軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

やっと“軍事”を語るところまで来たか!

自慢するわけではないが、このブログは、2005年5月に私の「話」に賛同した当時の“友人たち”に勧められて立ち上げたものである。当時友人だった大学講師が書式一切を立ち上げてくれて、最初に「軍事を語らずして日本を語るなかれ」という副題をつけてくれた。

そのころの私はワープロは持っていたもののパソコンも持たず「ブログ」という書式さえも知らなかったから、息子のPCを共用して「おずおずと」書き始めたのだが、どんどん読者が増えて、ヒット数もうなぎ上りになり、各方面からコメントが届くようになった。しかし、その後パソコン購入、買い替え、転居などが重なり、復帰した時には読者数は激減してしまっていた。「軍事を語らずして日本を語るなかれ」という副題は一貫して変わらなかったものの、退官後20年以上も過ぎると、全く軍事音痴で利己的な政治家らの振る舞い?に嫌気がさし、熱意が薄れてきた。そして今や「軍事評論家」というよりも「UFO評論家」というべき存在になりつつある。

ところがここにきて、必然というか“偶然”というか、一部の政治家らに変化が見えてきた。ウクライナ戦争、ロシアや中国の横暴などが重なって、まともな政治家らには危機感が募ってきたのだろう。メディアもやっと気が付いた?らしく、「軍事」を取り上げ始めたように感じられる。というよりも世界中に「疫病」と「軍事的危機」が高まったからほかに書くことがなくなったのだろう。
新聞休刊日を控えた昨日、一部TVが報じたが、今朝の朝日デジタルが「台湾有事、その時政府は… 元防衛相らがシミュレーション」と題して次のように報じた。

写真 朝日新聞社 :シミュレーションでは、防衛相役の大塚拓衆院議員(右手前)のもとで各幕僚長役の元自衛隊幹部らが集まって議論した=2022年8月7日午前、東京都新宿区、松山尚幹撮影

 

【中国が台湾周辺での軍事圧力を高めるなか、防衛相経験者や元自衛隊幹部が参加して台湾有事を想定したシミュレーションが6、7両日、東京都内で行われた。平時から有事へ事態が進展するごとに日本政府が取るべき対応を検証した。

 シンクタンク「日本戦略研究フォーラム」の主催で、政策提言のため、昨年から台湾有事を想定したシミュレーションを実施している。今年は、中国軍による大規模演習の前から予定しており、複数の自民党国会議員や元自衛隊幹部が参加した。小野寺五典元防衛相が首相役を務め、複数のシナリオに基づいて国家安全保障会議NSC)を模した会議で議論を重ねた。

 シナリオの時代は2027年。中国は習近平(シーチンピン)体制への国民の不満が高まる一方で、台湾では独立を目指す動きが拡大するなど、中台が政治的に不安定になっている状況を設定した。】

もとより自衛隊の各部隊や学校や、一部OBの属する民間の組織では、自分らが常用してきた「図上演習」として慣れ親しんできた方法で「検討」を続けてきていたものだが、公表されることはなかった。当然「秘」だからである。無駄な作業?だったのである。

軍事組織には常に「敵」があるのだから、「UFO」の存在同様、「国家機密」として内部だけのものにされ、公表はされない。だから「他国とその手先」は真剣に情報を入手しようとして、酒、女、金を使って篭絡しようとしてくる。

勿論その中にはカルト宗教組織も入っていて、その手の取り巻きは、昔「防衛庁」が歓楽街の六本木にあったころには、セキュリティが緩かったこともあり、焼き肉屋、中華料理屋は言うに及ばず、周辺のホテルなどが防衛庁を取り巻いていて、そこでは情報収集にあたっていたのであった。

 

例えば、昔三沢基地勤務時代、5万人に満たない街に10軒以上もの「パチンコ屋」が乱立していて、損得抜きで情報収拾に励んでいた。米軍も注目していたものだが、彼らには「憲兵(MP)」という組織があったものの、自衛隊にはないので、憲兵らは自衛隊まで疑っていた。

