ディスペンサーに過ぎなかったのだ!

にもかかわらず、後生大事に「国連の活動を支持」しているというのは正常じゃなかろう。

しかし、当時から薄々気が付いていた利口な官僚は「将来国連が有効な機能を果たしうるに至るまでは、米国との安全保障体制を基調」とする一文を付け加えた。

 

そしてその後実質的な「機能」は日米安保条約によって果たされてきたにもかかわらず、在日米軍に対する、特に沖縄問題についての‟仕打ち”には容認できないものがあった。

「自国のことのみに専念して、他国を無視してはならない」筈ではなかったか?

今のロシアや、すでに動いているシナの指導者に対してはそこまで言い募ることはできただろうか?

北方領土尖閣問題を見れば明らかだが、親中派の代議士に聞きたいものである。このことを「国際的な不公平」という。

 

マ、細部はいいとして、この際だから前掲の「憲法前文」を再読していただきたい。

 

「喧嘩両成敗」と昔から言う。今回のウクライナを巡る“ケンカ”はプーチン氏の誤判断の傾向が強いが、会談したバイデンの不注意が火をつけさせたということもある。アメリカ国民も‟トンデモ大統領”を選ばされたものだ。

戦争は、互いに正義を唱えながら実行するものであり、正義と不義の戦いじゃないことも忘れてはなるまい。

 連日流される動画を見ながら、わが「憲法前文」と照らし合わせ、絵空事を真に受ける“大人たち”は今や殆どいないと信じたいものだが・・・