軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

噓をつかねばならない方々の不幸な人生

産経は「北ミサイル 続く軍事的挑発、強まる懸念 核実験への警戒感も」と見出しに書き防衛省によると、2発の弾道ミサイルは20日午前6時59分ごろと同7時10分ごろに発射され、いずれも日本の排他的経済水域EEZ)外に落下した。18日のICBM発射を受けて、自衛隊と米軍が航空機による共同訓練を日本海上の空域で実施した矢先だった。】と続け、次の写真と略図を掲げた。

他方、読売新聞は【北朝鮮の金与正(キムヨジョン)朝鮮労働党副部長が「太平洋を我々の射撃場に活用する頻度は米軍の行動にかかっている」とする談話を発表したと報じた。日本列島を越えて弾道ミサイルを太平洋に撃ち込む可能性を示唆し、米国をけん制したとみられる】と書いた。

 

こんなことは、言われなくとも我々は十分承知している。元より米国もだ。

北朝鮮が発射するミサイルは、北はロシア、西は中国、南は韓国に取り囲まれていて、どこの国も「上空通過はさせない」から、気球のように撃墜され、直ちに反撃されるからだ。「飛翔経路計算がくるっていました。これはミスです!」といくら叫ぼうと、どこの国も認めはしまいから、発射した瞬間、北朝鮮は「火の海」と化すだろう。

ただ一か国、反撃能力がないばかりに、弱気で「人道的扱い」しかせず、口先だけで「厳重な抗議」をするだけの国がある。それが「ジャパン」だ。だからその上空は撃ち放題!しかもご丁寧にも「測定結果」を教えてくれるのだから、経費が掛からない!

万一「失敗しても」この国は「自国民の「自己責任」で解決するだろうから、「私の責任ではない!岸田の責任だ!」と突っぱねることが出来る。

つまり、北朝鮮にとっては、日本列島上空を「試射」して通過させることは、当たり前のコースなのである。しかも「人質」は取ってある。「文句があれば言ってみな!」というところだ。

もうそろそろこんな自国民を馬鹿にしたようなおためごかしのお付き合いはやめたらどうだ?

 

この図は中国のミサイル飛翔図だが、どちらにせよ日本上空を飛ぶ必要がある。だから万一の時には、日本はそれを覚悟する必要があるのだ。

この図には「偵察風船の飛翔経路」は書いてないが、同じようなものだ。風船はただ偏西風を利用するだけだ。

 

しかし北朝鮮中共政府も、なんとも平然とうそをついてはばからない。うそをつくのが「要人の」役目なのだろう!

ミュンヘンで行われた、ブリンケン米国務長官と中国の王毅共産党政治局員との間で行われた「気球問題発覚後初めての対面会談」で、【ブリンケン氏は米上空への中国の偵察気球飛来は「二度と起きてはならない無責任な行為」と述べ、王氏は気球撃墜は「100%武力の乱用で、中国側は決して受け入れない」と批判。米中外交担当トップによる会談は非難の応酬となった。】という。

 

もし「(中国の)民間の研究機関の気球」が何らかの故障?で米国上空を通過したのだとすれば、王氏は率直にその非を認めて謝罪すれば済んだろうに、そう簡単にはいかない「国内事情」があるのだろう…

そうしていれば、気球が飛来してきたことを発表したカナダや米国などに対して、もうしわけがたったであろうし、「紛争を求めていない」と断言している米国には理解を持って受け入れられたであろう。

おそらく中華思想に凝り固まっている中国は、「米国は超高高度の気球など黙殺するだろうし、仮に発見されても『民間の研究用だ』と言い逃れできる」と甘い認識を抱いていたに違いない。コロナ菌の時も「米国が蒔いた!」と平気でうそをついたのだから今回も突っぱねる以外になかったろう……

すでに3年前に中国自身が気球に対する「撃墜訓練」をした、と公表していたのだから、言い逃れが出来なかったのかもしれないが、平気でうそをつくこの国の「軍官」の要人たちの質の低さが浮き彫りになった一件だったと言えるだろう。そのうちに「どれが嘘だったかわからなくなるだろうに???

その昔、安保対話で討議したかの国の高官は、「領海」や「領空」の国際的定義も知らなかったので驚いたことがあった……これはうそというより「不勉強」だったのだろうが。

 

届いた書籍のご紹介

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極上の人生を生き抜くには矢追純一・保江邦夫共著;明窓出版)」

ウクライナ戦争、トルコの大地震など息も詰まるような地上での出来事を、ニュース番組で追っかけていれば、80を過ぎた老兵には息苦しくてたまらない時がある。「極上」ではなくとも、せめて「マイナス」ではない人生の締めくくりを模索しているのだが、近在の老人会では90過ぎのご夫妻が仲良く手をつないでお茶飲みに来られる。きっと充実した人生なのだろう。

矢追氏は「自分にとって都合のいいことしか起こらない」と決めて、生きているそうだが、それは【自分を信じているので、あとは起きる流れに従うのみ…」だという。実に羨ましい。しかし、この年になって、くだくだ言い訳をしても始まらない。その意味では国際的”要人方”の人生はなんとも不幸せなことか!と、自分に素直に生きられない方々の不幸に同情を禁じ得ない。

保江先生との対談は気軽に読めて力がわく。少しは”上等な”人生が送れそうだ。