軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

日露戦争で”成敗”したロシアを知ろう!

今朝の産経抄氏は、一般的な「軍隊」を想像している日本人に“警鐘”を鳴らした。つまり、ソ連(ロシア)の軍隊の指揮系統は、一般的な民主主義国家と大きく異なっていて、軍人の指揮官を“指揮する”共産党員がいるということを知れ!ということである。政治局員として派遣された“指揮官”は軍事能力は全くと言っていいほど”素人に近い”のだが、権力は軍人以上であり、軍隊は共産党の“指揮官”に盲従することになっている。だから局面によっては、軍隊の指揮官は、「軍事的合理性」に合わない決断もせざるをえなくなるから、軍隊は敗戦を喫することが多い。

この伝統は「共産主義という人間性を無視した集団」のもたらすもので、スターリンによって「開発?」されたと言っても過言ではない。

f:id:satoumamoru:20220414154404p:plain

ロシア革命の時以降、共産主義者が各種の残虐行為を繰り広げたが、第2次世界大戦開始前に、スターリンソビエト軍将官の大量粛清を行い、それを体験した将校と兵達の間に反スターリン(反ソ連)感情が芽生えたこと、将官の大量処刑によって軍本来の指揮系統が機能しなくなったことそれ以降「イエスマン」しか昇進しなくなったこと、それによって前線兵士の戦意が極端に低下したこと、を無視してはなるまい。

世界史を紐解くと、モンゴルの侵攻により欧州広域は占拠されたが、モンゴル撤退後の地域には小国が林立しては消えていった。しかし、残ったロシア帝国は勢力圏を南に伸ばし、豊かな穀倉地帯であったウクライナを併合する。併合されたウクライナの住民は自分らの意に反して、帝政ロシアの先兵として酷使されて来たが、革命でロシア帝国は滅び、今度は政権を取ったソビエトに併合され一共和国となる。

このようは歴史的変遷によってもウクライナ民族主義は逆に強まったと言ってもよかろう。これを気にしていたスターリンウクライナ民族主義を根絶やしにするために農業の集団化と厳しいノルマを課し、大戦前の1年間で500万人が餓死したと言われているから、これらロシア(ソ連)による圧政の記憶はまざまざと残っている事が明白で、今回の“頑強な抵抗作戦”を見ていても頷けるだろう。だが、世界史は本題外なのでこれまでとし、軍事的“欠陥”について見ておこうと思う。

 

ここまで書いたところで、黒海艦隊の旗艦である「モスクワ」内で“事故?があり、大損害を受けたという未確認情報が流れた。

状況があまりにも酷似しているので、驚いたが、それは日露戦争終結後、当時のロシア海軍のなかでも最も強力な艦であったといわれるポチョムキンで水兵たちの反乱が起きた「戦艦ポチョムキン」の反乱のことである。

 

 

ウクライナ国時代のセヴァストーポリの様子 下方、2本煙突の戦艦が第3戦隊所属のトリー・スヴャチーチェリャで、その右舷側隣、上方が第2戦隊所属のボレーツ・ザ・スヴォボードゥ。(インターネットから)

しかもこの時、ウクライナ南部の黒海に面した港町オデッサでも反乱がおきたのだが、この反乱は街中を騒然とさせた。政府軍兵士は、騒乱を鎮圧する際に多数の人々を殺害したと言われる。(当時の映画に詳しい)

今のキーフやロシア軍占領地の惨状と合致する。

帝政ロシア崩壊直前の革命時代の事だったとはいえ、ロシア民族には共通するものがあるようだ。それとも「歴史は繰り返す」とでもいうのだろうか?

さて、ウクライナ“戦争”は新たな段階に入ったようで、このような“民族の血に流れている塊?”が消えない以上、悲劇は続くのだろう。そして今回のこの”体験”は、生き残った、また次代を受け継ぐ子供らの血に「怨念」として流れていくのは避けられないから、モンゴル占拠を経験した欧州の悲劇?とでもいうものだろうか。

 

ところで、一歩離れたアジアの”平和な”島国からこれを見ている日本人は、そのような“残酷な体験”はない(満州樺太を除く)から、お茶の間のワイドショウの一環としてしか見ていないように思われてならない。

 

隣国はせっせと核を開発しているし、シナでは、明らかなコロナ対策での失政によって、上海の市民は飢餓の模擬体験をさせられているように見える。

こうして各地で市民の絶叫が始まり、一向に納まりそうにないから”第3次世界大戦”を予感させられるのだが、わが国はそれに対して備えは万全なのだろうか?

