軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

“占領”憲法記念日

 5月3日に国旗を揚げない方々が多いのに驚いた。志は一緒らしい。昨夜のテレ朝「ニュースステーション」(弁解するようだが、浴場のテレビにはケーブルが入っていない・・・)で、現憲法成立のいきさつを、当時の映像をつないで放映していた。マッカーサーが演説し、急遽、憲法を作らされた当時のGHQ民生部の容共派?達が、当時を回想していたが、軍隊の階級で言えば一番上が「大佐」、作業の中心は「少尉」「中尉」である。つまり、わが自衛隊風に言い換えると「1佐」が長で、「3尉」「2尉」が中心だったわけだから、幹部学校「初級課程の課題作業」程度の「憲法」なのである。それを、2000年の文化と伝統を誇る「大和民族」1億2千万が後生大事に60年間も押し頂いてきたのだから、建国200年程度の「欧州大陸からのボートピープル」を先祖とする「青年将校たち」、つまり、映画「硫黄島」に象徴された帝国陸軍の敢闘精神のみならず、鬼神のごとき特攻隊の攻撃に恐怖していた彼らにとっては快感以外の何物でもなかったに違いない!
 テレ朝が占領軍の明らかなハーグ条約違反行為を暴いたから、私は興味深く見ていたのだが、スタジオの解説者たちはそれには気がつかなかったらしい。しかし視聴者達は現憲法が「押し付け憲法」であることは十分に理解したに違いない。テレ朝もたまには「良いこと」をするものだ!
 3日は、都心部では「憲法改正派」「護憲派」などが相当出て、例年どうり賑わったようだが、問題は国民の意識である。「憲法の条文」を一度も読んだことがないようなOLや主婦、サラリーマン達が、インタビューに答えていっぱしの所感を言うさまは、いかにも「商・農・工・士」と逆転した現代日本社会を象徴しているように感じる。

 この連休、例年都心部での会合に出席していたが、今年は久しぶりに家族一同揃って高尾山の鳥料理のうまい料理屋で「夕食会」を開催した。それも、次男が我々を招待する形で・・・。息子のオゴリだったからか竹酒のうまかったこと!
 都心の喧騒を離れて、久々に「幸福感」を味わった一日だった。

 ところで、雑誌「正論」6月号に書いたとおり、この国に対する工作活動は依然として盛んである。このブログの読者の中にも、中国国籍の方がいるようだが、我々よりもっと実感しているに違いない。感じていないのは「肝心な日本人」である。4月25日号の雑誌「SAPIO」は、「中国『対日特務工作』黒書」を特集したが、その中に、「ハニートラップだけではない!今も続く『日中将校交流』こそスパイの温床ではないか」という、福田博幸氏の論文があった。そこで彼の書物を買い求めて今読書中なのだが、公安関係の専門ジャーナリストだけあって、実に詳細な事実関係が示されている。(「中国対日工作の実態」福田博幸著。日新報道社:¥1800+税=写真)
 中でも特筆すべきは、「中国の右翼対策」「工作されていた安岡正篤」「橋本元首相のスパイ女性とのスキャンダル」「人民解放軍の諜報部隊」「核マル派の偽装転向と中国諜報部隊」「友好のシンボル・・・実は反日のシンボル」・・・などなどで、一気に読まされること請け合いである。
 民族派の重鎮とされてきた安岡正篤氏の実態には唖然とするほかないが、各種「友好団体」の裏の顔も暴かれていて面白い。ここまで暴露して大丈夫?と聊か心配になるくらいである。
 確かに彼らの「伝統的対外工作活動」は凄まじいが、肝心な中国国内では、案外強制的抑圧の目をかいくぐって、総本山に対する「工作活動」も盛んなようだから、今後は興味ある展開も期待できそうである。
 前回書いた中国の「コピー文化」も常軌を逸脱し始めていて、「デズニーランドもどき」が結構世界中で問題になっている。「知的財産権なんて関係ない」と遊園地で興じる人民が言っていたが、「知的」でない人民に取材しても始まるまい。一部の「知的階級」はいざ知らず、10%は無学文盲と、党員から切り捨てられている「知的でない」人民が溢れかえっているような国である。こんな、いわば「先進列強国家」に通用しない社会的不義を、堂々と見逃しているようなことでは、来年の北京オリンピック会場で売られる「記念品」や「お土産品」でひと騒動起きることだろう。その上、これを報じたテレ朝も日テレも、この遊園地が“国営”であるにもかかわらず、“民間企業”であるかのような解説をしていたのが気になった。あの国には銀行はじめ「民間企業」は存在しないのである。どうも日本人はその点がわかっていないらしい。とんでもない「知的後進大国」が近在に出現したものだが、それを自分達と同じ「自由主義国家」と錯覚しているようでは、工作活動は絶対に防げまい。
 一日も早く「占領憲法」の支配下から脱出しなければならない。