軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

三島由紀夫自決50年、改めてその死を悼む

50年前の今日、三島由紀夫は市谷台で自決した。私は当時、浜松で戦闘機操縦教官を務めており、1等空尉であった。

学生との空中戦闘訓練を終えて着陸したばかりの私に整備員が「佐藤教官、三島由紀夫が死にました」と告げた。

「衝撃を受けた私は、彼の著作である「豊饒の海」などを読み漁ったが、敗戦国日本にとって、惜しい人材を失ったと悔やまれた。

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三島由紀夫の最後の姿:インターネットから

 

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自決を伝える朝日新聞

 

当時三島が読み上げた「檄文」は当時の日本の姿を的確に言い表していたが、とりわけ

【・・・われわれはひたすら耳をすました。しかし自衛隊のどこからも、「自らを否定する憲法を守れ」といふ屈辱的命令に対する、男子の声はきこえては来なかつた。
 あと二年のうちに自主性を回復せねば、左派のいふ如く、自衛隊は永遠にアメリカの傭兵として終るであらう。
 われわれは四年待つた。最後の一年は熱烈に待つた。もう待てぬ。自ら冒涜する者を待つわけには行かぬ。しかしあと三十分、最後の三十分待たう。共に起つて義のために共に死ぬのだ。日本を日本の真姿に戻して、そこで死ぬのだ。生命尊重のみで、魂は死んでもよいのか。生命以上の価値なくして何の軍隊だ。
 今こそわれわれは生命尊重以上の価値の所在を諸君の目に見せてやる。それは自由でも民主主義でもない。日本だ。われわれの愛する歴史と伝統の国、日本だ。これを骨抜きにしてしまつた憲法に体をぶつけて死ぬ奴はゐないのか。もしゐれば、今からでも共に起ち、共に死なう。われわれは至純の魂を持つ諸君が、一個の男子、真の武士として蘇へることを熱望するあまり、この挙に出たのである】

と言う自衛隊の決起を促した一文は印象的で忘れ難い。

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三島の檄文全文

 

自衛隊が彼の言を否定して動かなかった」ことを「民主的軍隊に成長した証拠だ」と誇らしげに語った政治家らがいたが、事態が呑み込めなかっただけであり、「乱入した暴漢が総監を切りつけた!」と伝達されたため、舎前に集合した隊員らが激怒して三島由紀夫だとは知らず事態を取り違えたのだ、と私は感じている。

そして「押しつけ憲法」を排除することもなく我が国は、この半世紀で彼が予言したとおりの「腰抜け国家」、つまり、彼が”予言”した「豚」になり下がったのである。

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三島の”予言の書”=適菜収著

 

自衛隊も米軍の一「ローカル部隊」に組み込まれて恥じない。

恐らく「武士道精神」も回復はできないだろうと思う。

今日星稜会館で「憂国忌」が開催されるが、チャンネル桜で第五十回「憂国忌」が、14時00分より生中継される。https://youtu.be/Klvv7wsZ5Uw

 

 

届いた雑誌のご紹介

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「航空情報1月号」

ワイドショウ?的な表紙に違和感を覚えた。頼りない”男”が増えたとは感じていたが、それを埋めるように”女性”が活躍している。「入間基地で活躍する女性パイロットたち」とタイトルにはあるが、なんとなくご時世なのかな~と感じる。彼女らの”笑顔”には、軍人としての威厳が感じられないのは、軍事を否定した国らしい。三島が見たらどう感じるか…と思ったが、彼女らには一点の非もないことは明らかだ。

「英霊の聲」・三島由紀夫、自刃後50年に思う

ある政党の機関誌に、三島由紀夫が昭和41年6月に著した「英霊の聲」が出ている。改めて読み返すと、50年前に彼はすさんだ日本の今日の姿を予見していたことがよくわかる。まさに天才であり、予言者だったのだ。

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そう、戦後日本の政治、文化は“道徳”と言う美名のもとに繰り広げられてきた“偽善行為そのもの”だといえる。