以前のある総理は「万全、万全!」と叫ぶのが好きだったがどこにも万全の体制は取られていなかった。

まず、北方領土を抱える日本人は、ソ連(ロシア)とはどんな国なのか?と歴史に学んでほしいものだが、それに好都合な広告があったからご紹介しよう。ロシア問題の権威であった木村汎氏の「プーチンとロシア人」も緊急重版されているようだ。

f:id:satoumamoru:20220414160430p:plain

 

歴史に学ばない‟日本人”どこまで本気か?

 国際的“大問題”になっている今回の「ウクライナ大虐殺」は世界を驚かせた。

 これは、明白なロシアの犯行であり、TVのコメンテーターは一様に「悲劇だ!」と犠牲者に同情しているが、わが国も満州で大変な被害に遭ったことは忘れている。北方領土!と不法に奪われた土地を気にはしているが、その裏には「今回と同様」な悲劇があったことを忘れていないか? 

中には、ロシア政府のプロパガンだに乗っかって、ウクライナがやったことだと“弁護”している向きもあるが、こんな愚か者がいることに失望する。

特に戦後の日本人は‟ユーラシアの肉屋”と言われるロシアの残虐性に満ちた恐ろしい歴史を知らない。ソルジェニツインが書いた「収容所列島」で、白昼堂々とモスクワ市内を走っている、ワゴン車には「Meat」と書かれていて、中には“罪人”達が乗せられていた。“罪人は肉”だったのだ。

そればかりか“つい最近”の1945年にも日本人が多数殺されたことも忘れている。戦後の歴史教育の“成果?”だろうか、それとも意図的にロシアを弁護しているのか?

8月9日に日本が降伏するという情報を知ったロシア(ソ連)は(相手が強いと攻めてこない)、日ソ不可侵条約を一方的に破棄して満州樺太に侵攻、8月15日以降も米軍がまだ進攻していないことを知るや「今回のウクライナと同様に攻め込んで「北方領土」を奪い取った

そして「国際法」などはどこ吹く風、天皇の命令で”降伏”したわが将兵や民間人60万以上をシベリアに移送し、強制労働に従事させた極悪非道な国である。

f:id:satoumamoru:20220410131821p:plain

そんな“前科もち”のロシア人の言うことなんぞ信用出来まい。

先日樺太旅行で、ガイドの韓国人女性が「ロシア人には先祖代々、殺人を生業にする家系があるようだ」と語ったことを書いた。

また、冷戦中の1977年にモスクワに出張して、身分が割れると“軍人”だから危険だ、というのでウクライナホテルではなく、防衛駐在官宅にお世話になったことがあったが、夫人がニーナという“嘘つき女中”に困っていると聞かされた。洗濯用の洗剤が非常に早くなくなる。主人の靴下もすぐなくなる。ある時、それとなく監視していたら、大切にしていた食器を床に落として割ってしまった。すぐ駆けつけると彼女は「今見ましたか?大きなネズミが出てきて、驚いてお皿を落としました」と言った。そこで、私はさっきからそこで見ていたのよ」というと、「見ていたのじゃ仕方ない」と悪びれる様子もなく、「ネズミに驚いたのだ」とネズミのせいにした。夫人はネズミは見ていない!

