軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

J・アラートで軍事に対応する”愚”

家内が大切に育てていたバラの花が、夏の猛暑と秋の乾燥で、すっかり傷んでしまった。なによりも、花壇に生えた一面の「つる草」によって、目前の石垣はもとより、バラの幹迄絡みつかれたので、栄養が絶たれたらしく、枯れ枝が目立つようになり、まるで空家?のような風情になるので、このところ天候を見ては雑草取りに忙しかった。

尊敬する昭和天皇は、「雑草という名の草はない」と侍従を戒められたが、私にとっては名も知らぬ、勢いだけが強い草はまさに敵同然である。

しかも、バラの枝への絡まり方が尋常ではなく、いちいちほどくのは手間がかかるような絡まり方である!そのうえバラにはとげがある!

蔦草とはいえ、地面と石垣はまるで「芝生」のように分厚い集合体になっているから、一筋縄では除去できず、時間がかかった。

それにしても候補生学校時代はよく草刈りに駆り出されていたが、83歳を過ぎた今では筋力の衰えがよくわかり、昔「スクランブル」発令と同時に、なりふり構わず機体に飛び乗って、急発進急上昇していたとは思えないから、実に情けなかった…寄る年波には勝てないと痛感した。

さて今日は立冬、ついに冬に入った。この冬は電力も危機的状態?になるようだから、「孤独老人が凍死!」とワイドショウなどで騒がれないようにしなければならない(笑い)。

 

この間、世界中で事故や事変が多発した。韓国の「圧死事件」、インドの「橋の崩落事故」、台風、水害など枚挙にいとまがないほどだが、そんな中でも「ロケット」を打ち上げては喜んでいる国があり、半島情勢は油断ならない!と専門家は騒いでいるが、この国には、それしかやることはないのだから、年中行事の一環だと思えばいいのだ。

そのうちに弾がなくなって、撃つこともできなくなるだろう。いやその前に、首領様に歯向かうものが出てくるかもしれない。にもかかわらず我が国は、この事態を根本的に改善しようという意欲はなく、ただただ「右往左往」しているだけのように見えるから滑稽である。厳然たる「大日本帝国」は崩壊して武士は消え、金儲けにしか関心がない「商人」に支配された証拠であろう。

 

とにかく私には度々誤操作で騒がれる「J・アラート」なるものの設定自体が不可解である。

J・アラートは「全国瞬時警報システム」と言われ、【地震津波弾道ミサイルの発射など、すぐに対処しなくてはならない事態が発生した際に、国から住民に直接、速やかに情報を知らせることを目的に、総務省消防庁が整備したもの】だという。

地震津波はいいとして、北朝鮮などの「弾道ミサイル」という、軍事的対象にまで対処させようという発想が非常におかしい。「日本上空は飛ばなかったから訂正する」などと、いかにも総務省消防庁が仕事をしている様に首相らは言うが、ICBMが飛ぶ速度がいかなるものか?さえご存じないようだ。

米ソ冷戦時代、米軍は「ソ連が発射後,地上のB52全機は、15分以内に反撃に飛び上がれ!」とB52部隊に厳命して猛訓練をしていたものだ。

米ソが対立していたそのころ、日本はバブル景気に酔いしれ「米ソの対立の実態」などには、全く無関心だったが、未だに日本政府はその尾を引いているようだ。

 

米ソが核戦争に突入すれば、互いのミサイルは北極海上空を飛び交うことになるのだが、高名な学者さえも、そのために米国が、グリーンランドのチューレに設置した弾道弾探知装置の意味を知らなかったので私は驚いたものであった。つまり、日本人は「メルカトル図法症候群」に取り付かれていて、地球が丸いことを”忘れていた”のであり、米ソがミサイルを撃ち合えば、太平洋上をミサイルが飛び交う!と信じていたのであり未だにその癖はメディアや政府高官らの頭から払しょくされていないようだ。

↑ 日本人を国際”音痴”にするメルカトル図法で見た世界

サイエンス誌が描いていたミサイル飛翔図

 

 (【国際軍事関係論】から)

 

これは一時“有名”になった日本列島さかさま地図であるが、これを見ても明らかなように、北朝鮮がミサイルテスト?をするときは、撃つ方角は日本海しかないことが分かるだろう

西の中国に向けて撃てば、直ちに反撃されるだろうし、北にはロシアが控えていて、ここも必ず?撃ち返される。じゃ南はどうかと言えば、間違いなく休戦ラインを越えて進撃されるだろう。つまり、「安全な発射方向」は東の「日本上空」しかないのだ。

しかもそこにある国は「平和主義国」で、叩かれても蹴られても”絶対に反撃してこない”のだから実に好都合だ。しかも、精度のいい機械で測定して、丁寧にもそのデーターを教えてくれるから手間が省ける。何のことはない、ミサイルテストに日本の防衛省に手助けを求めているのだ。これが世界の国並に侵攻されれば直ちに反撃する、国となれば、仇やおろそかに日本上空に向けて発射できるわけはない。万一日本に”落下”でもすれば、直ちに反撃され賠償迄要求されるだろうから、慎重にならざるを得ないのだが、今この国では「反撃能力を持つか、持たないか」でもめているから当分安心である!

たとえ発射しても日本政府は「厳重に抗議して非難した!」などと北京の大使館に言って来るだけだ。せめて米国並みに「責任を取らせる」とでもいえばいいものをそれ言えないのだから、国民にはストレスがたまるばかり。

まさに“漫画の世界”のようなことが繰り返されているのであり、首領様は完全に舐め切っているだろう。

 

それはそうとして、弾道ミサイルに対してもわが国はJ・アラートを適用しているが、地震津波ならいざ知らず、相手は超音速ミサイルである。まず間に合うまい。仮に時間的に間に合って?も、発令された国民はいったいどこに行けばいいのだろう?近くの公民館?それとも学校?地下鉄の駅?

本当に政府はそんなことを考えているのかなあ?

そんな知恵しかないのに高額な歳費をもらっているなんで、話がうますぎはしないか?だから”バカほど”立候補したがるのだ!

それとも政府は「国民はうろたえることなく、座して死を待てばよい」というのかなあ!

 

悲しくなってきた!

花壇の整備をして、家内が残したバラの花を咲かせることに専念しよう!!

この冬が勝負だ!

 

届いた書籍のご紹介

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WILL12月号

特集「こんな人たちに負けられない!は面白い。

「こんな人たちシリーズ」を組み「政治家にしたくない」「教職につけけたくない」など、指摘してやれば少しは”反省?”するのかも! 候補者が多すぎるか!!