「パチンコ屋」はもちろん半島の「南北」が互いに競合して作った情報組織だ。北が1軒増やせば南がすぐに建てるから、街では笑いものになっていたが、彼らには「資金を提供する組織」があったのだから、もうけは論外だと言われていた。米軍は、日本側の「緩んだ体制」に呆れていたが、そのうちあきらめたと思われる。今話題になっている「宗教団体」以外の団体もそうで、独身の若い隊員(そのころは婦人自衛官は少なかった)から若い女性らがたむろして“勧誘”することも多かった。

ところで今回のシミュレーションは、小野寺元防衛大臣が絡んでいるようだから、成果を期待したい。というよりも、いかにこの国の「防衛体制が政治的欠陥だらけ」であるかを政府に進言して、速やかに修正してほしいと思う。

今までは「制服組」だけがやきもきして、「政治的判断」は「適切に発揮される」とする「設想」で研究してきたのであったが、下村文科相の発言を聞けば「政治的判断」は下さないのが「大臣」だそうだから、「設想」で間違っていなかったのだろう(笑い)

 

今考えてみれば「無駄な青春を過ごしてきたものだ!」と複雑な気分になるが、ぜひ成果を生かして、政府に働きかけ防衛体制に進化をもたらしてほしい。

さて、「ペロシ議長訪台旅行」に対抗して、盛大に?花火を打ち上げた中国軍は、4日間の演習を終了したと報じたが、今日の毎日は【中国軍で台湾方面を管轄する東部戦区は8日午後、台湾本島周辺で、実戦化の統合演習を継続して、対潜水艦訓練などを重点的に実施したと発表した。中国国営中央テレビ(電子版)などが報じた。】という。

そうだろう。あれじゃ“人民の欲求不満”は解消されまいから、騒がない日本相手に演習を続行して、兵たちのうっ憤を晴らすのだろう

人事を語る「北戴河会議」の最中だし、10月には主席の進退も明らかになる。今が一番大事な時だから、会議場周辺の警備は、相当な緊張感に覆われているだろう。何しろ台湾の統一は中国にとっての「核心的利益」であり、日中安保対話でも、中国側参加者はそろって同じ言葉を言ったものだ。マ、相手を威圧するときに使う用語の一つではあるようだが・・・

問題は“近代的玩具”を手にしたと思っている人民解放軍の兵士たちだが、彼らはほとんど外国軍(特に米軍)の恐ろしさを知らない。昔の日本兵のように「敵を知らず」に戦いに臨むようなものだから、その思い上がりが危険である。

おそらく政治に絡んだ上級幹部らにその“思い上がり”を制止する力はあるまい。中共政府要人はもとより、軍の高級幹部らは、米軍の実力を承知しているし、何よりも“稼いだ”自分の財産を失うことが怖いが、兵士らにはそれがない。暴発しないことを願うばかりである

 

ところで、「ウェッブ宇宙望遠鏡から届いた、5億光年かなたの銀河の画像」をウエブ上で見つけた。

地球上のきな臭い話題に変えて、壮大な天体に思いをはせるのも、気分転換になるだろうから、添付しておこう。

 Image: NASA, ESA, CSA, STScI 車輪銀河 には小さな内側のリングと、4億4000万年にわたって膨張し続ける大きな外側のリングがある。

 

解説にはこうある。【ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡JWST)から最新画像が公開されました。今回の被写体は5億光年離れた天体、2つの銀河が高速で衝突したことで形成された車輪銀河です。(中略)私たちの宇宙の謎に満ちて入り組んだ部分を解明するというJWSTのミッションはまだ始まったばかり。地球外生命体の探索までもサポートします。科学者たちが送られてくるデータを研究する間、私たち一般市民は今回のような美しい画像の数々を味わうとしましょう。】