軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

藤岡教授の「正論大賞受賞」をお祝いする

昨夕、赤坂プリンスホテルで行われた「正論大賞贈呈式」に招かれ出席した。400人が集まり大変な熱気であったが、世の中は着実に変化している事を痛感した。
その中で、受賞者の藤岡教授が「朝日新聞しか読んでいなかったが、どうもしっくりこなかった。1991年の湾岸戦争開戦時、たまたま駅で産経新聞を購入し、その後米国に滞在する機会があって、外から日本を見て始めて『日本の教育』に疑問を感じたのが、教科書問題に取り組む切っ掛けだった」と言ったのには、内心驚いた。
もともと「左翼思想が根強い教育学会に身を置いていた」教授であったから、産経新聞の記事は「目から鱗」であったに違いない。私は昭和41年、一人前?のパイロットとして築城基地に着任以来、「趣味」として新聞各紙に目を通してきた。少なくとも「地方紙+中央紙」の二種は欠かさなかった。
勿論広報室長時代には全紙に目を通したのだが、独特のニュース感覚、独自の見解ではサンケイは群れを抜いていた。それに比べて朝日は、戦前・戦中・戦後を通じて、一貫して「反米・反日」であると見ていた。勿論、大東亜戦争開戦に関わる情報漏えい事件の主役であった朝日新聞記者「尾崎」とスパイ・ゾルゲの印象があったことも事実である。
藤岡教授の「転向」が平成に入ってからであったことを知って少々驚いたのだが、しかしながらその功績は実に甚大であったと思う。前回受賞した森本教授が乾杯時に「藤岡教授の教科書改善活動は産経新聞との組み合わせがあったからこそだ」として、今回「若手を対象にした新風賞は見送られたが、代わりに産経新聞が受けるべきだ」と言ったのは愛嬌だが、事実、平成7年から僅か10年余で教科書が如何に「不適切か」という問題を国民に提起した産経新聞の企画は大いに評価されるべきことだろう。
私は、私の子供たちが中学生時代、教科書よりも「教材」として使われている教師手作りで配布される「プリント」が、「天皇の戦争責任」と題して「朝日新聞記事」や「赤旗記事」を平然とコピーしたものである事を知り、危機感をいだき続けてきたが、幸か不幸か、親父が“戦闘機乗り”である息子達にとっては逆に「反面教師」となり、左翼思想を跳ね返したから良かったものの、一般家庭ではそうは行くまい。
次男坊などは、社会科教師から「佐藤の親父は自衛隊パイロットだ。佐藤、親父が乗っている戦闘機(当時乗っていたのはブログ写真にあるF-1だが)は1機いくらだ?」と質問され、どこで調べていたか、まじめに単価を答えたところ、「みんな聞いたか。あんなちんこい戦闘機1機あれば40人教室がいくつ出来ると思うか」と振られ、授業後、職員室にいって「あんな風に使う質問だったら答えなかった」と抗議したらしいが、軽くあしらわれたという。これ以来息子は教師が信用出来なくなったことだろう。こんな乱れた教育が今まで(今でも?)平然と続けられてきたのである。
息子は、親父がパイロットである事を知った友達から「親父の階級は?」と聞かれ、「1佐だ」と答えたところ、友達は理解できない。そこで、「昔で言うと“大佐”だ」と言ったとたん、「すげー、カダフィー大佐と一緒だ!」といわれたそうで、私としては喜ぶべきか“悲しむべきか”複雑な心境であったが、子供達はイデオロギーに無関係で純真である。

中山前文化相が祝辞で「教科書選択に当たる教育委員はもっと勇気を持ってほしい」というと万雷の拍手が沸いたが、日本の将来を担う純真な子供たちを「極左勢力の洗脳」から救うために、国民一人一人が「勇気ある活動」をすべきだと痛感した。
藤岡教授はじめ、「自由主義史観研究会」、「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」にはその先頭に立って改革を継続してほしいものである。



* ≪行事御案内≫

1、 2月24日(金) 1830〜  UIゼンセン会館2階大会議室 JR/地下鉄「市ヶ谷駅」すぐ
講演(というよりも作戦会議):「自衛隊による拉致被害者救出のシミュレーション」
参加費:一般¥2000
主催: 戦略情報研究所(03-5684-5096)

2、2月25日(土) 1330〜  九段会館  地下鉄「九段下駅」徒歩2分
  桜林美佐(日本文化チャンネル「桜」キャスター)=「 ひとり語りの会 」
  「日本流行歌(はやりうた)の黎明」
幕末、オランダからやってきた洋楽のテンポに、戸惑う海軍伝習所の武士達の姿から日清、日露そして大東亜戦争までを、国民の愛唱歌と講談で綴る
・・・ピアノ演奏:飯塚彰子
  「信太山靴店
   陰陽師安倍晴明の母、「蔦の葉伝説」の地、大阪・信太山には陸軍野砲兵第4連隊が駐屯していた。大陸で戦う兵士達の前に、信太の狐が現れて・・・。

  ゲスト:元空将 佐藤 守:特別講話「中国空軍誕生秘話」

  御一人様3000円(珈琲または紅茶、お菓子付)
  参加ご希望の方は 090−2735-5528 
またはE−mail:roudokukai_kudan.2665@docomo.ne.jp まで

3、2月26日(日) 1800〜   アルカディア市ヶ谷(私学会館)3階・富士の間
  JR/地下鉄:市ヶ谷駅より徒歩3分

  台湾2・28革命59周年記念大講演会「徹底討論!台湾防衛―軍事的観点から」

  問題提起:台湾の現状分析―対日米中関係・・・・・・永山英樹台湾研究フォーラム会長)
  講演 「航空作戦の様相」・・・・・・佐藤 守(元空将)
     「海上作戦の様相」・・・・・・川村純彦(元海将補)
     「陸上作戦の様相」・・・・・・松村 劭(元陸将補)
  司会  金美齢台湾総督府顧問)。柚原正敬日本李登輝友の会事務局長)・・〔予定〕
  会費:¥1000