軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

「光と闇との戦い!」なんとももどかしい!

郊外で隠居生活を営んでいる老兵だが、久しぶりに老人会で「UFO」の話をした。

昨年米国防総省が「UFO」(UAEと今後いうそうだが)の存在を認めたせいか、以前の様な“半信半疑”の表情は消えて、終わっても熱心な質疑が続いたのには驚いた。

 質問は「なぜ来ているのか?」「何しに来ているのか」というものだったが、確証はないので推測しか言えなかった。ただ「地球人を亡ぼす」というのであれば、太古の昔から来ていたUFOにとっては、進化の遅れている地球人を滅ぼすことは他愛もないことだろうから、少なくとも「地球を占領する」のが目的ではないようだ、と答えるにとどめた。

 しかし、個人的には“愚かな人類”の方が宇宙に進出して、宇宙戦争を始める公算が大きいと思っているプーチンウクライナを侵略したように…

 さて、この“戦争”はロシアの“成金たち”に取っては深刻な状態を招いているようで成金たちにとっては銀行預金が凍結された上、自家用ジェット機や豪華ヨット、別荘なども次々と差し押さえられているから、プーチン離れが始まっていて、政権内部では抗争が始まっているようだが、「金の切れ目が縁の切れ目」。彼らにとっては一夜の夢?に終わったも同然だからだろう。

 

ところで、それに比べて、わが政界人の貧相でいじましいことには失笑を禁じえない。産経抄氏はこう書いている。

日本の「野党」はまるで“夜盗”だと思わされるが、彼の場合は育ちが育ち!人相も”貧相”だから、こんな男を選ぶ選挙民が地方には如何に多いか!という証拠だろうが、彼の場合は落選した「元議員」だから捨ておくにしても、「現職議員」もこれに類した者が、特に与党にいたので有権者の怒りを買った。議員バッジを振りかざして私利私欲を求めるような輩が多い我が政界は、隣国の政界を批判することはできまい。いずれにせよ議員の質の劣化は疑う余地はないといえる。

さてロシアだが、わが国の外交的措置に対して入国禁止措置としてロシアの入国禁止対象者リストを公表した。

気になるのは“予想通り?”野党議員やNHKや朝日、毎日などの関係者名がないことで、如何に密接かを示している。ところが産経の乾・論説委員長の名もなかったことから、彼は「選に漏れたことが悔しい」と次のように書いた。

 乾氏は「ロシア外務省の選に漏れた!」という表現をしているが、この一文はなかなか含蓄が深い。もう週刊誌では「分析」が始まっているだろうから、ソワソワしているお方!もいるのじゃないか? 週刊文春の発売が待たれる!

 

それはそうとして、先日のプーチン氏の演説は、予想通りで面白かった。彼には責任感は全くないようで、核についてもウクライナ側の発言だ?と言いくるめる狡猾さだ。それとも認知症の始まりか?

やはりこの国は「壮大な田舎者の集まり」だと言えるような気がする。後ろに居並ぶ軍人らの「キンキラキン」な服装がよくそれを表している。近くにある国もそうだが、これほどまでに専制・独裁国とは似通るものだと呆れる他はない。他に威張れるものがないからだろう。

とまれ彼の演説については、次の「正論」が的を射ているだろう。日本の野党議員たちの“水準”は、平気でうそをつくほどの域には到底達していないというべきかも。新幹線「グリーン車ただ乗り」程度が夢なんだから…

 

届いた書籍のご紹介

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軍事研究6月号

ロシア軍の”実態”を示す論文が多く出ている。それに比べて「令和の【敵基地攻撃能力】の全貌」は遅れている防衛論議の”実態”を紹介している。我が国も「軍事」と「政治家」の周波数があっていないことの証明だろう。

正義は邪悪に勝てるのか?

‟平和な我が国”では、大型連休も終わり、国民の多くにとって、あとは“新型コロナ”の蔓延拡大が気になるといったところだろう。しかし、大自然は人類の「気ままな争いごと」とは無関係に天体の動きと連携して芽を出し花を咲かせている。

人類が亡びた後を覆うのは、‟彼ら”のような無心な草花?(無心ではない?)なのかもしれない。人類が建造した人工物は、人類が消滅した後には「廃墟」となり、長年地球上を汚し続けて朽ち果てていく宿命にあるようだ。まるでウクライナの“廃墟”のように。

今日のロシアの“対ドイツ戦勝記念日?”にプーチンが何を話すのか?と世界中が注目しているようだが、彼は決して敗北を認めないだろう。強がりだけで生きてきた彼らしく、最後まで己の強さ?正しさを宣伝するに違いない。その強気をなくしたら、彼は終わりだからだ!

