軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

幸福の道・その2

 一切の事物の是非、よしあしを早く正確に判断出来る様になることは、如何なる階層職業の人にも極めて重要なことです。悪人を善人と思い込んで付き合って、欺かれて倒産したり、殺されたりする事件をよく見かけます。幸福な一生を送りたい人には事物のよしあしを早く判断できる能力は重要なのはいうまでもありません。
 如何にして早く正確に事物のよしあしを判断出来る様になれるのかは究明するに値する課題です。
第一:客観的に事物を観察すること。自己の感情のよしあしと純主観的な目で事物を見れば必ず実在する事物を正確に認識できません。観察錯誤で得た資料でいくら分析、帰納、判断しても大なる間違いを起こし大事を誤らせる結果となります。故に私達は虚心坦懐な眼で事物を観察しなければなりません。
第二:事物の観察は必ず客観的でなければならない上、更に事物の全体、全部、全面及び事物間の連帯関係まで見極めなければなりません。
 盲人が動物園で象の尻尾を触って、これが象だと判断したという例え話があるが、触ったのは客観的な物に間違いはないが、客観的な物の一小部分に過ぎません。この様に客観的に観察しても、一局部だけを見てそれが全部だと考えるのは明らかに妥当ではありません。故に事物の観察は客観的にその全体、全部、全面を各事物間の連帯関係まで見極めなければならないのです。
第三:あらゆる事物は時間と空間の変遷に従って変わるものです。去年東京で会ったAという人は非常に品行のよい人でしたから、今年ニューヨークに移住しているAさんは間違いなく相変わらずいい人だと、再観察と確認もしないで断定すると錯誤判断になることがあります。事物を観察する差異、同一事物の時間空間の変化に伴う変動を注意して見極めなくてはなりません。さもなければ誤った判断をして、けじめがつけられない結果を招きます。
第四:実在する事物には単純なのと複雑なのがあって、その表す現象には真相と仮象があります。一般の人は往々にしてある一部の現象だけ見て、科学的な分析、帰納と判断も出来ずに仮象を真相と誤認して、災いを招き、甚だしきに至っては我が身を滅ぼすことさえあります。多方面、多角度より全面的な客観観察をした後、科学的な分析思考を経て事物の真相、本質と内容を把握して始めて正確に事物の認識と判断が出来ます。隠してこれらの事物を自由自在に運用することによって、本当に人間社会に貢献出来て、自分自身もより幸福な人生が送れるようになります。

“幸福の道”は棚からぼたもち式に天から降って来るものでもなければ、先生から授けられるものでもなく、各自が真剣に自分の人生に取り組んで、自己の生活の中で全力を挙げて、悪戦苦闘の実践中から始めて得られるものです。
 各個人の占めている時間と空間の違い、生活条件、能力、智力、体力、覚悟程度の差異によりそれぞれの求める幸福の道は全く同じではあり得ないが、幸福になり得る原則は共通です。つまり真の幸福を求める方式は違っても、その共同原則と共同条件は同じで、この原則と条件に適わなければ真の幸福は得られないと断定出来ます。
今まで述べた科学的見方考え方、健康などは当然この共同原則と条件の範疇に入りますが、その他下記事項も重要な項目です。
(1)よき群性のあること:
人類は古より群をなして生活し、動物の内で最高の社会生活を営んでいることは周知のとおりです。この群生生活の中で他人との折り合いがうまくいかず、トラブルの日々を送っているのでは絶対に幸福であり得ません。人の幸福はその群生のよしあしにも大きく影響されます。いつも人々に好意で迎えられ尊重されて始めて快楽と幸福があります。故に群生を疎忽することなく、常に自己のEQを高めて、人々を尊重して、親切に出来る限り世話をすることによって社会大衆の福利を図ることを務めるべきだと思います。エゴイストで、高ぶった態度で大衆に当たれば大衆に唾棄されて、苦痛な一生を送ることは必然的なことです。
(2)自己に適った正確な人生目標を立てて奮励努力の意義ある生活をすること:
  何の目的、目標もなく、只茫然とうやむやの生活をしている人は、必ずや空虚感にかられて生きて行く自信を失い、引いては厭世感がつのって苦痛の日々を送ることになります。故に幸福を求めるのであれば、科学的な見方考え方によって正確に全面的観察、分析を経て自分の生活環境条件を認識した上で、自分に一番適った人生目標を取り決めて、全力を挙げて奮励努力を続ければ、人類社会に貢献するとともに自己の幸福も得られます。
(3)成功に導ける条件:
 如何なる職業に就いても、成功することが幸福に繋がります。各職業共に色々な差異があることに間違いないのですが、いくら違いがあっても下記の三つの原則条件に合わなければ、一時うまく行く様なことがあっても終いには絶対失敗します。つまり成功するためにはこの三つの原則条件に副わなければなりません。
 第一:実行することが社会大衆共認の公理に合わなければなりません。さもなければ公衆の反対で失敗するのみならず、甚だしきに至っては消滅されます。
 第二:実行することが社会大衆の共同利益にかなわなければなりません。さもなければ公衆の徹底反対で必ず失敗に終わります。
 第三:実行することがその社会環境と自然環境で通るものでなければなりません。さもなければこれまた必ず失敗で終わります。(本項目は執行方畧問題で執行方法を替えることでうまくこなせることが多いです)
如何なる環境下で如何なることをするとしても必ず上記三原則条件に副えるかどうか検討の上初めて実行に移すことが肝心です。さもなければ成功しないと断言できます。もっと詳細具体的に述べることが多々ありますが、以上を初段階と致しまして、又の機会に第二ステップを披露させて頂きたいと思います。幸福を求める方々の何かのご参考にもなれば幸甚です。   (終わり)