軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

資料から:壮大な”茶番劇”

少し長生きしていると、人生にはあっても無くてもいいような事象が起き、社会の進歩が停滞するのを見ることがある。

この当時の記事を書いた記者さん方や、これを見て”快哉”を叫んだ方々が、いまどうしているのか知りたくなる(笑)

これは昭和61(1986)年に大きな話題になった”事件”=逗子市の米軍弾薬庫跡地に米軍住宅建設=に関して、逗子市議会リコールの投票結果を、流行の”L"サインを掲げて喜ぶ”おばさま方”を取り上げた同年3月3日、お雛祭りの日の読売新聞記事である。

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これも同じ日の朝日新聞である。朝日は「主婦パワー」と見出しに付けた。

まさに”お花畑記事”だが、その後その”パワー”は変な方向に飛び火する。

平成5(1993)年8月、この国の総選挙で『あり得へん』事象が起きたのだ。

社会党元委員長の土井たか子氏が何と非自民の衆院議長候補に選ばれ衆院議長に選出されたのである。

これはその当時の8月4日付朝日新聞だ。「重い腰」だとか「つらい胸中」などと朝日は”同情”しているが、内心よほどうれしかったに違いない。その証拠に「女性識者」はこぞって支持している。

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これは同日付の毎日新聞だが、毎日もやるっきゃない「おたかさん」と持ち上げた。同時に識者の意見も併載したが、「断固固辞すべきだった」と言う土井氏の”恩師”の意見もあるが、総じて「護憲を貫け」とエールを送っている。

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中でも面白いのは、劇作家山崎正和氏のコメントで、日本政治の混沌を嘆きつつも、「分裂国家の悲劇に終止符が打たれた」と言いつつ、それを≪茶番劇だ≫と言い切っているところが如何にも劇作家らしい。

つまりこのような事態が生じたのは「茶番劇」だったからだと認めているからだ。

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確かにわが国の政治は、節目節目で≪茶番劇≫が生まれてきた。

村山総理誕生も、期待された安倍総理の”急病”による交代劇も、民主党の”ルーピイ政権”が誕生して3年間も無駄な時間を費やしたことなど、肝心な場面で国の進歩を阻害する勢力が台頭する事態を招いてきた。だから、国の発展は望めないのだ…と昔の切り抜き集を見ながら、残り少ない余生に「希望を失う」毎日だ。

その理由が、天の采配によるものなのか、国民の民度の低下によるものか、過度に”主婦パワー”に期待したからか、それとも外国の”陰謀”なのか、いずれにしても我が国の進歩が止まってきたことは確かだと言えよう。

いずれにせよわが国の政治は「風の吹くまま」に流される特徴があるらしい。

果たして今年の”運勢は?”と気にかかるが、後事は新世代の”新国民”に期待する外なさそうだ。