軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

意外に早くマスコミの大掃除が始まった!

 今年はメディア関係の「淘汰の年」だと以前書いたが、予想以上に早く大掃除が始まったようだ。今朝の産経一面トップの「毎日新聞のスキャンダル」は今に始まったことではあるまい。先日書いたが、西山太吉記者が外務省の女性事務官と“情を通じ”て、沖縄復帰に関する秘密電報をすっぱ抜いたし、TBSも、オーム事件で今回と同様な情報漏えいをして、オームの連中が坂本一家殺人事件を引き起こす原因になった。全国紙から地方紙に至るまで、とんでもないでたらめ記事が氾濫していることが判明し、読者も驚いたに違いない。
 その昔、防衛「庁」にも記者クラブがあり、本庁内に記者達がたむろしていたが、勝手気ままに各幕僚監部内を歩き回るので閉口したことがある。勿論「紳士」もたくさんいたが、跳ね上がり者も多かった。そんな彼らに弱み?を握られた幹部の中には、昇進がかかっている?ので、それとなく情報を漏らしているものもいたようで、取り締まるべきセクションは目を光らせていたのだが、「そこ」に注意された一記者が広報室に怒鳴り込んできたことがあった。我々をスパイ扱いしたら、記者会で問題にするぞ!という脅かしである。
 つまり、新聞記者に「反抗」したら昇進させないぞ”という威嚇である。高級役人と「親しく」付き合う彼らに睨まれたら出世はない。「あいつは良い奴だ。こいつは組織にとってまずい奴だぞ」などと告げ口するから、“自衛官”も人の子、記者達に睨まれない様にしたいと思うのは人情である。
 役所の電話は使い放題、昭和63年7月23日に起きた潜水艦「なだしお」事件では、横須賀の海上自衛隊基地内に陣取った記者連中が自衛隊の夕食を勝手に食い荒らすので、現場の隊員達とトラブルになったこともある。あわてた各社がその後「インスタントラーメン」などを「記者控え室」に差し入れたそうだが・・・
 このなだしお事件の時も、病院に収容された漁船乗り組み「マリンギャル」に、白衣を着て医師に成りすまして病院に侵入し「取材」、院外の男友達と図って、なだしおの乗り組み員たちは「只立って見ているだけで救助をしなかった」という捏造記事を書いて国民を煽ったのも確か毎日新聞記者だったはずだ。
 この時は皮肉にも同僚の記者達に「白衣を着て病院から出るところ」を発見されて、記者仲間内で問題になったのだが、それは昭和60年8月12日に御巣鷹山に墜落したJAL機から奇跡的に救助されて病院に搬入された少女に「単独取材」して「墜落直後の機内にはまだ生存者がいたという証言」を“ものにした”記者が、記者仲間の仁義を破って「医者に変装して侵入して特種?を物にしたこと」がばれたことがその原因になっていた。つまり、JAL機事件の時「変装して病院内に侵入して他社を出し抜くようなことをやめよう」という彼ら仲間内での申し合わせが出来たのだったが、これをなだしお事件時に破ったから仲間が怒ったのであったが、このJAL機事件の時に掟を破ったのも確か毎日新聞記者だった。貧すれば鈍するというが、経営不振のこの新聞社は、社会正義を振りかざしつつ、社会悪を実践しているところがなんとも凄い!
 思い出したが、なだしお事件の時に、雇われ船長が操船のへまをやって沈んだ漁船「第1富士丸」という改造遊覧船の持ち主は、確か北朝鮮人で、この船を某新聞社幹部が「愛用していた」と警務隊の調査報告書で読んだ覚えがあるが・・・
 テレビの「ヤラセ」も酷く社会問題になっているが、とにかく最近の我が国の報道機関の体たらくは著しい。これじゃまじめに記事を書いている記者達も、やる気がなくなるに違いない。インターネットの発達は目を見張るばかりで、老兵の私もいつも感心しながら情報に目を通しているが、広告依頼も新聞よりもインターネットの方に流れ出しているという。その上新聞社などは株式会社組織である。フジテレビが、株をめぐってホリエモンと騒動を起こしたことは記憶に新しいが、そのうちとんでもない騒動が起きることだろう。
 株主と新聞社、テレビ局の支配関係が、今後の見ものだと思うが、読者や視聴者達から見放された会社は誰も応援してくれないに違いない。
「身から出たさび」とはこのことを言う。