私はこのブログで、この戦が始まった当初、少なくとも「敵も己も知らない」彼の裸の王様ぶりを指摘したし、「プーチン敗れたり!」と巌流島を例に挙げて指摘してきたが、産経のオピニオン欄に湯浅記者が「ロシアの戦略的な敗北シナリオ」と題してこう書いている。

 

如何にロシア国民が○○だとしてもこんな指導者に支配されていたのでは、21世紀を生き抜けまい。まるで、何時までも第二次世界大戦の“勝利?”に酔っている、愚かな指導者と国民ぶりが目に見える。ロシアの言う対ドイツ戦、言わゆる大祖国戦争は、戦史に明らかなように米国の支援無くしては決して勝てなかったのだ。

湯浅記者は最後に「正義は邪悪に勝利できるのか」と自らに問う形で自由社会は自らの力で勝利を手繰り寄せなければならない」と結んでいるが、これはノー天気な日本国民への警鐘でもある。ロシアのみならず、“花火を打ち上げて喜ぶ”指導者が、まだ他にもいるからである。

日露開戦に当たり、明治大帝は「四方の海皆同胞…」と嘆かれたが、人類はとてもそんな段階に至っていないのだ。

私が尊敬してやまない三島由紀夫氏は、地球とは別の天体から飛来した宇宙人であるという意識に目覚めた一家を中心に、核兵器を持った人類の滅亡をめぐる現代的な不安をSF的技法で描き、著者の抱く人類の運命に関する洞察と痛烈な現代批判に満ちた異色の思想小説「美しい星」の中で、主人公の口を通じて、人類が滅んだあとの墓碑銘に次のような「人類の言葉」に翻訳した文を書くとしている。

 

地球なる一惑星に住める人間なる一種族ここに眠る。

彼らはなかなか芸術家であった。

彼らは喜悦と悲嘆に同じ象徴を用いた。

彼らは他の自由を剥奪して、それによって辛うじて自分の自由を相対的に確認した。

彼らは時間を征服し得ず、その代わりにせめて時間に不忠実であろうと試みた。

そして時には、彼らは虚無をしばらく自分の息で吹き飛ばす術を知っていた。

ねがわくはとこしえなる眠りの安らかならんことを

今、人類の愚かな殺し合いを見つつ、「偉大なる愚か者・人類」というエッセイでも書こうかな?と感じているところである。三島が指摘したのは全人類なのであって、「一種族」が日本民族ではないことを祈るが・・・

 

さて、ウクライナ侵攻という火をつけて狼狽えているP氏はどんな“演説”をすることやら…   

 

 

世界は冷戦後初の政治的「整理期」に入った

連日流れている「ウクライナ戦争」の情勢を見ていると、奇妙なことに気が付く。

 それは「作戦見積の不備」から状況判断を誤って、ウクライナに侵攻したプーチン大統領の判断力の‟欠如”もさることながら、その後2カ月以上続いている戦争の推移を見れば判る。

 米国は、通常ならば「国家機密」として一切隠蔽してきた情報を(UFO情報もそうだが)、今回は「積極的、かつ主導的」に流して、情勢を主導しようとしている様に見える

 もとより最終的には「核戦争を防止して平和に貢献する」為の戦略変更ということになろうが、「ロシアの戦術を先読みし」先回りして“友好国”と‟メディア”に流し、この戦争の主導権を確保しようとする作戦に出ているかのように見える。勿論、物理的にその「能力を備えている」から出来るのだが、このため、作戦を見誤った当のプーチン氏は、異常なほど神経質になり、揺さぶられ続けているといえる。

   下手すると核のボタンに手をかけないとも限らない。つまり、戦争の主導権を失ったため、プーチン氏は常に後手後手に回り、相手に対応する余裕を与えたほか、交際情報戦でも非難を一身に受けることになり不利になったのである。