「真実は覆い隠され、真情は病み」「なべて痴呆の笑いは浸潤し、魂は死んだ」のである。そして「ただ金よ金よと思いめぐらし、人の値打ちはカネより卑しく」落ちぶれた。

青春時代を戦闘訓練に捧げて「天翔けてきた」私も翼を折られて今では‟地を這う隠居”の身となり非力である。

命のまま、ジャングルや孤島で食料も与えられずに絶命した英霊方の嘆きが日に日に強まっているように感じる。

三島は「などてすめろぎは人間となりたまひし」と昭和天皇のお立場を理解しつつも、現人神として生を全うしてほしかった、と慨嘆したが、三島由紀夫を良く知るストークス氏も「日本民族の誇りを体現してほしかった」と考え、日本人に対して「もっと自国の歴史について誇りを持て」と説いている。

しかし、今や歴史を軽んじて恥じない”君側の奸”たちに囲まれ千代田城には暗雲が立ち込めているように思う。

政治家らは、いくら2000年余の歴史を持つ国…だと云々してみても、現実に自国民さえ保護できず、領土も侵食されようとしているのに、かっての”敵国であった米国”に保護を求める国柄になり下がったから、英霊の犠牲は無駄だった!と言わざるをえまい。

その”保護国たるアメリカ”もシナの超限戦にマンマと嵌り、追い詰められようとしているやに見える。

同盟国・アメリカと同様、我が国にも自覚ある為政者が”絶滅”したのだろうか。

これから先の世界には何が待っているのやら、達観しつつある?老兵には英霊方の不安が気がかりである。

三島由紀夫が存命だったら、どんな意見が聞けただろうか?と思う。

 

届いた書籍のご紹介

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「軍事研究12月号」

列国の軍事研究は着々と進行している。ところが我が国はさほど進展しない。”学術会議”の反対もさることながら、政府に”軍事的観点”が欠落していることがその最たる要素だろう。

イージスアショアの例が分析されているが、そもそも軍事は「攻撃に勝る防御はない」のが鉄則なのだ。にもかかわらず「専守防衛」とやらに縛られて、真っ当な計画が出来ないからだというべきだ。

抑止力としては「策源地攻撃」と「そのための手段」の確保が最優先する。やはり「憲法」が、足かせだということがよくわかるが、それ(憲法改正)をしないのが政治家だから、イージスアショア”事件”は今後ともなくならないだろう…

米国の“正義”はどこへ行った?

「ワシントン時事」によると、【3日の米大統領選と同時に行われた連邦議会の上下両院選は4日、開票作業が続けられた。上院選(定数100)では、与党共和党が事前予想を上回る奮闘を見せ、野党民主党が目標とする6年ぶりの過半数奪取は困難な情勢だ。 下院(定数435)では民主党過半数を維持するものの、議席を減らす見通し。民主党ペロシ下院議長は声明で「厳しい選挙だった」と認めた。人事承認や条約批准の権限を持つ上院の改選前勢力は、共和党53に対して 民主党47(無所属2を含む)。上院では採決で50対50となった際、副大統領が最後の1票を投じる。このため、民主党が大統領選の結果にかかわらず上院を制するには、少なくとも4議席を上積みする必要がある】と言う。

CNNの選挙速報を時たま見ていたが、バイデンがトランプを追い越した時点で意図的に?集計が止まり、バイデン有利を印象づけるかのような解説が延々と続けられたから、反トランプのCNNらしいな~と眺めていたが、ついに「通便投票集計を加えると、バイデンの勝利をうかがわせる」ところでスタックした。

CNNも相当苦労しているのだな、と思ったが、やはり“悪だくみ”が選挙以前から行われていたようだ。いずれ続々と公表?され世界を驚かせることだろう…

今朝の産経には、現地で8回以上の米大統領選取材経験がある、ワシントン駐在客員特派員である古森義久氏がこう書いている。

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ついにトランプ候補は、バイデン陣営で“悪辣な選挙不正”が行われているとして最高裁にまで訴えるようだが、結果は未定である。

