軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

中共の何がそんなに気になるのか?

大紀元日本(12・17)に次のような興味ある記事が出た。

【中国上海市にある震旦職業学院は16日、授業中に「南京大虐殺」の死亡者数疑問を呈した女性教員を「重大な教育事故を起こした」として、解雇すると発表した。

中国SNS微博(ウェイボー)に投稿された動画では、教員の宋庚一氏は授業で、日中戦争のさなかに旧日本軍が南京で30万人を殺害したとの中国当局の主張について、「この歴史を支える史料はなく、世間の推測に過ぎない」と話した。

宋氏は、事件について「永遠に恨むのではなく」「なぜ戦争が起きたのかを反省しなければならない」と日中戦争に関して理性的に認識する必要があると学生らに呼びかけた。

この授業の様子は学生によってネット上に投稿された。これ以降、愛国主義者らは、宋氏に対して誹謗中傷を展開し、同氏の個人情報をネット上に晒した。警察当局に対して、同氏を「騒動挑発罪」の容疑で拘束するよう求めた。共産党機関紙・人民日報も中国のSNS微博上で、宋氏を痛烈に批判した。

中国当局は12月13日を「南京大虐殺国家公祭日」に指定しており、全国各地で関連イベントを実施し、思想統制を強めている。

また、浙江省海寧市警察当局は13日、市街地で着物を着て写真撮影していた女性を取り調べしたと公表した。女性に「厳しく叱り、教育を行った」という。】

 新疆(ウイグル自治区で、「ジェノサイド」を実施中の中共政府が、これを隠蔽・弾圧するのは当然のことで、だから国際的に北京五輪不参加運動が起きているのだが、‟アジアの大国”であるはずの日本政府の態度はいささか異様である。

今朝の産経新聞は、これに関する「読者の聲」を報じているが、国民(産経の読者)の意見はほぼ同じである。

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ところが何を思ったか、政府は対中非難決議を今国会は見送る見通しになったと報じている。

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茂木幹事長は「内容はいいが、タイミングの問題だ」と語ったそうだが、”タイミング?”とは何だろう。

産経抄には、約20年前、岡崎久彦元駐タイ大使が「日中国交正常化前後は、日本中が中国の言うことは絶対として、一言でも反対したら『右翼』と非難された。そんな風潮が今も日本社会に残っている」と語っているが、今も続いているらしい。それはいったい何なのか?

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一般国民はほとんど「政府の生ぬるい対応は逆効果だ」と感じているのに、政治家や、一部の“関係者”は何故生ぬるい対応をするのだろう?

何か“ご利益”でもあるのだろうか?

私が現役最後に沖縄で勤務していた時、当時の橋本首相は、シナ人のハニートラップに引っかかっていたことは有名だったが、今もそうなのか?

自民党幹事長たるもの、明確に国民に説明すべきだろう。問題は「タイミング」だけじゃあるまいに。

週刊誌ウォッチング欄に花田氏は木原官房副長官と、松下参院議員のふしだらな行為を取り上げた週刊新潮と文春を長々と紹介している。

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そういうことか。自民党議員のスキャンダルで今は「タイミングが悪い」のか?

こんな程度の発想で政治を動かしていると思うと、税金を納めたくなくなる。

いや、もっと他に“ヤバイ”事があるのじゃないか?それは2000年ころから大挙して中国大陸に移動した日本企業が、上海の女性教員のように中共政府に‟脅迫”され、人質にされているのじゃないか?

直球曲球欄に宮嶋氏はこう書いている。

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やはり日本企業は中共政府の人質要員にされているのだろう。

非難決議の「内容」はよくても、次の参院選挙の支援を受ける日本経済界から横やりが入っていて、「総合的に判断して」「タイミング」が悪いのじゃないのか?

何時から日本政府は、中共政府の“下請け企業”になり下がったのだろうか?

しっかりせい!日本の政治家!!と言いたくなる。