支えてくれているのは、自国民の中の「偽情報」に踊らされた「シンパ」だけの様に見える。しかし、これも「金の切れ目…」で減っていくのだろう。

 2か月間で築き上げられたこの国際情勢は、冷戦後初のものだと言えそう簡単には変更できまいから、今後ともプーチン氏には“逆境”が続くだろうが「身から出た錆」だから仕方あるまい。

 その時彼は「どんな責任回避」をするのかが興味深い

 おそらく「米国の陰謀だ!」と言うに違いないが、その時は既に誰も信じまい。

 

 ところで「責任転嫁」は、彼のような国際的なものから、ごく身近なものまで、このところ指導者と言われる“人種”に溢れかえっている

 例えば、身近なものから言えば、知床観光船の運営会社の社長だが、どんな経緯で彼の様な”素人”が「多くの命を預かる企業の責任者」になったか知らないが、記者会見を見ていて開いた口が塞がらなかった。

 監督官庁も、書類審査だけで見逃し、実態を調査していなかったという重大な責任があろう。

 死亡した「船長」の責任にして“死人に口なし”とばかりに保身を図るこの男に、犠牲者たちの怒りは収まるまい。

 これに似た実例は既に大昔、自衛隊機と‟民航機”の空中衝突事故の裁判で実証されている。会社は自社の操縦者を弁護し、国は事故調査委員会という組織を使って、「事故の真因」ではなく“政治的判断”だけで自衛隊側を犯人に仕立て上げ、補償を自衛隊側(国費)に押し付けて一件解決した。

「正義を追求」せず、唯々諾々と?‟政治に従った”自衛隊側もだらしなかった…

 今回は同様な、同じ国土交通省管轄下における“同種”の事故である。関心をもって見ておきたい。

責任転嫁と言えば、こんな記事もあった。

 観光船だけではなく、金融業のトップもこんな感覚で“金集め”に狂奔しているのだ。全くあきれてものが言えない。

ところで「責任転嫁」と言えば、この国をおいては語れまい。

 まあどうでもいいことだが、こんな国が隣にあるということだけは国民に忘れてほしくない。わが国の地政学的な‟不幸”だといえるだろう。

 そこでロシアだが、ここも一筋縄ではいかない「責任転嫁王国」だ。産経抄氏はこう書いている。

 とにかく彼は“皇帝陛下”であるから、なんでも思い通りにならないと“ブチ切れる”様だから、米国のある程度の“融和戦略”は一時的に功を奏するかしないか、これも注意深く見ておくほかはない。

 それにしても我が国もいつからか「責任転嫁王国」になってきていて、「責任逃れ」の巧い者ほど出世するようになったようだが、大和民族がいつの間にか“サモシク”なったのが嘆かわしい。どこの国の影響だろうか?

危険を回避する努力が不足している!

北海道の知床半島の沖合で遭難した観光船で犠牲になった方々は気の毒でならない。

ややもすると、事故・事件が起きるとメディアは、起きた事故の重大性を強調するあまり、その“現象”を強調するものだが、それでは「真因」は掴めない

航空安全管理隊司令時代、三沢基地から天候偵察に飛びあがったT4が襟裳岬沖に墜落、その事故調査を担当したが、墜落した「状況」から、パイロットの何らかのミス(つまり高度判定を誤った)として一件落着になりかけたことがあった。疑いを持っていた私は空幕長に機体の引き上げを上申したが、周辺は「現場は深海(800M以上)だから無理だろう。それに予算も限れらている」という意見が多かった。しかし、三沢基地から転出“させられた”ばかりの私にとって、二人はかっての部下であるから強力に願い出て、漸く「予算」が付くことになった。「骨を拾う」のは上司としての役目じゃないのか!薄情なものだ!と頭に来たものだ。

そして来日した海外の海底探査グループと調整したが、彼らは状況説明からほぼ真相に迫っていたと思われた。如何に思い込みが危険か!という証拠であり、事実引き上げた機体の状況から、製造メーカーによる「ピトー管(高度の誤指示)」の製作ミスが浮かび上がったのであった。