常識的に見れば大統領選と同時に行われた連邦議会の上下両院選で民主党が軒並みに敗退しているのだから、大統領選だけが“極端な優勢”ということは信じがたい。

前回の選挙で、トランプ選出を予測した木村太郎氏が、フジTVで「英語もよくわかんないような…ヒスパニック系や黒人などが郵便投票でお前ここにこう書けと言われて投票したのでは」と言ったことが非難されているようだが、我が国の選挙でも、ある政党が住民票を移動したり、寝たきり老人までも車いすで投票所に”連行”して、政党の補助者が”代筆”していたことは“公然たる秘密”であった。あまりにも傍若無人だったので、投票所には選挙管理委員しか立ち入れないようになったはずだが…

それと同様な事態が特に民主党知事の州で起きていたのではないか?と推察する。

私は2004年に「リベラルたちの背信アン・コールター著:草思社)」を読んで、「アメリカを誤らせた民主党の60年」という副題の通りだと確信しているから、今回も、トランプ憎し!の一念で民主党は左翼メディアを巻き込み、卑劣な行為に走ったのではないか?と疑っている。不思議なことにクリントンオバマ、バイデンとこのところ”癖のある弁護士出身者”しか民主党からは出ない。

それにしても世界のリーダーたる誇りを失って、まるで共産主義国か、アイシスのような不道徳な国に落ちぶれたアメリカの現状を悲しむ。

我が国も、児戯に瀕する論議に関わっていて、その後の国際的な混乱を予測できていない。国民は、各人が自覚して備えておく必要があろう。

国の守りを語らぬ議員たち

旅行が規制されていた東京都から”脱出”して、長らくお参りできなかった福島のお墓参りに行ってきた。几帳面な土地柄らしく、衛生観念が発達しているので、どこもかしこも消毒が徹底していた。

泊まったホテルもGotoトラブルで振り回されていたようだが、県独自のクーポン券を支給するなど、人気回復に懸命だった。

驚いたのは館内では温泉に入るとき以外マスク着用で、折角の美人さん達の顔も隠されていたのが残念だった。

食事も個室で安心できたが朝食時のミニバイキングに並ぶ時もマスク着用、トングを使う時はビニール手袋を着用と厳重だった。

しかし、そんなに窮屈な気がしなかったのは、教育で栄えた会津藩らしい立ち居振る舞いがあったからだろう。

更に山間部の峠の茶屋に立ち寄ったが、さすがにマスクはつけていなかったものの、地場野菜陳列台には消毒液がちゃんと置いてあったので感心した。

この辺りは、毎日のように親子連れの熊が出没するそうで、敷地内にも入り込むそうだが、「今年は山のドングリなどが不作だからかわいそう」とおかみさんは同情的。動物たちと共存共栄しているというから、「熊やサルにも消毒を要求したら?」と言うと笑われた。

熊もサルも猪も、生きるのに必死のようだが、今年はモリアオガエルが異常に繁殖してにぎやかだという。

久しぶりに新鮮な空気と紅葉に癒されて帰京した。

 

処で最近の政治情勢には全く無関心になりつつあり、ニュースも見ないことが多いが、今朝の産経にはいいことが出ていたから紹介しよう。まずは「これほどの自由を謳歌している国が世界のどれほどあるだろう」と言う今話題の学術会議を支援するメディアに対る苦言である。左翼の連中は自分のことは棚に上げ、常に相手を誹謗中傷するからいやらしい。

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そして、「正論」には国会の代表質問で「国防」に対する質問が出ないことに対する疑問が出た。「正論」はこう書いた。

「国の最も重要な責務は、国民と領土、領海、領空を守ることだ。」

 

防大入校以来38年、防空任務に明け暮れた自分としては、現役時代はもとより、退官後の20余年を含めた半世紀もの間、国防に対する”不真面目な”態度をとる議員位しか印象に残っていないから「軍事評論家」などという何の”実入りもない”活動をそろそろたたみたいと思うに至っている。

 

「身を守り、家を守り、国を守る」という意味で「守」と命名されたが”不発”に終わりそうだ。

今の国会議員らには、全くそんな観念はないのだろうから、国が衰退するはずだ!

