軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

「報道の自由」と「報道の腐敗」

 なにかあるとすぐ「報道の自由を侵す」などと叫ぶ割には、自分のことを棚に上げるという悪い癖があるのが今の「一部の」マスコミだ。
 今朝の産経新聞トップに「朝日記者15万円受領」とあった。「和歌山談合逮捕・ゴルフ場元経営者・せんべつ・出産祝い」とサブタイトルにあるが、要するに「朝日新聞大阪本社は16日、大阪本社社会部の男性記者(41)が、和歌山県発注の公共事業をめぐる談合事件に絡み競売入札妨害容疑などで大阪地検特捜部に逮捕されたゴルフ場経営会社元社長、井山義一容疑者(56)から「せんべつ」や「出産祝い」として2回にわたり現金計15万円を受け取っていたと発表した」というものだ。
 記者の氏名が隠されているのは、まだ「罪人ではない?」という見方?からか、朝日としても調査中で懲戒処分をしていないという理由からだろうが、これは身内に甘いといわざるを得ない。いや、うがった見方をすれば、同じようなことをしている社員がほかにまだ居るから影響が大きいからに違いない。
 15万円の「せんべつ」や「出産祝い」が、安いか高いかは知らないが、他人の罪状を大きく書きたてて騒ぐ張本人が、自分の身内になるとからっきし臆病で不公平になるのが許せない。朝日がこの事件を自紙でどう報じているか知らないが、岐阜、福島、和歌山、そして宮崎と、「県知事」ならぬ「(事)件稚事」が多発して、大方の県民、国民はあきれてものも言えない状況だが、それを大々的に執拗に報じているのだから、たとえ15万円の「せんべつ」であっても、社会正義を貫く?新聞社員としては許されないこととして同等以上に取り扱うべきである。
 おまけに今頃流行の「校長先生」や「教育委員たち」を、雁首揃えて「謝罪」させる、強権発動中なのだから、彼もカメラの前で謝罪させたが良い。
 聞くところによれば、この新聞社には不祥事件が多発していて、外部に漏れていない分だけでも150件に上るという。その大半は「セクハラ」だというから何をかいわんやであるが、今回のような金にまつわる事件も多く、中には「黙認してやる代わり」、つまり記事にしない「代償」を請求する例もあるという。
 こうなると、大新聞とは名ばかりで「大醜聞」というべきだろうが、冗談はさておき、事件続きで信用を失い、広告収入が激減しているというから、実態は火の車なのかもしれない。
 さらに追い討ちを掛けたのが、尊敬してやまない国・中国の「靖国問題」無視の方向転換だったに違いない。以前から中国はそんな「日本の内政事情」にかかわっているほど暇ではなくなっていた。虚より実を取りたがっていたのだが、それを無理して引っ張り込んで“ヤラセまがい”の記事に仕立てていたのが、とうとうご本家にそっぽを向かれてしまった。それを読んだ安倍新首相は直ちにそれに答えて会談を実行してしまったのだから、朝日にとってはショックで、方向転換をしなければならなくなった。今後が大いに楽しみなのだが、その前に、こんな「些細な賄賂」で自滅する恐れさえ出てきた。建て直しに取り組んでいる秋山社長は困りきっていることだろう。
 佐賀県知事の記者会見で、天皇に対して不敬な発言をした毎日新聞記者は韓国名の記者であった。日経は富田メモで新聞協会賞をもらったのだが、あれだって「教育基本法改正」に関して行われた『タウンミーティング』の“ヤラセ”より始末が悪い。
いまやインターネット時代であり、特に若者の新聞離れは急激である。
 報道の自由を掲げるのならば、これらの新聞社はせめて質の高い報道を心がけてもらいたいものである。しかし、いくら「質の高い記事」を書いても、地方の販売店の過当競争や、質の悪い脅迫まがいの勧誘などなど、読者の中には嫌気がさしている者が多いこともお忘れなく。

 ところで今日は、永田町で勉強会に出席してきた。日本政策研究センター主催の「日米関係についての」限定された会合だったが、講師はステファン・イェーツ・AFPC上級研究員で、彼はチェイニー米副大統領の元国家安全保障担当補佐官であり、日米関係、アジア情勢について、実にフランクに率直に語ってくれた。
 会議前に私に「三沢基地の日米両空軍の緊密な姿に感動した」といってくれたのが嬉しかった。
 会議では、「米国の核の傘の信憑性」に関する質問に答えた彼は「日本自身で決断すべきで、日本人は完全な主権国家としてその行使を望むのか否か」。日本が核武装を「しない」のであれば「米国に頼るしかない」。「する」のであれば「民主的で透明性が確保できるのか?そうであれば米国人はその決定を尊重せざるを得ない」「日本人自身がディベートしてどういう結論に至るのか?」という、個人的な感想には考えさせられた。
 要するに日本人自身の国防に関する考えが、私に言わせれば「甘ったれている!」ということであろう。

 【ところで、熱心な読者の方々に、聊か水をさすようだが、私のブログのコメント欄は投稿者の行数に限りがある。以前、熱心な方々からのコメントが80件を超えたことがあったが、それ以上は登録されなかったから、表示されなかった方々に対しては大変申し訳なく思ったのだが、最近また個人的に長すぎるものが目立ってきた。コメント欄で指摘されていたが、≪youchan8411≫氏のコメントは引用が長すぎる。教えてくださるかなりの情報は、私が既に知っているものが多く、ご好意は分かるが以後は参考となる情報の≪アドレス≫を掲載するにとどめていただきたい。
 私は向学のために、少しでも多くの方々から、各種のご意見を拝聴したいと思っているのでよろしくお願いしたい。】