息を吐くように嘘をつく民族もいるようだが、ロシア人はウソで固めた会話の中で、“偶に本当のことをいう民族”らしい。

ところでプーチン氏の作戦計画より大幅に狂った戦争は、まるで“ブーメラン”のように作戦を開始したプーチン氏に戻ってきていて、あおりを食ったのはロシア国民という図式が定着してきたようだ。

そこで我々日本国民はこの戦争から何を学ぶか!ということだが、7日の産経に元外交官の宮家氏が「5つの教訓」としてこう書いている。

①専門家は信用できない。

②戦力がないと守れない。

③情報がないと勝てない。

④同盟がないと守れない。

⑤戦わないと助けは来ない。

雨後のタケノコのように“専門家”がTV上で活躍したが「信用できない」と彼は言う。「軍事」を忘れた“専門家”なんぞ井戸端会議のおかみさん程度だからだろう。

後の4項目は、日本人に向けた宮家氏の“助言”である。どこまで関心があるか疑問だが「戦わないと助けがこない」ことは証明されたと言える。

岡本隆司京都府立大教授は、「新聞に喝」欄にこう書いた。

f:id:satoumamoru:20220410133643p:plain

それにゼレンスキーウクライナ大統領が、国連に迫ったメッセージも日本国民なら重視すべきじゃないか?

国家戦略として、わが国は「国連の活動」を信奉してきたし、未だにしているのである。

f:id:satoumamoru:20220410134815p:plain

多くの国民が、この“戦争”に関心をもって見つめている時だから、いい機会である。政府は戦略方針を再検討すべきじゃなかろうか?

話は変わるが、それにしても、嘘をつくことにかけてはロシア人の上をいくシナ人は、今回のウクライナ戦争で“漁夫の利”を得たのじゃないか?

3年にもなる「新型コロナ」を世界中に蔓延させた張本人も、その責任さえとる気はなく、他人のせいにしてはばからない。

f:id:satoumamoru:20220410135012p:plain

ここでも平気で「矛先」を米国に向けてはばからない。

この戦争が落ちついたら、今度は「コロナ蔓延の責任」追及だが、米国はトランプ大統領じゃないから、犠牲になった世界中がどこまで真剣に向き合えるか気にかかる。

世界の大国?であるはずの2国が、平気で責任転嫁してはばからないのだから、地球人が進歩するはずはない

 

届いた書籍のご紹介

========================

f:id:satoumamoru:20220414164156p:plain

軍事研究5月号

関連する事象を掘り下げている。「プーチンヒトラーの尻尾」は面白い。ウクライナ問題で気を吐いている一人の黒井文太郎氏の文である。

プーチン氏「自ら孤立」―米大統領発言

f:id:satoumamoru:20220401175926p:plain

ロシアのプーチン大統領時事通信  )

ワシントン発時事通信によると、「バイデン米大統領は31日、ロシアのプーチン大統領が『顧問らを解任したり、自宅軟禁下に置いたりしたことを示唆する情報がある』と明らかにした。また『彼は(側近を遠ざけて)自ら孤立化しているようだ」とも語った。ホワイトハウスで演説後、記者団の質問に答えた」という。

 

私は既に先月初めに「敵も知らず己も知らず…その結果はどうなるか?」と書いたが、3月17日のこの欄ではプーチン、敗れたり!」と題して、彼自身が仕掛けたこの戦に、敗れるだろう、と書いた。

それは「敵も己も知らない」彼は‟恐怖政治”で部下が良い情報?しか上げないことを鵜呑みにして「48時間以内に決着がつく」と希望的観測で作戦を発起した。

それは「普段から他人の意見を聞きもしない彼自身の傲慢さ」が原因だと考えたからだ。今回、「張り子のトラ」ならぬ「熊」であることを世界に暴露して、遂にロシア国民からも忌避された。古いKGB体質が彼をつけあがらせたのだろうが、その彼に「苦言」を呈する良心的部下さえ存在しなかったようだ。要するに「裸の王様」だったわけだ。ロシア国民の悲劇である。

 

昭和51年9月6日、ソ連空軍のベレンコ中尉が、当時“最新鋭”と言われていたMIG25で函館空港に“強行着陸”してきたときのことを思い出す。

函館警察署員が、機体の傍に駆けつけたものの、ベレンコ中尉が拳銃で威嚇射撃したため、遠巻きに眺めるだけ、中央官庁ではどこが担当するか?で揉めていたが、日本の硬直した官僚制度に阻害されて「防衛庁」ではなく「外務省」が担当、「軍人の亡命事件」に対する真っ当な仕組みさえできていなかったのだ。そして出来たのは「悪しき前例」だけであった。

