軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

しっかりせよ国会議員!

 6カ国協議が再開したが、米国代表は「これ以上の時間稼ぎはさせない」といった。北は「核凍結、査察受け入れの用意がある」といった。議長国の中国は、何とか面子を保とうと「合意草案」を提出したらしいが、6カ国それぞれの思惑はまとまってはいない。特に中国、ロシア、韓国は、北に同調するだけで、会議にはお付き合い程度である。問題は米国と日本の連携態勢にあるが、米国は中東で手一杯、アジアでの第2戦線を阻止するため北との“ある程度の妥協”を余儀なくされている。北はその弱点をつこうと躍起である。問題は我が国で100人を超えるといわれる拉致被害者の救出無しには合意できない。それを米国にどう了解させるのかが最大の難関だろう。
 しかし、安倍首相の決意は揺るがない。仮に北が核を凍結しても、それは東アジアの安全にとって当然のことであって、我が国にとっては30年間以上も「放置」され続けてきた拉致問題の解決こそ最大の課題である。日本人の中に、核問題が拉致問題に優先するという者がいるが、国家国民保護の観点から言えば、既に敵国内に拉致された国民救出こそは急務である。仮に北朝鮮が核で威嚇するというのであれば、やむをえない。我が国も核で対決する道を選ばざるを得なくなろう。それは中国にとって(韓国もだろうが)厄介な問題になる。北方領土を占領中のロシアにとっても困るだろう。米国は限定的な日本の核武装には痛痒は感じない。むしろ、アジアで最も安定した民主国家である日本が、英国のように米国との連携を保ちつつ核を保有するというのであれば歓迎できる。その決意が日本人にあるかどうかが焦点だろう。

 ところで柳沢厚労相の「生む機械発言」をめぐる国会の有様は“極楽トンボ”そのままである。駄々をこねてみたものの、おもちゃを買ってもらえなかった野党は、さりげなく国会討議に“復帰”したが、けじめをつけるべく「元アナウンサー」に目立つ黄色い服を着せて最後の攻めを試みた。アナウンサーだから言語の専門家だそうだが、最近のアナウンサーほど言葉が乱れている連中はいない、と私は思っている。
 彼女の質問も「攻めが甘く」質問になっていない。その風景を見ていたら、どうも彼女は民主党幹部に「元アナウンサー」という肩書きの他に「女性である」ことを利用されているに過ぎない様に思えてきた。つまり、いかつい男が質問するよりも、女性問題だから女性で、という、民主党らしい姑息な戦術に思えたのだが、そうだとすると彼女は単に「しゃべる機械」とみなされているに過ぎない!どっちもどっち、いい加減にこんな猿芝居は止めて、言論の場らしく侃々諤諤の討論をしてほしいものである。それも我が国の安全保障確立についての!
 テレ朝が報じる茨城の鉾田市会議員の乱交?もあきれてものが言えないが、議員は「公人」なのだから、立候補に際しては資産のみならず義務教育期間の成績も公開したらどうだろう?例えば市町村議員は、小・中学校時代の成績(通信簿の評価を含む)を選挙管理委員会に提出し、選管は選挙公報に掲載する。県会議員は高校までの成績を、国会議員は大学までのすべての成績を公開することを義務付ける。そうすれば「学歴詐称問題」も起きるまい。
 何も学校の成績がその者の人格を決定するものではないが、有権者の判断の基礎にはなるだろう。とにかく、あきれてものも言えない人格欠落議員が目立ちすぎる!
 さて、先のブログで問題にした阿部知子社民党議員は、七日午後、板橋区東武東上線ときわ台駅で、自殺志願の女性を助けようとして電車にはねられ重傷を負った宮本邦彦巡査部長の警官としての使命感と勇気ある行動をどう評価する気だろう?「警官は国民を守ってくれない」そうだが、阿部知子議員のコメントを是非聞きたいものである。とにかく上は国会から下は市町村まで、一部?の議員達の知的レベルは低すぎる。
 私は、2008年危機説を唱えて久しいが、それは来年のことではない。既に熾烈な前哨戦は始まっているのである。11月の台湾の国会議員選挙、12月の韓国大統領選挙、特に北と対立している韓国では混乱が予想されるが、その混乱に乗じて北が「最後の賭け」に出てくることも否定できない。来年2月の台湾総統選挙も熾烈になる。そのころ中近東では何が起きるか?まさか「同時多発テロ」の再現があるとは思えないが、日本国内でも化学剤、生物剤によるテロが発生しないとも限らない。とにかく何が起きても不思議でない状態であることは確実である。そんな中、戦後態勢の打破を目指す安倍総理の存在は、反対勢力にとっては目障りこの上なかろう。とにかく安倍総理を引きずり下ろし、憲法改正を阻止し、今までどうり、自分達のやりやすい体制を維持しようと“その関連勢力”の最後のあがきが顕著である。6者協議も多分これが最終ラウンドであろう。取り残された我が国は、何を最優先事項にして突き進まなければならないのか。そんな時に「生む機械発言問題」などと心中されたのではたまらない。しっかりせよ国会議員!
先の大戦で、ミッドウェー海戦で空母飛龍とともに戦死された山口多聞海軍中将の伝記(「父・山口多聞≪山口宗敏著≫」光人社NF文庫¥762+税)を是非読んでもらいたい。家族への愛と国家への忠誠心とはいかなるものか。公人たる議員達に、その爪の垢でも飲んでもらいたいと思う。ついでに友人の著書(「知っておきたい現代軍事用語≪高井三郎著≫」アリアドネ企画¥2100+税)も紹介しておくので軍事知識もつけてほしい。