 

届いた書籍のご紹介

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「Hanada12月号」

キジも鳴かずば撃たれなかったろうに。

学術会議メンバー選考に外れた6人とその支援メディアが騒ぐものだから、とうとう国民もそのからくりに気が付いた。6人以外のメンバーは今頃泣いているだろうな~

処で「尖閣に米軍基地を」と元NHK会長がほざいてる。この姿勢が国防を空疎なものにしてきたのだ。

「自分の国は自分で守る」意欲のない大人たちの見本みたいなものだ。米国にも都合があることを知らないにもほどがあろう!

 

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「WILL12月号」

これも学術会議への反論が目立つが、気になるのは「米国の政治情勢」だろう。民主党という中国寄りのバイデン候補を支持する”進歩的メディア”の陰に隠れたわがメディアの解説を信用していると、飛んだ誤算を喫することになるだろう。

それにしても、天下の米国民も劣化したものだ!「世界の運命を決める戦い」をご一読あれ。

 

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「国基研紀要・創刊号」

日本国の形を通常の自立した民主主義国家の形に戻すこと」を願って活動している国基研が、抱えている多くの人材たちに提言させる目的で創刊されたもの。少なくとも、我が国の現状は【通常の自立した民主主義国家】でないことは認定されている!

書籍離れが進む中、学究の徒の手に渡ることを期待したい。

 

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「『丸』12月号」

「現代の潜水艦」は大いに気がかりな兵器である。海自も遅れまいと懸命だが、宝の持ち腐れにならないことを祈りたい。

「最新軍事セミナー」は必読だが、私には「三島由紀夫と『盾の会事件』」の方に関心がある。

三島由紀夫が自決したのは、丁度浜松の戦闘機操縦教官の時で、学生と空中戦訓練を終えて着陸し、ヘルメットをとったら整備員が「佐藤教官、三島由紀夫が死にました」と告げた。「事故か?」と聞いたが「今テレビでやっています」という。衝撃的な事件だったことを覚えているが、彼が「檄文」で指摘したような国になり下がったように思う。先見の明があった?ということか!

いや、彼はとっくの昔にこの国の末路を見抜いていたのだと思う。

 

”コロナ禍”で失われてはならない人間性

武漢コロナのおかげで、活動が制限されたのが文化とスポーツ関連だろう。まず、東京五輪が”延期”になった。

各種スポーツ活動も、無観客試合を要求されたし、音楽などの文化活動も大きく影響された。

今でも交響楽団などは活動が制約されていて苦しい立場だという。

コロナ被害の方は、我が国では比較的穏便に推移しているからありがたいことだが、これも我が国の文化程度が高かったせいによるものかもしれない。武士の時代から「教育」は国民必須のものとして定着してきたし、近代に入ってからは特に義務教育が徹底した。

そのせいだろうか、識字率も圧倒的に高いし、子供たちの”躾”も比較的良好だから、衛生観念が発達したのだろうと思う。そのせいか、コロナの罹患率は圧倒的に低い。

昔から「お上の命令には従順に従う」国民だから、ある意味為政者にはやりやすい国柄だと言えよう。

「コロナ自粛」で運動不足だから、ここ半月、一万歩を目安に近在の公園を家内とともにウォーキングしているが、そんな人気のない山間部でさえ、たまに出会うウォーカーが几帳面にマスクとつけて歩いているから、マスクをずらしている私の方が慌てて装着することになる。融通が利かないというか、几帳面だというか、むしろ感心する。