偶々外務省「軍縮室」に出向していた私は、TVに映る機体を見て「MIG25だ!」と発言したところ、「佐藤さん、外務省員として現地に行きませんか」と局長に言われたものである。

それじゃ古巣?の防衛庁に悪かろうと、「年間飛行訓練」を兼ねて三沢基地に飛んだが、基地のベースオペレーションにGパン姿の米国人たちがたむろしており、隊員に聞くと『米空軍外国技術部(通称ミグ屋)』と言われる米軍の専門家連中で、事故発生直後にワシントンから特別機で駆け付けたとのこと。不測事態対処の迅速なことに驚いたが、外国ではこれが常態である。

すったもんだの末、政府は百里基地に機体を移動して徹底的に検査したことは当然だが、それにも「ミグ屋」の助言が大いに参考になった。空自の隊員だけでは分解できなかったであろう。しかし「鴨がネギを背負って」飛び込んできたにもかかわらず、我が政府はなんともだらしなかった

f:id:satoumamoru:20220401180141p:plain

強行着陸してきたMIG25(インターネットから)

そして昭和51年9月29日、ニューヨークで行われた「外務大臣同士の会談」の後、10月2日に外務省はMIG25の機体を日立港ソ連船に搭載し、船上でソ連側が機体を点検することとされ、11月12日未明に分解した機体と付属品などを日立港に運搬し、ソ連船に船積みされた。かってに飛び込んできた方が悪いのにもかかわらず、である。

その後ソ連側技術者によって入念に点検され、機体は正式にソ連側に引き渡されたが、この時の「日本側の責任者は剛勇をもって鳴らした稲葉由郎1佐」でグダグダと難癖をつけるソ連側に対して、「出来るだけ“穏便に”」という政府の要望にも関わらず、一歩も譲歩せず相手を威圧していた。

ユーモア好きな隊員の中には「次に来るときは‟MIG31をもって来い”」と機体に落書き(日本語)していたし、計器盤カバー(ビニール製)を分解時に破ってしまった隊員は、近くの布屋で1㎡980円のビニールシートを買ってきて埋め合わせたというが、本人曰く「日本製のシートの方が余程丈夫だったから‟差額”をもらいたかった」

超大国”とは名ばかりで、内部の装備は遅れていて「これが実態だ」と驚いたものである。比較的優れていたのはエンジンだけだったと知ったせいもあったろう。

こんな我が方の「弱気外交」がプーチンという“怪物”を生んだと言えるのだろう。ちなみにこれが「戦後初の武器輸出」だそうな!笑い話もいい加減にせい!と言いたいところだ。

 

特定アジア諸国の指導者も、わが国の“弱腰外交”が生んだのだとしたら、わが国の責任も無視できないのじゃないか?

要するに戦後の日本人には「勇気」と「武人としての心意気」が望めないことが分かった一幕だったが、その裏には憲法があることが問題になる時が来たようだ。

今日の産経には「憲法前文の不都合な真実」として水内政治部次長がこう書いている。

良くかみしめて、一日も早く削除するべきじゃないか?政治家たちと「有権者たち」の猛反省に期待したい。

f:id:satoumamoru:20220401180358p:plain

 

ウクライナに見る”絶望的な運命”との戦い!

 前回紹介した野口健氏はコラムに「ロシアに支配されたら絶望的な運命のみが待ち構えているということを彼らは過去の体験から体に刻まれるほど理解している」と書いた。

 

そこで今回は私のつたない“体験談”を書いておきたい。

 平成13年6月、生まれ故郷である樺太を訪問した私は、次のように所感を書いている。

「手書きの地図を頼りに、私が生まれた高田産科病院跡を訪ねるため、夕食後ホテルを出て、レーニン通りに沿って少し歩くと売店があったので覗いてみた。棚の大半は酒類で、日用品が僅かに並んでいたが、残った一〇〇ルーブルを使いきる必要があるのでマダムに棚の‟ウォッカ”を見せて貰うと、彼女はサハリン産の大瓶を推薦し、モスクワ製の小瓶は見向きもしない。そこに男性が一人入って来て私の手元の大瓶を見るや『サハリン、グー』と右手の親指を上にあげ、次にモスクワ製の小瓶を指して『モスコー、バッド』と思い切り親指を下に下げた。マダムと同じくモスクワ製(クレムリン)は嫌いだ!と言うのである。

