軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

安保理決議、中国はどう出るか?

岡崎研究所と、上海国際問題研究所の会議を終えて帰宅した。
今回の会議は、例年11月以降に行っているにもかかわらず、急遽上海側からの要望で、半年前倒しにしたのであるが、たまたま北朝鮮のミサイル事案が発生したので、ある意味でわが方にとっては絶好の機会でもあった。
会議は、日中間の諸問題について討論したのだが、食事中や休憩中、時たま質問時間中に交わされた会話から、中国側の今回の事案についての「苦悩」が垣間見えた。
建前は、北朝鮮を支持しなければならないが、国際情勢はそれを許すまい。中国までも「テロ支援国家」かと疑われる。
かといって、北朝鮮の「期待」を裏切れば、次回はノドンが渤海湾に落ちないとも限らない。「とんでもない国と同盟関係を結んだものですな」と嫌味を言うと、苦笑しつつも彼らの本音が見えたと思った。しかし、北朝鮮の「生殺与奪権」を中国が握っていることも間違いない。
今回は、事前に北朝鮮に相当釘をさした?らしいが、そうだとすると完全に兄貴分たる中国は「無視」されたわけで、中国の面子は丸つぶれと言うことになる。
ミサイル実験は国の主権・・・などと「声援」してみても、どうも分が悪そう。
ピョンヤンを訪問中の武外務次官の調停にかかっている、と言ったが、説得できるものかどうか・・・。
ある参加者が、「中国が『反対票』を投ずることを、米国は望んでいるのであって、この事案を旨く使って中国を国際的孤立に追い込む算段では?」と言うと、わが方の参加者は皆うなずいたが中国側の表情は硬かった。
ロシアは棄権するのだろうが、国際的には中国ほどのデメリットはなかろう。
北朝鮮と言う国が中国にとって「完全なオ荷物」になっていることを十分推察できた。
6者協議の行方も、あまり期待できないように思うのだが・・・
今回の日中安保対話については、次回、簡単に私個人の印象を書いてみたい。