今回の遊覧船の場合も、人的ミスが噂されていたが、北海道放送が「2016年から5年間、船長だった51歳の男性が運航会社の“実態”」を報道した。

今の運航会社の社長は、船のことも、海のことも知らない」「お金にだらしない人。銀行で金を借りていたけど、去年、おととしくらいから経営が上手くいかずに、常に『お金がない』と話していた」「波があって出航をやめたときも、社長には『何で出さないんだ』と言われていた」「経営は厳しく『「銀行からお金が借りられない』と言っていた」「僕がいる間は、無事故の会社だった」などなど、その他、当該船長も資格上不適だったようで、これでこの会社の安全無視の実態が浮き彫りになった

人間が絡んでいる以上、事故はその関係者の人格、能力などを周知しておかねばならない。この場合は、そんなことを部下に強要していた会社幹部の責任は免れまい。責任が分かっても、死亡した(させられた)乗客は元に戻らないのだから、遺族にとっては怒り心頭だろう。

同じようなことが、1988年7月23日に海上自衛隊潜水艦と遊漁船が衝突した、いわゆる「なだしお事件」でも起きている。この時沈没した遊漁船「第一富士丸」の船舶所有者(北朝鮮がらみだったと言われた)の運航管理が十分でなかったことは、海難審判で証明されている。

しかし役所が審判したにもかかわらず、この手の事故が続くのはどうしてだろう。おそらく時間が過ぎて「過去のもの」となってしまったか、再発防止のための手厳しい処置がとられていないからだと思う。事故調査の目的は「同種事故の再発防止」にあるということが官民ともに忘れられているのだ。

なだしお事件では「指定海難関係人である第一富士丸船舶所有者」が、多数の乗客を乗せる第一富士丸を運航するにあたり「最大とう載人員を超えた釣客を募集し、運航管理規程に準ずるものを作成せず、乗客の安全についてこの種の船舶に不慣れな乗組員に任せるなど運航管理が十分でなかったのが本件発生の原因」だと断定されていたにもかかわらず、第一富士丸が廃船(証拠隠滅?)となり、その後清算会社となった」ため裁判所は会社に勧告してない。だから改善されるはずはなかったのだ。中にはこの船を愛用していたメディア関係者から横やりが入った?ともいわれていて、真相は闇の中だった。

大阪で多くの犠牲者が出たクリニックの火災も、消防法上「適切に指導」していれば、放火されても犠牲者は少なかったことと思われる。

今の「官」「業界」は、関係者は危機管理に無関心で、犠牲者に対する配慮など全くない「無責任者の集まり?」状態と言っても過言ではなかろう。

「君子危うきに近寄らず」という金言は今の日本ではまだ生きている言葉だと言える!

 

ところで、「軍事評論家」ならぬ「UFO評論家?」になりつつある私は、昨年夏にアメリカのケーブルTV「ヒストリーチャンネル」で取材を受けたが、やっと米国で放映された、と動画が送られてきた。元より「英語版」である!

https://youtu.be/DOI2NL-tLn0

 

ウクライナ戦争では、上空をかなりUFOが飛び交っている不思議な現象が報告されている、ともいう。

インターネットから

 

次はご紹介しておいたその当時あきる野市の古民家でサリバン氏が収録した動画である。

東京都から一番近いUFOスポットとは?カフェRISYA - YouTube

コロナ禍も弱まったし、暮れの大掃除中に右足首を骨折した店のマダムも、リハビリが終わり今週からお店を再開したという。UFO談議に花が咲くといいが。ご紹介まで。

 

届いた書籍のご紹介

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「WILL6月号」

ご時世がご時世だから、ウクライナとロシア「特集号」になった感がある。情報としてはTVの速さにはかなわないが、それぞれの”識者”の考え方がよくわかる。

「HANADA6月号」

これもほとんど同じ問題で飾られている。高市氏更迭?とは知らなかった!河合元法務大臣御懺悔録は面白いが、後悔先に立たないことが分かったようだ!

「丸・6月号」

これも「軍事誌」なので、当然ウクライナ問題が特集されている。総合誌とは一味異なっているかからよく吟味あれ。

 

義勇兵にOBが志願、身分は私人?それとも元軍人?