 極東の僻地に押し込められ、中央政府から見捨てられたサハリン洲民(棄民)達の本心を見た気がした。本当は荷物になるから小瓶の方が欲しかったのだが、大瓶二本を購入して薄暗くなった歩道を歩いていると、偶然‟彼‟と擦れ違った。自分が推薦したサハリン産のウォッカを手にしている私を見て彼・ワシリー氏は、再び『サハリン・グー、モスコー・バッド』と大声で叫び、路上でロシア語と英語のちゃんぽんで一方的に喋るのだが、ソルジェニツインやペレストロイカラーゲリ等の言葉が頻繁に出て来るところから察すると、要するに中央政府に大層不満を持っているらしい。ロシア語が理解出来れば思わぬ情報が得られたに違いない、と残念だった。」

「ホテル・サハリンサッポロ前のレーニン通りは人影が疎らで車の通行量も少ない。住民の服装が黒、または灰色系統が多いからか、雨雲とも重なって暗い雰囲気が充満している。ロシア人の大人達には活気がなく、何よりも青年たちの『希望のない目付き』が気になった。」

f:id:satoumamoru:20220330120708p:plain 

北緯50度・国境に立つ父(父の日記=手書きから)

 第2回目の訪問は、平成15年10月で、四日間かけて島を強行縦断しただけだが、その印象も『ただただ貧しい!』の一語に尽きる。

「共産政権八〇年弱の実験は大失敗で、ソ連が二十世紀における諸悪の根源、人類の敵だった事は間違いない。少なくとも自国民の人権を無視し続けただけでもその罪は万死に値すると思う。市内には前回よリも中国人が目立ったが、主として畑を借りて農業に従事していて、中国人バザールが増えた由。しかし中国人犯罪目立たない理由はロシア人の方が遥かに凶暴だからという。やはり‟強いもの”には手が出せないのだ」

オホーツク海に沿った南部の富内部落跡を通って海岸に出ると、オホーツク海向かって建設されたトーチカ陣地が並んでいたが、このちゃちなトーチカ群は「日本の攻撃」に備えた物だと言い、「なんで自衛隊攻めて来てくれなかったのですか?」と聞かれて絶句した。近くを散策すると、旧日本の小学校跡に「表忠」と書かれた大きな石塔が建っていた」

「現在、サハリン州に住む『大陸に捨てられたロシア人達』が、人情に厚い日本人に寄せる‟願望”には、我々の想像以上のものがあるように思われる。私の父達の樺太時代には、ロシア人集落が各所に残っていてごく自然にロシア人と共存共栄していたようだが、これからもそれができないとは思われない。それには、政治家と外交官達が、明治時代の元勲達のように毅然とした対応が取れる、勇気ある教養人である事が最優先だろう」と所見に書いている。

f:id:satoumamoru:20220330122041p:plain

南樺太全図(父が踏破した記録=手書きの日記から)

いずれにせよ、ロシア人に支配されたら「絶望的な運命のみが待ち構えている」ということを知っているウクライナ国民は、頑強にロシア軍に抵抗しているのであろうが、よく理解できる。

「上面だけの平和主義」では理解できないものである。  

指導者には「慎重な発言」が求められる!

バイデン米大統領が、ワルシャワで行った「重要演説」はまるで窮地に立つプーチン氏とロシア国民を「それ見たことか?」とばかりに非難した、超大国の大統領らしからぬ不手際発言だった。演説後、閣僚たちが慌てて「弁明」に走ったが、大国?の指導者たちはどうしてこうまで「迂闊」な発言をするのだろう。バイデン氏だからか?

確かにウクライナに攻め込んだP氏の行為は許せるものではないから、今や世界中が彼に猛反発しウクライナを支援しているように見えるから、P氏は完全?に孤立しているといえる。だからと言って「他国の大統領を排除しなければならない」ということまで公的な場で口走るのは、いかがなものか?

