軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

多数決の原理とは何か?

今回の43・99%という投票率から大雑把に勘定すれば,当選した議員の一人は,ほぼ有権者の10人中平均2人の支持しか受けていないという事になる.
以前行われた千葉県知事選挙で当選した知事も、投票率から換算すると,千葉県内の有権者総数の2割程度の支持しか得ていない計算になる。
こんな支持率で議員や知事に就任した者が,都民や県民全員の生活を「支配する」ことになるのだから,考え様によっては実に恐ろしいことだと思う.この実態で、果たして民主主義の根幹を成す『多数決の原理』が適用されるのだろうか?と疑問を感じてしまう.
しかし,それでも『当選者』として通用するのだから不思議である.選挙が終われば,本人は得票率や得票数が極端に低く,その程度の支持しかえられていないということは忘れ去るものらしい.本人は自覚する暇もないだろうから,せめて有権者がしっかり憶えておく必要がある.
それにしても私にはどうもこのような『民主主議の実態』が腑に落ちない.有権者投票率が,50%を切った場合の「当選」は、本来の多数決の原理を逸脱しているのではないか?
その場合は,投票やり直し,それでもだめな場合は,選挙民が「不信任」だと認めていると解釈し,総退陣させるべきではないのか? ではその間誰が政務を担当するのか?
戦闘機乗りだった私に妙案は浮かばないが,それでもどうも有権者の2割の支持しか得られない議員や知事が当選者になるというのは,民主主義のルールから逸脱しているように思えてならない.
それが認められるのであれば,今後は『団体代表』や、『教祖様』が知事になりかねない.そしてある日突然、考えもしなかった法案が施行され、もっとも回避しなければならない事態に『国民自身』が落ち込む事になっても、『民主主義』のルールではそれは国民自身が「選んだ道」だという事になる。有権者は今一度真剣に熟慮すべきではないか?
空恐ろしい事態が始まっているように感じたのは私だけだったのだろうか?