山歩きを終えて、殆ど人を見かけない高級住宅街を戻ってくると、まるで「ゴーストタウン」のように感じる。

ところがある日、面白い体験をすることになった。

バラの花が咲き誇っているある家の前で。家内が感心して眺めていた時、リハビリ?で歩いてきた方から声をかけられ、「ソーシャルディスタンス」を保ちながら色々な話を聞いたのだが、近所の民家の「サロン」を紹介されたので顔を出して驚いた。この一帯は人気のない住宅街だと思っていたが、老齢だが明るく活発な奥様方が10名ほど集まっていて、コーヒー(¥100)を頂きながら、壁いっぱいに展示してある絵画や写真などを拝見したのである。

それぞれ有効な人間活動の場があるものだ、とその時思い知らされた。さすがに女性陣に圧倒されたか?家のご主人は隣室でTVを見ていたが、私が参加したので力を得た?かアトリエを案内してくれた。彼は画家であった。

そんなインテリ(婦人)達に囲まれて、切れかかった”バッテリー”の私は久しぶりに刺激を受けたが、やはり人間は人との触れ合いが一番大切なことことだと再認識した。TVは一方的だし…

武漢コロナ」は、私はシナ発の「生物戦争」だと考えているが、一年近くなっても「今日の発症者数」に振りまわされている行政を見ているとなんだかやりきれない。

国家の安全が不安定になると、文化活動が衰えるのは当然だとしても、今の行政は「経済優先」で、金のことしか頭にないようだ。

人が途絶えた住宅街の一角では、高度な文化活動が行われていて、その損得抜きの姿勢にも感心した。経済活動はもちろん大事だが、生身の人間が失ってはならないものがあることを悟った。

でも、こんなささやかな高齢者だけの「教養講座」は、世に広まることもなく消滅してしまうだろうことが何となく惜しまれる。

16日の産経にはこんな心温まる記事が載っていた。

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「コロナコロナ」で喧しい人間社会の隣では、こんな小さな命が懸命に生きようとしていたのであり、それを救おうとした人間の行動に救われた気がしたのである。

「カーくん」は、コロナでぎすぎすして「人間性」を忘れかけた人間社会に、大事なものを思い起こさせてくれたのではないか?

 

届いた書籍のご紹介

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「航空情報12月号」

傑作輸送機C-130のすべては参考になる。

1950年に開発され、ベトナム戦争でも活躍したが、唯一の難点は速度が遅いということだけだろう。災害の多い我が国でも大いに活躍しているが、これに代わる機体はなかなかないだろうと思う。

そのほか、着々と軍事増強に邁進するロシア空軍の動きに注目したい。

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「軍事研究11月号」

専守防衛は敵基地攻撃を許さないのか?」は必読だろう。

マ、最も政府はなかなか決断しないだろうから、この論議やいつまでも続くと思う。私は口に『タコ』が出来ているからもう無関心だ。学術会議メンバーにはぜひ読んでほしいものだが・・・

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「国の防人:展転社刊¥1000+税」

友人の田中卓郎先生からいただいたもの。

哲学者らしい真剣かつ熱意ある論考だが、書籍離れが進む現在、まじめに目を通す人がいるだろうか?と気になるほど現行「憲法」に切り込んでいる。他の作者もそうそうたるメンバーだが、今の”オチャラカ”ばやりの風潮にはなじめないだろう。こうして真っ当な論が次々に消えていく・・・退官後、防衛の重要さを説き続けてきた(?)私は、いやというほどそのむなしさを経験している。

しかし一人でも有能な若者が目をつけてくれることを期待したいものだ。

学術会議新会員候補6名を首相が任命拒否

10月1日、学術会議が推薦した新会員候補105人の内、6人を首相が任命拒否した件に関して、「学術会議の独立性や学問の自由が損なわれる」などとまたぞろ野党が吠えている。政府機関であるのだから総理大臣が拒否するのは当たり前であるし、年間10億円の税金が投入される組織であり、その有用性も問題視されてきた。

