軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

危険な米国政治の衰退!

恒例のお盆の入りを迎えたが、関東地方には「台風」までもご先祖様とともに戻って?来るという。一日驟雨に襲われ、時には激しく窓を打つ。家内が育てていたバラの花に、毎日水遣りして、やぶ蚊に襲われないだけ助かるが、きっとこの雨は家内の配慮なのだろうと感謝している。明日も不安定な一日になりそうだが、お盆の期間は、特にバタバタする必要もないから、静かに故人を偲ぶいいチャンスだろうと思っている。15日は靖国は晴れると信じているが。

 

ところで、驚いたことに、米国では「焦りまくっている」民主党が、あろうことか前大統領トランプ氏の別荘を「家宅捜索」という名目であら探しをしている。かってのニクソン大統領が、失脚するきっかけとなった「盗聴事件」暴露問題を彷彿とさせる。

世界の“民主主義国”のリーダーを自称する米国政治も、とことん落ちぶれたものだ。何よりも「正義(ジャスティス!)」を主張する国としてはこのところやり方が薄汚い。

在米のジャーナリスト・アンディ・チャン氏は書いた。

【月曜日8日に起きた、FBIのトランプのフロリダにあるマーララーゴ別荘の家宅捜査事件は共和党議員けでなく、一部の民主党員や大半の国民の大きな反感を買って、捜査令状にサインしたガーランド司法長官とレイFBI 長官が厳しい批判に晒されている】と言う。そして【トランプのマーララーゴ別荘の家宅捜査令状には「スパイ活動法違反の可能性及びその他(Possible violations of the Espionage Act and other laws)」が捜査の目的だ。明らかにFerriero氏は反トランプだから機密資料を隠している疑いを報告したのである】というが、過去の民主党政権時代に【ヒラリーが大量に機密資料を保存してしかも中国のハッカーに盗まれた時は報告していないし、ハンターバイデン(バイデンの息子)のパソコンにも機密資料があったのは誰でも知っていることだがFerrerio氏は報告していない。それはともかくガーランド司法部長はこの報告を理由にトランプの別荘を捜査する令状にサインしたのである】というのだからこの強制捜索は「ブーメラン」となって民主党バイデン政権の命取りになるのではないか?いずれにせよ、民主党というひねくれもの集団は、権力を握ると居丈高になり「濫用したがる」ようだ。まるで大昔の“ある官庁”の警衛所の警備員のように、一般市民にすぐ虎の威をひけらかすのだ。

このブログで何度も紹介してきたが、「アメリカを誤らせた民主党の60年:リベラルたちの背信(アンコールター著・草思社2004年9月発行)」を一読すればその歴史と背景が一目瞭然である。

わが国は、不幸なことにフランクリン・D・ルーズベルトの策略に引っかかって「対米戦争」に入り、大戦終結時には容共のトルーマンという副大統領から成りあがった男から原爆をくらわされるという不幸を味わった民主党オバマが広島に来て、一応謝罪?したが当然であったろう。

その後はケネディという“若造”がメディアの支援を受けて大統領になったものの、彼には度胸がなかったから、祖国独立を計画したキューバ人たちが犠牲になった。

その手法を見ていたフルシチョフキューバにミサイルを送り、明らかに米国を威嚇しようとした。今回のプーチンウクライナ侵略開始前の、バイデンの態度とうり二つであるが、メディアに美化されて「キューバ危機を救った男」として日本のメディアまでもがケネディを“勇気ある大統領”だとしてほめたたえた。

しかし、不幸にも彼がテロの犠牲で消えると副大統領となった“泣き虫”ジョンソンがヴェトナム戦争に深入りして、多くの若い米国青年たちを犠牲に供した。アメリカの民主党員はどうも自国の青年たちを戦争の犠牲にしたがる習性があるようだ

しかし、米国民は、「議員らは自己の利益確保に執着している」からだと知っている。まあ、どこの国の政治家も同じだが。

この著書によると「外交政策の失敗はすべて民主党が招いた」と断言しており、「レーガン(共和党)はソ連を崩壊させ、アメリカに冷戦の勝利をもたらした」ことになる。それは米国の政治史を振り返れば事実である。そして民主党が勢力を伸ばすきっかけになった根幹には赤狩り」として忌み嫌われてきた当時のマッカーシー上院議員を失脚に追い込んだ、当時のメディアと民主党員らの異常な連係プレイの“成果”にあったのだが、大方の米国民は気が付くのが遅れた。もちろん我が国は、ほとんど無関心だった。

この左翼勢力の蔓延を招いたのは当然メディアを抱き込んだ左翼勢力であり、メディアの影響力を利用して彼を“消した”のである。

ちょうど今、わが政局に影響を及ぼしてしている‟左派勢力”と同様だが、これに「反共」を掲げてうまくもぐりこんだ‟宗教勢力”の活動時期が重なってくることに注目すべきだろう。もう一つの勢力はすでに政権に食い込んで国土交通省を牛耳っているが・・・

細部は「コールター女史の著書」に譲るが、名著を読まなくなった日本の若者たちには理解できないかもしれない。

それにもう一つ、今わが国で話題の防衛費増額問題」を付け加えておきたい。経済専門家などが、あからさまに防衛費増額ムード?に抵抗できないからか、「経済力増強こそが最大の防衛力強化策だということを、心すべき時だ」とGDPに占める割合などのデータをもとに警告?を発しているが、それは「あくまでも外国(特に米国)」から武器を購入することを前提に比較しているようだ。しかし、それでは我が国の「自主的経済力増強」はできないだろう。あくまでも、武器弾薬は自国で製造、生産することが大切なのであり、今のウクライナのように「武器をくれ!」と言えば、他国が運んでくれるような防衛力は偽物であり、自国の経済力の増進には寄与しないということを知るべきである。

「自分の国は自分で守る」という証明は、自国の武器を生産できる手立てを持っておくことなのだ。あくまでも「足らざるを補う」のが同盟関係であり武器輸入である。

今や軍需産業は「殺し専門稼業」ではなくなっている。民需も軍需もほとんど区別できない。事実、我が国のラジコン機のエンジンなどが、他国で大いに活用されているではないか! 例えば戦闘機の開発によって、どれほどの産業が活性化するか、を調べてみるがよい。軍事=悪という左翼勢力の“妄言”に振り回されて、人を殺す「武器」と言えばまずその「定義」から問題視する日本の政治家や役人には踏ん切りがつくまい。

昔外務省に出向していた時、とにかく「武器の定義」に振り回されている高官が多く、ヘルメットは「武器にあたるか?」などと呆れたものであった。

例えばトヨタランドクルーザーヤマハの船外機は中東のテロリストたちには“好評”だが、日本の産業は「武器輸出」禁止という枠に抑えられて、ほとんど“他国”の産業に”利益獲得”を奪われているのだ。

日本の経済専門家の頭の改造の方が急がれることになりそうだ。

 

お盆なのに、ご先祖様の前で少し硬い話をしたようだが、次回は少し穏やかな事柄が書きたいものだと思う。