軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

荒れる”戊辰の歳”

 年頭に当たって書いたように、まるで今年の干支に合わせたかのように、奇妙な事件・事故が相次いでいる。

 大相撲の歴史的快挙初め、大谷選手の快挙を国民上げて喜んでいたが、それらの「喜びごと」は次々に消え去るほどの衝撃的事件・事故?が続いている中で、「健康保持のためのサプリが人殺し」になるなど、信じられない奇妙な事件続きだが、原因不明だから犠牲者は増えるだろうから「干支」のせいにしたくなるだろう。

 要は人間自身の「堕落」と「几帳面さが失われた結果」に過ぎないと私は思っているのだが、その影響力は非常に大きいから、犠牲者も多くなる。

 どうしてあの「几帳面」で「律儀」だった日本人がここまで転落したのだろうか?と残念でならない。

 その昔、難関を突破して念願だった操縦コースに入ることが出来、以来多くの先輩方の指導を受けてきた。

 私は「昭和39年3月23日」付で「少尉(3等空尉)」に任官し、以降、機会をとらえてその時々の出来事や、所見などを「将校日誌」に記入してきたのだが、その中に、多くの「戒めのことば」が書かれているが、そのほとんどは司令や隊長、教官方の教えで、私の「任官挨拶状」に対する返事の「恩師や知人」の言葉もある。

 それらのほとんどは「慎重かつ間違いのないように」という戒めの文章だが、その中に「少尉任官おめでとう。長い間の苦労がやっと実って、これからパイロットとして勤務される姿が目に浮かぶようです。地上と異なり事故も多いことと思います。大学(防大)で会得した基本を忠実に実行して間違いの無い様精一杯務めてください。」という中学時代のクラス担任恩師の一文があった。

 中には「将校として兵の教育訓練はもとより、国や国民に対しても真に重大なる責任を負荷されておられるのであります。御自愛の上一層のご活躍をお願い申し上げます」という中学の校長先生の一文もある。

 防大時代の尊敬する指導教官からは「将校任官に当たり、餞として左の句を捧ぐ。『先憂後楽』」との言葉もある。

 

 これに対して「実に有り難いことで、心に命じておかねばと思う。ご期待に応えるべく専心努力すべきを誓う」と私は書きとどめているのだが、幹部候補生学校修了に際して、「操縦は人格であり、芸術である。人がそのまま表れる。欠点を直し完全になれ」「操縦は武道そのものである」「物事に几帳面であれ」等と指導教官からの叱咤激励の言葉もある。

 

 操縦コースの最初である静浜基地に着くと、ノモンハン作戦時の“勇士”であった西原五郎隊長が、「1,自己との戦いである。安易につくな。2,初心を忘れるな。操縦教育は冷酷である。神経を太く持て。3,人間は苦しむと一人前になる。4,パイロットである前に軍人、社会人、日本人であることを忘れるな。」と厳しく指導された記録もある。西原隊長は実に「温顔」な方であったが言葉は厳しかった。

 

 我々のころの自衛隊内には旧軍の軍人が多かった。命をかけた戦いであったのだから、犠牲者は多かったが、生き残った方々からは、他では得られない「金言」が得られたものである。

 

 今こうして、古びたノートをめくっていると、その一枚一枚に先輩方の遺志がしみこんでいて何かを訴えている気がする。

 

 今日は朝から雨、鳴き始めた鶯の声も聞かれない。静かに身辺整理でもしようと思うが、靖国神社では桜の開花宣言もないという。

 昨今は「甲辰の歳」らしい、珍しい事案が続いているが、いつかは本来の歳に戻るだろう。昔の人はこの時期を「三寒四温」と言ったじゃないかと思う。

 

届いた書籍のご紹介

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Hanada 5月号

 いよいよ?日本保守党の出陣近し!のようだ。変な記事?もあるが、読者のご判断のお任せしよう!

 

Will 5月号

 

こちらも日本保守党が頑張っている拵えて?が、内容は種々で読み出がある。「ナルホド日本は多様(性)国家だわ!」は気鋭の女性作家の対談だが、女性同士が言うのだから説得力がある。私は「アダムとイブ」をこしらえた”神様”の意見が聞きたいと思うのだが・・・