言うまでもなく、共産党という組織がいかにご都合主義の組織であるかは、三島由紀夫が批判したとおりだが、いわゆる左翼主義を信奉する者はまだまだ騙され続けている。

産経新聞の榊原智論説副委員長は、党綱領で「憲法第9条の完全実施(自衛隊の解消)」や「日米安保条約の廃棄」を掲げている共産党の志位委員長の発言に対して、「防衛力充実と同盟強化が平和を守る前提条件だと分からず、侵略者を喜ばせかねない共産や立民は、日本の防衛論議に必要な政党なのか」と国民に疑問を投げかけた。

 

氏が言うような「自衛隊への謝罪」は不要だが、両党こそ「不要な存在」であり国民に謝罪すべきだと言えるだろう。

政府に何かあるときは勢い込んでしゃしゃり出るが、状況が不利になると物陰に隠れて顔も出さないような政党は、不要だと思うからだ。

ウクライナ戦争で、連日“国際関係の実態”を学んだ有権者から、いずれ否定され、やがて“消えゆく政党”だろう。

ところで、ウクライナ義勇軍として参加したい、と意思を示した70名もの日本人青年がいたことは以前書いたところだが、「西日本に住む‟元自衛官の男性”が、18日にウクライナに入国していたことが分かったという記事が出た。

「ロシア側の捕虜になった際の扱いは不透明な状況だ」ともあり、ロシア側は「国際人道法で守られた戦闘員ではない」と言ったそうだが、ロシアに「国際人道法」を守る意思はあるまい。よく言うよ!と言いたくなる。

翻って、「“軍人ではない自衛官”の身分」については、イラク“派遣”時から問題になっていて、「武器は持たせるな!」とか、「小火器に限る」だとか、「機関銃一丁まではいい」とか子供じみた論議にあけ暮れていた経緯があったことを国民はお忘れか?

自衛隊は軍隊ではない」つまり「正規の軍隊」ではないから自衛隊には“軍人”はおらず、したがって、自衛隊自体が「国際人道法が適用された捕虜」として扱われないことになり、いわば「テロリスト」並みの扱いなのである。

前述の左翼政党による長年の妨害工作で、自衛隊は“憲法違反”の日陰者の存在に過ぎず、どんなに国民のために活動しても、褒められることはなかった。3・11までは…

私はこんな中途半端な身分で世界に「派遣」していれば、いずれ前述のような事態に巻き込まれて、国際的問題になりかねない、と危惧していたものだが、「派遣」された隊員たちの努力と規律ある行動で、無事に任務を果たしてきたから問題は起きなかった。

しかし、いつまでこの様な中途半端な状況を放置しておくのだろうか?と気がかりだった。国内の戻ると、死んだ鶏や豚の後始末をさせられたり、本来の訓練は予算不足で苦労させられた。だから「自衛官と言えども人の子、正しく評価されないことに何時までも耐えられる程の聖人君子ではない」と私は部外に説いてきたものだ。

その後海外“派遣業務”が異常に多くなったが、若い隊員の中には、「日本で活動するより、海外で活動して他国の軍隊と比較し、‟軍人”としての「評価」が知りたい」と感じる者が出てきたときも、やはりそうだろうな~と感じたものだ。

今回志願して現地入りしたOBは自衛隊勤務中に「そう感じてきた?」者の一人かどうかわからないが、現に「罪のない市民が殺されている」ことに義憤にかられたことは理解できる。同じ紙面にあるベラルーシの女性と同じ気持ちだろう。

政府(外務省と法務省)は彼をどう取り扱うか、苦労するだろうが、今まで「放置」されてきたことだから、速やかに改善してほしいと思う。

全ては「新憲法」という‟虚構”が生んだ産物のせいだろうが、知恵者の集まりである“政府役人”達のお手並み拝見と行きたい。わが国は、ウクライナ戦争の実態を見て、戦後の”虚構”に満ちた政策の弊害から、一日も早く解放されなければならないことに気が付くべきだ。

 

世界の枠組みは変化しつつある、というのに…

2月に意気揚々と“万全の態勢”で?ウクライナ侵攻を決断したP氏は、予想に反して2か月にならんとする今でも目的を達していない。いや、達せられないような“雰囲気”になってきた。ウクライナ軍と国民の予想以上の抵抗を受けた上、西側諸国の軍事的支援始め、支援物資の支援が大々的になってきている。その上「黒海艦隊旗艦」の「モスクワ」までも沈没する悪夢を招いた。

おまけにウクライナNATO入りは阻止できた?かのようだが、戦闘を凝視していた中立国のスエーデンとフィンランドが、NATO入りを表明するに至った。P氏の目論見は完全に裏目に出たのだから「心中察するに余りある?」が、国内には誰も止めるものはないから、ますます‟こじ付け論”を展開して狂ったように突撃するのだろう。相手が‟非武装”だと俄然勇気が出るのがロシア軍だ。こういうのを、作戦計画、見積もりの甘さという。

これは樺太で“大本営の命令”によって抵抗をやめ、ソ連兵に武装解除される日本軍だ。

今、ウクライナ兵に‟武器を捨てるよう要求”しているが、この時、彼らはどうなったか?

