軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

この国の闇を示す『小さな記事』

1月19日の産経新聞30面に、普段なら見落としそうな小さな記事が目に付いた。それは「アルゼ阿南氏社長を辞任・『小嶋氏と相談』指摘」という小見出しだったが、今世間を騒がしている「小嶋氏」なんぞどうでもよく、私は「阿南」という名が何となく気になったのでつい目を通したのだが読んで驚いた。記事にはこうある。
「国会証人喚問でヒューザーの小嶋社長が『相談相手』として名前を挙げた元参院議員で、パチスロ機械メーカー『アルゼ』の阿南一成社長が十八日、代表取締役社長を辞任した。
 同社によると、阿南社長が現職の参院議員時代に小嶋社長から会費を受け取り、相談に乗っていたと証人喚問で指摘された。このため、同日までに臨時取締役会を開き、阿南社長から辞任の申し出があり、了承された」。
「アルゼ」という会社が“パチスロ機械メーカー”である、といえば、それだけでその「背景」は十分推測できる。旧社会党党首たちも「とっぷり漬かっている」といわれたもので、それを示すように「拉致問題」は彼女達の“工作”で、今まで闇に葬られてきた。
そして今回、阿南氏は辞任することによって自ら“小嶋社長の政界工作”を認めたことになる。しかし次の一文には更に唸らされた。

「阿南社長は元警察官僚。参院議員を経て、平成十六年九月に社長に就任した」

実に短い記事ではあったが、この“ヒューザー事件”の背景には容易ならざるものがあるように思われるし、この国の「闇の世界の構造」の一端を見事に示しているように私は思う。もちろんこの手の「工作」を小説的感覚で捉えると、「ホリエモン事件」も日本経済の混乱を狙った工作?だといえなくもない。
ところが一方では、「悪を取り締まるべき立場の」姫路警察署が信じられない殺人事件捜査を行ったとして、テレビのワイドショーで糾弾されている。もしこれが事実だとしたら、国家の安全を保つ最後の砦である「警察」が完全に“腐敗”しているわけで、単なる「警察官としての自覚の欠如」だとか、「プロ意識の欠如」という問題ではないような気がする。
この様な状態では、国民は誰を信じればよいのか不安この上ない。その「不安」を煽る事が、騒乱の第一歩であることは歴史が示している。
現役警察官達の日本人としての「正義感」に期待するや切なるものがある。