中には「独立性を重要視するのであれば非政府組織で良いのではないか」という意見もある。国民のために有用な活動をしていないというのであれば、当然政府は責任者として何らかの対策を打つべきであり、任命権者は菅総理なのだから、その指示に従うのが組織として当然だろう。何よりも会員は自衛官同様・国家公務員である。

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自民党下村博文政調会長は7日の記者会見で、日本学術会議の在り方をめぐり「内閣第2部会(平将明部会長)に塩谷立文部科学相を座長とするプロジェクトチームを設置し、議論する考えを表明した」と言う。

下村氏は、日本学術会議法に基づく政府に対する「答申」を平成19年以降、「勧告」を22年以降出していないことなどを明らかにした上で「役割がどの程度果たされているのか、いないのかも含め議論していく必要がある」と強調、そして設置形態に関しては「欧米のアカデミーはほとんど非政府組織になっている」と説明した。

ウィキによれば「日本学術会議会長であった大西隆氏は、2014年 発表の日本学術会議会長メッセージにおいて、現行のコ・オプテーション方式についても資質がある後継者を選ぶことに適していても既に会員となっている者と思想や意見が異なる集団から選ぶことに適していない仕組みについて内部分析を行い、「他制度より優位性を持つか否かは、現会員・連携会員による推薦及び選考が適切に行われることに掛かっている」と述べており、天文学者の戸谷友則氏は、2019年 1月発行の日本天文学会の天文月報にて「組織会員の選出方法や研究者らの多様な意見を認めず権威をもって一つの画一的な声明を押し付けていることなどから単なる権威圧力団体になっている」と批判し「非民主的で閉鎖的な組織が、日本の学術界で最高の権威を持ってしまっていて、ひとたび声明を出せば大学や学会を萎縮させ、研究者の自由が容易に奪われてしまう。これは大変深刻な問題」と主張している。

また第1期、第2期の選挙を経験した日本学術会議会長の亀山直人氏によると、「教室や研究所で強制的にある人に指示して投票させたとか、白紙を集めたとか、A群とB群とが互に連絡して投票を交換したとか種々の醜聞がある」ことを紹介し、「これらの風聞にはどうしても若干の根拠がある」と指摘している。

また、東京教育大学筑波大学の学長であった三輪知雄教授は「大学自治と称するカーテンによって閉鎖された特殊社会であり、そこを職場とする教師たちにはお坊ちゃん的な甘さがあり、独りよがりの色合いが濃く、またおしなべて反権力的である。」「このような環境は進歩的左翼の育つ絶好の場であって、学術会議はおもにこのようなところから送り出された人たちから成り立っている」と著書に書いている。

 

こんな組織だから”野党”が目をつけて、第2、第3の「モリカケ論争、桜を見る会」に仕立て上げ、政争の具にしたいのだろうが、自分たちが政権に就いた時にとった行動はどう説明するのだ?

 「むだな公共事業を減らして社会保障子育て支援に財源を回す」と、公言していた民主党は、蓮舫議員ら“仕分け隊”を使って、『何時起こるか分からない災害にカネをかけているのは変!』とせせら笑い、政府計画を廃止に追い込み、公共事業費を2割減らした。そのせいで、多くの事業がストップしたり計画を変更させられたため、その後の集中豪雨や台風などで国民は甚大な被害に苦しんだ。

自分らが勝手に「前政府案」を拒否して招いた災害の責任は棚に上げ、今回任命権を持つ首相が拒否したことを罵るのは不公平というものであろう。

次の選挙では、多分有権者から総スカンを喰らって、野党は消滅するに違いない。そうなったらなんで食っていく気だろう?野党だから「夜盗」に戻るのか?

これは2016年12月20日付の産経新聞である。

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この時、表立って行動に出たのは日教組だが、裏で糸を引いていたのは「軍事研究反対」を唱えた先生方だろう。どちらが言論の自由や学問の自由を阻害してきたか!