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ここまでの動きを見てみると、冷戦終結後の「世界的力(パワー)の枠組み」が崩壊して、新しい枠組みが誕生しつつあるように見える

フィンランド化」という懐かしい言葉さえ甦ったが、いずれにせよ「ロシアは世界中から」毛嫌いされていることがはっきりした。

 

では戦後80年近く、軍事面で「惰眠」をむさぼり「アメリカ化」してしまっている東洋の果てのわが国は、今後どんな体制を作り上げようとしているのか?これでもまだアメリカの「核の傘」に信頼し、自国の安全を確保しようというのか?

フィンランド化より劣るのではないか?

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わが“選良”たちはまだこの段階でうろうろしているのだから情けない…。

 

 私が現役時代に、米国は“番犬”だと称した大臣がいたし、「盾と槍」の関係では、わが国は楯で、米国は「槍の役目」を持つと言い放ち、同盟国の青年の血を流すことに“彼らは”少しも痛痒を感じていなかった。

 三沢時代、湾岸戦争に出撃した米軍将兵が帰国し、それぞれに任地に戻る時、輸送機不足に悩んでいた米空軍から「自衛隊の輸送機に“便乗”させてもらえないか?」と非公式打診が来た時、当時の防衛庁集団的自衛権」を盾に断ったから、帰国した将兵は民航のエアシステム便で小グループに分かれて三沢に帰還してきたことがあった。その時私は副司令と関係幕僚を参加させた。

翌日の東奥日報は彼らの帰国について写真入りの三段見出しで、『「よく生きて」抱き合う家族』「三沢米兵十五人が帰還」「手料理持参し迎える妻も」と題して次のように報じた。

(前略)空港には留守家族や米海兵隊の同僚ら約百人が、星条旗の小旗や花束を手に兵士たちを出迎えた。午後七時過ぎ帰還兵が到着ロビーに姿を現すと、出迎えの一団から一斉に歓声と拍手が沸き起こった。妻や子と抱き合い、キスをする兵士の姿があちこちで見られたほか、上司や同僚たちも肩をたたき合って互いの無事を喜び合っていた。中には愛する夫のため手製の料理まで持参する夫人もあった。(以下略)」

 

 ところが翌日、参加した副司令が怒りの表情で次のように報告した。

 当時青森は「春スキー」の時期だったから、到着口から最初に出てきたのは、スキー場へ〝遊びに行く日本の若者たち〟で、整列している米軍人らを怪訝そうに二階から見下ろしながら、「アメちゃん何してるの? 邪魔ジャン」などと会話しながらエスカレーターで降りるアベックもいたという。

そのうちに狭いロビーは、スキー用具を受け取る若者らで混雑し始めたので、米軍家族らは旗をたたみ列を解いて後方に下がったが、スキー用具を受け取る〝遊び〟に来た日本人青年らの後から、戦場から帰還した米軍兵士たちが現れると、記事にあったように家族らが歓声を上げて胸に飛び込む、感動の場面が繰り広げられたそうだが、副司令は同じ世代の日本人青年らの無関心さ、というよりも米軍人たちを迷惑だという若者らの態度に腸が煮えくり返る思いだった、と言う。

 私は空港長に、どうして米軍家族たちの出迎えに配慮してもらえなかったのか尋ねたところ、「いってくれればそうしたのですが…」という、如何にも“平和ボケ”丸出しの答えが返ってきた。

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「当時、米国の新聞の漫画でこのように揶揄された日本人!」

 

ほんの一例に過ぎないが、国境を接する国と、“平和”ボケした島国日本との大きな差異を感じる。

今の若者たちは、この当時よりも少しは真剣だろうと思いたいが、大陸国・インドは、不穏な中国や周辺諸国の動きを見て独自に行動し、中近東各国はそれぞれ自己の利益確保に動いている。

 

「茹でガエル日本人」の反応は、連日の‟ワイドショウ”以下であり、まだまだ真剣味に欠けていると言えば言い過ぎだろうか?