それじゃP氏のシンパでなくてもロシア人は敵に回るだろう。ロシアのペスコフ報道官は直ちに「ロシアの大統領はロシアの国民が選ぶのである」と反論したが、米国式の選挙ではなくとも、ロシア式のものもあるから当然である。本来の”米国式”ではない方式で自分が大統領職をつかんだからか?と発言の真意を疑いたくなる。

「勇み足」などと言って済ませられることではない。

どうも「2超大国(3超大国?)」の指導者は少し(かなり)おかしい。やはり彼らは「側近」に恵まれていないせいだろうか?

折角勝ち戦に向かっていたこの戦争に、若干“味噌”をつけて、勢いを鈍らせた感がする。ゼレンスキー大統領にとっては”有難迷惑”だったのじゃないか?「窮鼠、猫をかませてはならない」時なのに。

 

わがメディア(と言っても産経だが)には、ほぼ冷静な意見が出ているが、日本の週刊誌に任せておいた方がよかったのに…

しかしながら、北方領土を「不法占領」されているわが国にとっては、バイデン氏の発言は理解できる。そこで第2次大戦後に「ソ連が日本の領土を不法占領した例」を挙げたらよかったのに…産経抄氏はこう書いている。

 

他方、登山家の野口氏は、ウクライナ人が、ロシア(ソ連)に支配されていた時、どのように絶望的な苦しみを味わったか、とウクライナ国民の過去の体験を示唆しているが、上っ面だけの『平和論』を唱える方々には理解できまい。

ウクライナ“戦争”は、すでに1か月を過ぎた。これが「超大国」として同じ米国と肩を並べた経験を持つ国の実像であることを、わが国の識者諸兄には理解してほしいものだ。

 

届いた書籍のご紹介

===============

WILL5月号

周回遅れ?の核議論はさておき、「バイデン政権を操るネオコンの正体」と「プーチンを狂わせた戦争の仕掛人」は読みごたえがある。”上っ面だけの平和主義”の方々にもご一読をお勧めしたい。

ウクライナ戦争=喧嘩両成敗的な意見が出始めた!

プーチン氏が始めたウクライナ侵攻作戦は、2日間で勝利する予定だったが、想定外の事態が次々起きて、今や世界中から「総スカン」を食い、大きく目算が狂ったようだ。

下手するとロシアは「旧ソ連」のような極貧国家に逆戻りし、ロシア国民は、再び窮屈な生活に戻るだろう。

P氏は独裁専制主義国の陥りやすい「穴」に落ち込んだのだ。

普段から、身内の掌握を心がけていればこんなはずではなかったろうが、先日「核攻撃準備命令」を指示して「了解いたしました」とこたえたセルゲイ・ショイグ国防相にも何らかの動きがあったらしい。ロシア大統領府は「多忙のため」だと胡麻化しているが、2週間近くも公の場に姿を現さないというのは異常だろう。取り巻きにもいよいよ「サボタージュ」が始まったか?

おそらく彼は普段からP氏に不満を抱えていたのじゃないか?

f:id:satoumamoru:20220325113932p:plain

前回のブログにコメントが寄せられ、この1月に現地ウクライナ国境地帯を取材した画像が紹介されていたが、多少の「ヤラセ?」はあったにしても、零下10度という原野の国境地帯で警備に着くウクライナ兵の動きは真実だったろう。

 

日本から出かけたレポーターの目には奇異に映ったかもしれないが、それは「島国日本には国境という概念がない」からである。自分の身は自分で守る、つまり「市民が武器を取る」という現実が理解できないのである。「強盗には警察が」、「紛争には自衛隊が出る」ものであり、国民は「平常の生活」を楽しむものだ!と思っているのだ。

永世中立国」であるスイスは国民皆兵であり、私が滞在していた間にも、軍事訓練を怠っていなかった。建物の駐車場は皆有事に備えたシェルターであり、地下駐車場には頑丈な柱が林立していて「駐車する」には不便だが、それを国民はいとわない。「中立国」だが有事に備えているのである。

