軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

閣内不一致?

 今朝の産経抄は、久間防衛相のこのところ続く不可解な発言を取り上げて、安倍内閣不一致か?と書いた。日本記者クラブでのブッシュ大統領イラク進攻は『間違っていた』発言を取り上げたもので、「一政治家としての発言としてはとがめる筋合いのものではない」としつつも、「だが、防衛相は一政治家ではない。米国のイラク戦争を支持している安倍内閣の一員であるばかりではなく、日本の安全保障に責任を持つポストだ。その重責を担う人物が同盟国のトップをけなした影響は決して小さくはない」とし、「部下の失態は上司の責任でもある。安倍晋三首相は就任直後、中国、韓国を訪問して関係を改善し、正月は欧州を歴訪して一定の成果を得たが、肝心の日米関係はどうか…。首相周辺は5月の連休に訪米しようと検討しているようだが、そんな悠長なことをやっている場合ではない。拉致問題解決のためにも次回6カ国協議までに、日米の首脳が直接会って一致団結している姿を見せるのが肝要だ。バスが発車してからでは遅い」と諌めた。
 確かに新防衛相はこのところ“気合に欠けている”様に見える。二度目の防衛担当だし、普天間問題も抱えているし、MD問題にしても、聊か不用意な発言が相次いだ。今回の発言も言ってみれば「後知恵」に過ぎない。開戦当初、大量破壊兵器の存在が問題になっている時に言うべきであった。
「米国の核の傘は必要なく、日本も独自に核兵器を持ちます、というなら話は別だが、そんな度胸がないなら同盟を傷つける発言は百害あって一利なしだ」と産経抄は書いているが同感である。核武装論議に関しても防衛相は不快感を示しはしたが対案は語らなかった。これでは我が国の防衛の基本的構想がさっぱり読めない。
 安倍政権の閣僚人事で何と無く感じられることは、若い総理を推し立てようとする雰囲気ではなく「何とか足を引っ張ってやろう」と言う、次元の低い年寄りの「妬み」のようなものを感じるのだが如何がなものか?
 確か久間氏は昭和15年生まれで私より一つ年下の筈である。しかも剣道の達人だと聞いている。防衛は国の根幹、だから経験豊富な久間氏が初代大臣に指名されたのだろう、と私は思ってきた。一つ、道場で若い安倍総理の「打ち込み」を受けてやっているような気持ちで支えてやってほしいものである。

 ところで米国では「道路に犬が寝ていたらブレーキを踏むが、弁護士が寝ていたらアクセルを踏む」と言うくらい、弁護士は嫌われているという。
 我が国では、コメントにもあったように必ずしもそうとは限らないが、お隣の韓国大統領はどうもアメリカ人が言った弁護士評に該当するようだ。
 今朝の産経新聞6面に「日本海の名称は植民地時代の産物」だと「新たな歴史曲解」発言をしたと出ている。曲解ではなく「単なる無知」に過ぎないのだと私は思う。日本海を「東海」にすべきといったかと思うと、今度は「平和の海」がいいなどと朝令暮改、これじゃ韓国民からも見捨てられかねない。「歴史問題や靖国神社参拝問題は日本に誠意があればいくらでも解決の道はある」「何故日本だけが特別待遇を受けようとするのか、なぜ過去問題を特別に黙殺するのか」と我が国を非難したそうだが、これじゃ不勉強で意識過剰な素人弁護士の域を出ていない。
 台湾出身で私の友人である黄文雄氏が「韓国は日本人がつくった」(徳間書店¥1600+税)「朝鮮半島を救った日韓併合」(徳間文庫¥552+税)と言う本を出している。ノムヒョン大統領には耳が痛いかもしれないがご一読を勧めたい。朝鮮総督府が何をやったか、過去の事実をしっかり把握してから発言してほしい。
 黄文雄氏は著書の中で「朝鮮半島の繁栄は日本がもたらした近代化に負うところが多い」として朝鮮総督府朝鮮半島でなした7つの貢献として次のものを掲げている。
1、半島に幽閉された千年属国の解放
2、国土改造から生態系に至るまでの更正
3、優生学的環境改善からの民力向上
4、牢固たる伝統的階級制度からの奴婢の解放
5、絶滅しつつある朝鮮伝統文化の保護と再生
6、半島の民力を超えた近代的社会基礎の構築
7、韓国・朝鮮民族の育成
「歴史問題などは日本の誠意があればいくらでも解決の道はある」そうだが、自国の歴史問題をよく認識していない相手にいくら誠意を尽くして話しかけても決して理解はされまい。多忙で時間がないかもしれないが、「朝鮮半島を救った日韓併合」の方は読みやすい文庫本であるが、その日韓双方の「参考文献」は239冊に及んでいて、学術書といっても決して過言ではない。是非ともご一読されることをお勧めしたい。勿論、日本人も是非とも読むべきである。