 

「"モスクワ”」沈没!

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これを受けて私は、1982年3月にイギリスアルゼンチン間で戦われたフォークランド紛争を思い出す。アルゼンチンのシュペルエタンダール機から発射された2発のエグゾセ・ミサイルのうち1発が、防空警戒任務に就いていたイギリスの「シェフィールド」に命中し、弾頭は爆発しなかったものの、搭載していた固体燃料ロケットの燃焼によって大火災が生じ、弾薬庫に誘爆の恐れが生じたことから、総員退去が発令された。その後「シェフィールド」の火災は鎮火したので、アセンション島へ曳航しようとしたが、途上で荒天に遭遇して被弾孔から浸水が拡大し、5月10日に沈没したものだが、今回の「モスクワ」の状況に酷似しているではないか。

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炎上する「シェフィールド」(インターネットから)

この戦例から、超低高度で飛行する空対艦ミサイルの有効性が確認されたので、わが国もAS1ミサイルを開発、当時のF1「支援戦闘機」に搭載することになった。

私は三沢時代、その実弾試射を行ったが、海自の廃艦である駆潜艇に見事に命中、模擬弾頭であったにもかかわらず、標的は間もなく海没してしまった。

今では射程の長いものが開発され、F-2に複数搭載できるものに進化している。他方艦側としては、船体を軽量化するためにジュラルミンやアルミニュウムを多用することを止め、容易に船体が燃えないように措置されたし、ミサイルにミサイルで対抗するのではなく、シューズというファントムなどに装備されている機関砲を改造して対抗することにされた。

いくら「モスクワ」が、巡航ミサイルや対空ミサイル「S300」の艦搭載型を装備していても、役に立たなかったわけである。全く”油断”していたのだろう。

今回の「モスクワ」も港にたどり着く前に海没したようだから同様な状況だったと思われる。これで黒海艦隊は、司令部を喪失したうえ、怒り心頭に発しているであろう「親分」の怒りをどう捌くか?で海軍内ではひと悶着するに違いない。P氏のメンツどころではすむまい!。何せ「モスクワ」が沈んでしまったのだから…

フォークランド紛争でも、アルゼンチン側が、同諸島での現地統治および参政権をアルゼンチン島民に与え、イギリス軍の進軍停止・撤退などを要求しつつ、イギリスの軍事力がフォークランドにまで及ぶことはあるまい、と「浅読みした」結果だと言われるが、時のイギリス首相は「鉄の宰相・サッチャー」であったから裏目に出た。

今回のロシア(というよりプーチン氏)によるウクライナ侵攻に似ているが、今回は米国のバイデン大統領が「力と意思」を示さなかったため、プーチン氏が「浅読み」したのだと思われる。そしてその結末は甚大な損失としてロシア(プーチン氏)側に降りかかった。彼はどう結末をつけるつもりだろう?ますます血圧が上がり体に良くないのじゃないか?

こういう現象を日本では「裏目に出る」というのだが、ロシア語にあるのだろうか知らん??

産経抄氏はこう書いている。

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わが国に置き換えるのは無理だろう。そもそも政治家がすべて「憲法を盾に」‟弱腰”なのだから。すべては一人、産経抄氏の‟願望”に過ぎないと言えそうだ。

他方週刊誌は賑わっているらしい。花田氏の「ウォッチング」によれば、「人間の愚かさはそう簡単には変わらない」という。本当に愚かしいことだと思う。”宇宙人”はどう見ているだろうか?と気にかかる。

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閑話休題

経書房に、「世界滅亡国家史」という書籍が紹介されている。なかなか時宜を得た書物であり、面白そうだからここでもご紹介しておきたい。

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それにしてもわがメディアは、依然としてこの戦争を「ワイドショウ」化しつつあり、犠牲になっているウクライナ市民に関する報道さえも、お涙頂戴式になりつつるのが気にかかる。明日は「我が身」だと察して行動するべき時だろう

何はともあれ、「対岸の火事」ではなく「人のふり見て、わが身を正す」ことが急務なのに、、、