レポーターは「少年も参加している」と驚いていたが、ウクライナは有事に備えていたのであり、女子供も例外ではないのだ。その昔、日本にも「少年戦車兵」「少年飛行兵」募集制度もあった。何よりも、学校で「軍事教練」が課せられていたのだ。今じゃ先生や父兄が猛反対、その前に文科省が腰を抜かすだろう?が、それが「有事に備える」ということなのだ。

問題は、人種の差を問わず、国民、それも旧ソ連市民であったウクライナ国民までもが、なゼこれほどの「敵愾心」を旧ソ連、現ロシア国に抱くのか?であろう。

それはロシア人自身が「旧ソ連(共産主義)」体制下における「非人間的生活」の恐怖を知っているからであろう。

そんな生活を強要されたことがない人間に、論評する資格はあるまい。

そろそろ出始めた「喧嘩両成敗」主義者がいるが、これが日本人の悪い癖で、「そうはいっても、やられる方も悪い」という論法は世界に通用しないのだ。

そのくせ「ざるの上の小豆」同様、ざるが右に傾けば、一斉に右に傾き、左に傾けば今度は一斉に左に傾く。

今回のウクライナ“戦争”を見て、お人よしの日本人はどう感じているか興味がある。

今朝の産経に、阿比留氏の「極言御免」欄に自衛隊の活用を種々制限してきた一例が紹介されている。出てきている元議員は「札付きの反戦議員」だから言う気もしないが、こんな人間が国家公安委員長防衛大臣をやったのだから、政治が停滞することが良くわかる。

命を生む女性議員の直観力は正しいが、男性議員はあきれるほど判断力に乏しい。普段から「有事」ではなく金計算ばかりに明け暮れているからだろう。

f:id:satoumamoru:20220325114715p:plain

マ、しかしそれには母体である自衛官の定数があまりにも不足しているから、その増強が最初だろうが、ウクライナ戦争の動画をTVで見ていて、「明日は我が身」だと感じてくれていればいいのだが・・・

 

北の首領様も、黙っておれないと見えて「花火」を打ち上げてご満悦の様だが。周辺にはこんな“変な”指導者たちが、虎視眈々と豊かなわが国土をうかがっていることをお忘れなく!。

 

届いた書籍のご紹介

==========================

f:id:satoumamoru:20220325114940j:plain

Hanada5月号

小池百合子都知事」以外はウクライナ問題の総特集。じっくり読んでいる暇はないが、示唆に富むものはある。中でも元ソ連研究者・瀧澤氏の「プーチン離れ!ロシア軍内部情報」は時宜を得ている。

f:id:satoumamoru:20220325115633j:plain

「丸」5月号

幻のロケット戦闘機「秋水」は懐かしい!70年前の我が国は「ロケット戦闘機」を開発していたのだ。ロケットは「北の首領様」の専有物ではない!

わが陸自も北の雪原で演習に余念がない。キエフに侵攻”できない”ロシア戦車部隊を指導してやったらどうだ(笑い)

ロシア軍全面侵攻!特集も示唆に富む。

「時代遅れの共産主義(恐怖政治)」

ウクライナの戦場で活躍する世界中のメディアは、規律が緩んだ極悪非道なロシア軍の民間人攻撃の有様を、画像で克明に伝え始めたが、当初の作戦計画が崩れ、苦戦しているのに作戦発起の「責任者」プーチン氏は、懸命に言い逃れに努めている。敗戦すれば「国際的戦争犯罪人」として、国際社会からはじかれ、ややもすると多民族の集合体である自国民からも「吊るし首」になりかねないところまで切羽詰まってきた。

得意とする「偽情報戦法」も通じなくなるだろう。いくら「百姓集団」であるからといってもロシア人はそこまで「バカ」じゃないからだ。彼に殺されることが怖いだけだ。

 

この状況を連日報じている日本のメディアから、我が「お人よし国民」は何を学んでいることだろうか?

