軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

今日のニュースから

今朝の産経新聞には、多くの興味ある問題が掲載されているが午後から研究会に参加するため時間がない。とにかく思いつくままコメントを書きとどめておきたい。
1、「遺棄兵器30〜40万発」
 言うまでもなく旧日本軍が中国に遺棄したとされる化学兵器の総量のことだが、内閣委員会で高松対策室長が答弁したものである。中国の高官が「200万発・・・」と大見得を切ったとき、化学兵器の専門家である先輩が「正確に数えたわけではないから事実はもっと少ないが」と前置きして、「国連で中国代表が示した数字は70万発」と国連文書を示して反論、返答に窮した中国側は「数の事はともかく・・・」と言葉を濁したことを以前ブログに書いた。実際はその中には「諸外国製」の化学兵器の方が多量に含まれているらしいことも書いた。外務省OBの一人は「本来、旧日本軍から武装解除で引渡しを受けた中国、ソ連に管理責任がある。そういう議論をきちんとやらずに国民に大きな財政負担を強いようとしている」と批判しているが、正にその通りである。この時の村山首相はじめ、日中友好族達の責任は極めて重い。この際「きちんと調べずに口約束した責任」を取って貰いたいものである。

2、日本の国連分担金削減問題
 「中国は反対、米国は理解」とあるが、ちなみに①米国22・0%②日本19・63%③ドイツ9・8%④フランス6・5%⑤イギリス5・6%⑥イタリア5・1%⑦カナダ2・6%⑧スペイン2・5%⑨中国1・5%⑩ロシア1・2%である。宇宙船を打ち上げ、世界中から石油やエネルギー資源を買いあさっているアジアの「お金持ち大国」が、僅か1・54%しか負担していないのは「恥ずかしくない?」のだろうか。「小日本」に大きく水を開けられているではないか!その中のいわゆる「戦勝国」が米、仏、英、中、露なのだが、これもまた気にかかる。条約上から見れば戦勝国の「仲間」かもしれないが、軍事的に見れば、確実な戦勝国は「米国」だけである。フランスは開戦とほぼ同時にドイツの軍門に下り、英国もあわや征服されかかった。中国の時の代表は蒋介石の国民党軍で(最も国共合作中だったが)、軍事的勝利には程遠く、日本が米国に「屈服」し、天皇の命令で「矛を収めた」から戦勝国の一員に迎えられたのである。ロシア(ソ連)も米国の支援がなかったならば、モスクワは陥落していたであろう。そんな国家群が常任理事国の「横暴」をほしいままにし、分担金もケチるのだからどこに「大国の資格」があるのだろう。大国らしく振舞えばいいではないか。「敗戦国」のドイツ、日本、イタリアなどから多額の援助を受けているのは皮肉?としか言いようがない。最も日本もおかしい。United Nations(連合国)を「国際連合」と誤訳しているのだから。「国際連合」を英語に訳すと、「International Union」とはならないのだろうか?英語が苦手の私にはさっぱりわからない。確か「国際連盟」は、league of Nationsではなかったか?と思うのだが。しかも憲章の第53条第2項には日本は「敵国」だと明示してあるのに、である。小泉内閣の間に分担金削減問題を進展させて欲しいと思う。

3、米、頭越しの沖縄説得
 遂に米国は日本政府に「普天間基地」問題解決を迫り始めた。米国防省ヒル日本部長が稲嶺沖縄県知事と会談し、移設問題で「浅瀬案が現実的だ」と説明したという。この問題についてはしばしばここに書いたから多くは書かないが、「日本の対応の遅れに対する苛立ち」が気にかかる。米国の方が現地状況に「明るい」からである。つまり、現地沖縄には米軍と密接に協力し合っている各種団体があるから情報は「筒抜け」と見てよい。しかも米国の総領事はある意味で日本の沖縄大使(外務省事務所)よりも的確に物事を掌握している。このまま放置すれば、沖縄県知事と米国政府が「直に」問題解決に動きかねない。その昔、橋本総理は「首相特別補佐官」を」設けて現地交渉を任せたことがあったが、県庁職員は彼を通じて「直接首相と官房長官」にコンタクトできると「豪語」したため、国の現地出先機関が猛反発したことがあった。つまり、現地事務所の活動が「軽視」されたのである。板ばさみになった特別補佐官も気の毒であった。米軍司令官が「どちらを信用すればいいのか?」と私に聴いてきたこともある。拉致被害者家族も遂に永田町を素通りしてホワイトハウスの陳情に行ったことがあったが、あらゆる問題で国の指導力が大いに低下しており、「永田町」「霞ヶ関」の存在意義が問われ始めているのである。

4、「沖縄国有林交付金110万円払いすぎ?」
 30面に会計検査院の調査結果が出ていたが少し気になった。「沖縄県内にある国有林の面積などを記録した国有財産台帳が、戦前のままの状態で殆ど整備されず、実際の国有林は台帳より約600ヘクタール狭い可能性のあることがわかった」というものだが、米軍基地が返還されても数十年間も手がつけられない裏には、このような台帳の不備問題がある、と現地では言われてきた。普天間基地問題も同様である。知事は頭が痛いことだろう。会計検査院はよく公表したものだが、随分時間がかかったものだと思う。もっとも国内には、別の意味での「アンタッチャブル」な問題も山積していて、現場の係官は本当に気の毒だが、そろそろ「上の方が」勇気ある行動に出始めた兆候なのかもしれない。例えば、「朝鮮総連」に対する強制調査などがそれである。ホームページやブログの間では既に「なじみになっている問題」が多いのだが、なかなか「マスコミ」の表面には出てこない。あるジャーナリストに言わせれば、ロッキード事件でもオーム事件でも、はたまたリクルート事件でも、かなり際どい事をマスコミ自らがやっているので書けないのだそうである。もしも事実であれば何のことはない「報道の自由と正義」なんぞどこにも存在していないのである。朝日の「捏造記事」を上げるまでもなく、そんな「無意味?な記事」を読むために高い金を払って購入している読者のほうが「馬鹿だ」ということになる。最近は取材時間が多い「週刊誌」のほうがかなり内容が正確だ、と彼は言った。今朝、面白そうな週刊誌の広告が出ていたので、早速買う積りである・・・