軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

スパイたちの末路

連日まじめなコメントが寄せられ、目を通すのに時間がかかる!貴重な情報に感謝したい。ところで、加藤議員の不幸を取り上げたら、≪七氏≫様が、是非「一言助言」を、と意見を寄せられた。「同級生」と書いたので誤解されたのだろうが、同じ昭和14年生まれというだけで、私は福岡、彼は山形出身である。彼が「防衛庁長官」時代、私は航空自衛隊の広報室長をしていて、時々同席したものであった。そのとき彼が「同じ昭和14年生まれの“同級生”なのに、室長と私はどうしてこんなに髪の毛の量が違うのだろう?」と言ったから、私は「生えていれば良いという問題ではない」と言い返したことがあって、それで「同級生」という語を使ったまでである。折角だが、とても「助言する」立場に無いことをご理解いただきたい!

さて、北海道で起きた漁船銃撃事件に対する外務省のリアクションは実にすばやく、今までとは異なるので心強い限りだが、ぜひ粘り強く戦ってほしいと思う。亡くなった船員にはお気の毒としか言いようが無いが、残された船長以下3人は、訴追されて帰国が遅れそうだという。絶対に「取引せず」正々堂々と戦ってもらいたいものである。ロシアは日本人は脅かせば必ず「折れる」と見ていて、理不尽なことでも平気で振りかざすから、その言い分をすべて国民に公表することである。
人道に違反して、60万を越えるわが同胞をシベリヤに抑留し強制労働で“虐殺”したとき、日本人の中に帰国したいばかりに「彼らに協力した者が出たこと」で、彼らは日本人を見くびっているのである。外務省は国民の声を背に、一致団結して奪還してほしい。国民も、北朝鮮は勿論、中国も韓国も今後を占う課題として注意深くその成り行きを見守っている。
ところで、先日私は、中国に“ゴマをする”日本のマスコミに「寵児」のように持て囃されても、所詮は「使い捨てホッカイロ、ピエロに過ぎない」と書いた。
今回の船長は、かって「レポ」としてソ連に貢献していたといわれているが、それでも今回なんら「恩恵」にあずかれないのは、所詮スパイは、双方から「消される運命にある」からである。彼を「スパイ」といっては気の毒だが、協力しても簡単に切り捨てられるのが「協力者」の運命だ、といいたいのである。
上海で、電信官が「ハニートラップ」に引っかかって、情報提供を強要されたとき、国を売ることはできない、として自殺したことがあった。その意味で彼は立派であったが、コメントにもあったように、加藤は加藤でも、朝日新聞の「加藤千洋解説委員」などは、北京支局長時代から、多くの中国要人と親しいと公言していて、中でも「工作員の親玉」と親友関係だといったから、番組の中で安倍氏から、厳重注意?されたことがあった。多分、本人は≪工作員≫だとは気がつかずに接触していたのかもしれないが、この手に引っかかった自衛官防衛庁職員が検挙されたことを記事にしていたはずではないか?彼も工作に引っかかっていたのである。
いや、彼の場合は、おそらく確信犯だったと思われる。今回の靖国問題をこれほどの「外交問題」に仕立てたのは彼だった、ということが、インターネットやチャンネル桜の解説員が公表しているからである。
当時、中曽根首相が参拝したあと、彼はこれを記事にして問題化したが、逆に中国は問題にしなかった。ところが当時の社会党の田辺氏が、再度ご注進して始めて中国が問題化したことは、明白な事実である。田辺氏とは、金丸氏と親戚関係にあり、北朝鮮に二人で出かけて「金さん」の前で涙に咽んだ、あの方である。
始めて北京を訪問した8年前に、私はわれわれを“案内=監視”してくれていた幹部に、朝日新聞との関係を(冗談交じりに)詰問したところ、その中堅幹部が「お宅の朝日(チョウニチ)新聞が騒ぐから」と笑いながらいったことがある。不覚にも「チョーニチ」の意味が分からず、聞き返して始めて「朝日」だと分かったのだが、彼のいい振りから察するに、こちら側のほうが≪熱心に≫問題化するよう働きかけている、と感じたものである。つまり≪外圧利用≫なのである。それを利用して彼らの工作は日本国内のマスコミに浸透していて、その上社会党という「反日政党」とも当然緊密に連携していた(る)のである。
その観点から物事を見れば、すべては「見えてくる」のだが、意図的に見たくない方々もいるから、国民は惑わされる。
映画は、このあたりの「スパイの末路」を面白おかしく取り上げているから、一度朝日の加藤氏もご覧になるが良い。どこの国の「映画」でも、その末路は哀れなのだが、スパイ防止法が無いわが国だけは、生涯「有名人」として生き延びられるのが、他国と違うところだろう。しかし、「軽蔑される存在」であることは共通だということを忘れないでほしいものである。

さて、今年の地上波テレビのお盆番組は、実にくだらなかったが、CNNやBBCなど、国外テレビは事件が多かったせいもあって充実していた。国内では「チャンネル桜」は、特攻隊始め、多くの現場検証番組を長時間放映していたが、極めて有意義な番組が多かった。身びいきをも省みず書くとするが、これからは、今までのような≪大衆迎合、無知無教養番組≫を編集していたのでは、視聴者の確かな目をごまかすことは容易ではなくなるだろう。
いたずらにテープを「編集」せず、言いたい放題の意見交換(討論)番組を組める局が生き残ることだろうと思う。

そこでPR,夕方から夜にかけて「闘論!倒論!討論!2006≪安倍内閣と日本の防衛≫」という番組の収録に出かける。
パネリストは元自衛官で、金田元海将、川村元海将補、富沢元陸将、松井元空将補、松島元陸将、三宅元海保大学校長、山本元海将、それに私である。
自衛隊の元将官たちと海保幹部がこれほど集まって忌憚の無い意見交換ができる番組は、地上波では絶対に不可能だろう。放映は今月19日(土)夜9時から12時までを予定されている。