国の安全保障に悪影響を及ぼす組織に対しては、国民が「任用拒否」して当然なのだ。今まで「放任されてきた」弊害をこの際改めるべき時が来ている。

菅総理には、今までのような、ナ~ナ~のなれあい行政や政治形態を一掃してほしいものだ。

徹底的非武装諭を信じるマスコミが「国」を滅ぼしている!

トランプ大統領が「フェイクニュース」と言ったので有名になったが、情報操作で食いつないでいるメディアは枚挙にいとまがない。活字とTV画面に”弱い”民衆は、それが”嘘”だとは感じていないからなお恐ろしい。支那事変のころも、大東亜戦争のころも、従軍記者は活動してはいたが、大半の記事は「個人的見解」が多かったように思う。戦後そのことを批判されると責任を「軍の発表=大本営発表」にすり替えて彼らは生き延びた。

今、トランプ大統領が選挙を控えて苦戦しているのは”民主党”の選挙戦に加担して、あることないことをあげつらうメディア情報だろう。

我が国ではそれに輪をかけているのが現場記者らの素養の低さであろう。腕章やバッジを特権と勘違いしてふりかざす、やくざのような記者には辟易させられるが、公的機関であればあるほど彼らに「反論」できないから一方的に被害者になりやすい。

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先日の産経抄氏が、ジャーナリストの櫻井よしこ氏が「記者たちの非礼ぶりは言語道断」だと指摘していたが、非礼は今に始まったことではない。

JL機墜落事故時に間違っている報道にクレームをつけた私は広報室に乗り込んできた編集委員から「貴様はアホだ。1佐なんか飛ばすのは簡単だ!どこかに飛ばしてやろうか!」と面前で罵倒されたことがあるから非礼なのは昔からだったのだ。

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こうしてあることないこと記事にされて、市民は知らないうちに”ぼけて”行く。特に男は〇抜きになってしまったからぼけやすい。

なぜ戦後日本人は”ぼけやすいのか?」については27日の楊海英氏の寄稿文に明らかである。つまり、日本人は”戦わない”からである。憲法で「武力行使」を禁じられたと思いこんでいるからだが、そんな国が独立国と言える筈はない。氏は言う。

「日本の『戦争絶対悪』論という呪縛は、正義対非正義の戦争観を敗戦国として受け入れた結果に過ぎないのだが、それが徹底的非武装諭という次なる呪縛の温床となった。(以下略)」

そんな呪縛にかかっている事に気が付かない非礼な記者らを「指導」できない大人の方が情けない。

前首相は「それを解く」と宣告していた筈だが、やらなかった。

こうしている間にも、この国はどんどん破滅の道へと突き進んでいくのだろう。

 

届いた書籍のご紹介

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「維新秘話・福岡:浦辺登著・花乱社¥1800+税」

友人の歴史研究家、浦辺登氏の新作である。

明治維新は、山口、佐賀、鹿児島が主役になり、九州の重鎮たる福岡が取り残されたことに私は疑問を持ってきたが、天下分け目の関ケ原の戦いで、黒田長政は家康に加担したことから豊前領主から筑前領主へ出世した経緯があるので、佐幕組の縁が何らかのきっかけだったのではないか?程度の理解だった。それで維新に乗り遅れてしまったのだと単純に考えていたのだが、浦辺氏の記述によるとなかなか複雑な理由があったことが分かる。

近代史を学ぶ学徒にぜひとも一読願いたいと思う。

 

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「WⅰLL11月号」

保守派物書きの”賛辞”は止まらない。日本政治が『惨事』にならねばいいが・・・・・

 

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「『丸』11月号」

相変わらず、戦時中の貴重な写真が掲載されている。

日本の「敵基地攻撃用長射程ミサイル」大研究は時期にかなってはいるが肝心な政治家らは本気かどうかわからない。この国の”ネック”である。

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「航空情報11月号」

次期戦闘機:日・米・欧・各国の現状は参考になる。これも政治家の意思が左右するから水ものだが…