今展開されている戦闘は、単純に言えば「民主主義」と「共産主義」の決戦の場である。そこで思い出すことがある。

 

昭和34年、福岡の高校から防大に入校した私は、入校後の「ガイダンス」という教育で、「敗戦後生まれ変わった主権在民(民主主義国)の日本の自衛隊は、何から何を守るべきか?」という命題を出された。指導教官は「民主主義制度は、国民の選挙によって選ばれた多数派の政党が政権に就く。その選挙で『共産政権』が生まれた時、自衛隊はどうあるべきか?」として①命令に従うべき②命令を拒否すべき、そのどちらを選ぶべきか?というのである。

私ははっきりと「拒否すべき」と答えたがその理由は「国家戦略が選挙ごとに変わるのはおかしい。軍は政治とかかわりなく、国民と直接つながるべきである。特に共産政権は日本国民になじまない。」と答えたが「では制服を脱ぐか、それとも共産党政権を倒すか?」と他の仲間たちの意見が沸騰した。当時の私は「闘う」と答えたが、指導教官からそれ以上の結論は求められなかった。

三島由紀夫共産主義が嫌いな理由に「美名をもって人間をたぶらかす偽善であり、共産主義は『自由な未来!』に向かって人間をそそのかす毒素である」と文化防衛論に書いているが、私は彼らに「人間性」を感じなかった

それに近い現象が、平成6年に起きた。社会党村山富市氏が首相になった時である。彼は国家戦略を共産主義に変えることはなかったが、社会の進歩は大きく停滞し、その後の「阪神大震災」で辞任した。

 

敗戦後、あまりにも頑強で規律が保たれていて強かった「皇軍大日本帝国陸・海軍の強靭さ」に恐れをなした連合国は、自らの国際法違反は棚に上げて、敗戦国・日本にだけそれを背負い込ませ「不戦条約」を平和憲法と称して押し付けた。

敗戦直後の失意?からか、我が国はそれを受け入れたが、なんと当時の政治家たちは、独立を果たしたのちも唯々諾々とそのまま「服従」する愚を犯した。

 

ウクライナ侵攻から我々が学ぶべきことは、魑魅魍魎がうごめく国際間においては「公正と信義」なんぞ通用しない、という冷厳な事実である。特に共産・専制主義の衣をまとった国はそうだと現実が教えてくれている。

これを唱える国の指導者を見るがよい。これらの国がこの世に存在しなければ、如何に住みやすい世界が出来ていたことか。その意味でマルクスレーニンはこの世に不幸をもたらした「悪の権化」というべき存在であろう。

わが国でも、その「新しい思想」に挙げ入れて、無責任にも純真な学生たちをそそのかした‟新しもの好きのインテリ教授ら”がいたことは御存じだろう。

この時点においてさえも、いまだに街頭に出てウクライナ支援と称する「見え見えの虚働」に走っている共産党シンパ集団がいるという。

今や「戦後民主主義下の自衛隊の任務」を討論している時代ではないのだ。

今朝の産経「風を読む」欄に沢辺論説副委員長は「学校で教えてくれないこと」というコラムを書いている。戦後日教組に支配された学校教育現場の罪は、無限に大きいといえる。

自衛官の息子」というだけで私の息子らがどのような‟差別”を受けたか!今だったら騒ぎになるのじゃないか?

当時の“現場教育”は「労働者階級」が支配していて、真っ当な先生は彼らに一掃されていた。文部省も日和見で、強いものに巻かれっぱなしであったから、かわいそうだったのは純真な子供たちであった。

f:id:satoumamoru:20220322115237p:plain

ウクライナ侵攻でも、世界中のメディアが注目しているのは「子供たちの被害」である。人類の将来を担う子供たちへの影響は計り知れない。

世界の“指導者”面して殺戮を正当化している“老人”達よ、君らこそこれからの地球にとっては「不要な存在」なのだから、そろそろ隠居したらどうだ!

同時に70年ほど惰眠をむさぼってきた日本人も、この際目を覚まさなければ、未来はないと知るべきである。

 

 

届いた書籍のご紹介

==============

f:id:satoumamoru:20220322115325p:plain

航空情報5月号

はや5月号である!海自、小月基地のT-5練習機である。青空を背景に、しかもめったに見られない後方からの機影で、美しい!

記事には「電動航空機特集」とあるから、騒音軽減かな~と思ったら「CO2低減」の取り組みだという。期待半ばに見ておきたい!