軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

中国、権力争い激化か

第19代、米川空幕長が亡くなった。旧軍人出身者と、防大出身者の間をつないだ、いわば一般大学出身幕僚長の最後を務めた方であった。
私事で恐縮だが、私が空幕広報室長の時、御巣鷹山事故で「位置特定が遅い」「夜は飛べない自衛隊」などいう一部の自衛隊に対する「いわれなき非難」に反論したところ、A社編集委員が怒鳴り込んできて喧嘩を売られた事があった。売られた喧嘩は買う、それが主義だったから彼に応じたところ、私が千歳のナイキ部隊に“飛ばされる”ことになったのだが、当時北空司令官だった米川空将から三沢基地に強制着陸させられ、おかげでパイロット人生を継続できたという、そんな個人的恩義があった。通夜でお別れしてきたが行年78歳、黄泉の国でお礼と「だからタバコの吸いすぎを注意したでしょう」と苦言を呈したいと思っている。ご冥福をお祈りしたい。


さて、中国国内では壮絶な権力闘争が起きているようだ。高級幹部の子弟でなる太子党は軍隊を取り込み、習近平は時期頂点に立つ。軍の人事を握ることになるが、とても彼の実力では抑えられないだろう、というのが大陸ウオッチャーの見方である。他方胡錦濤は軍の掌握がうまくいかなかったから、かなり苦戦している。しかし、自分の息のかかった後継者につながないと、政権交代後の身の保証さえ不安定である。江沢民が最後まで軍を手放さなかったように策をめぐらさないと…。

中国共産党トップ≫


ところがその軍の中に、かなり乱暴な動きが出ているようで、例えば先日の9・18集会参集者のほとんどが「軍人」で、民間研究者など学者は少数だったという情報がある。これら軍人たちの「戦術」は、江沢民同様ことごとく反日ムードを盛り上げて、人民の目を日本に向け、その間に政権を奪取するという、いわば伝統的手法が繰り広げられているというのである。

勿論胡錦濤派も黙ってはいない。徐々に習近平包囲網を築きつつあるから、来年の政権移譲が平穏に行くかどうかは不明である。

ただ、注意しなければならないのは、これら“不勉強な”軍人たちの思い上がりである。彼らは日中戦争では大日本帝国に≪勝った≫と思い込んでいるのであり、事あるごとに気勢を挙げているらしいが、中国国内でも彼らに“有識者”たちは眉をひそめているらしい。

日本人が軍事に無知なのを利用して彼らは着実に工作を進めているのだが、例えば外交交渉の場に「○○研究員」という肩書で民間人として潜入し、情報活動をしているのだが、政治家も官僚もほとんど気が付いていない。


恐るべきは日本の大学に留学している留学生や、交換?教授達もその仲間であることだろう。事実、某国立大学に留学していた上級大佐を私は知ってる。
自衛官は研修生として入学させない国立大学だが、中国人、それも軍人を容易く留学させているのである。それは日本人教授たちが丸め込まれているからだろうが、文部省も全く機能していないのであり、その大元は日本国首相たるものが、まんまとハニートラップに引っかかって、世界に恥をさらしたように、とにかく日本人全体のタガが緩み油断しているからに他ならない。

≪中国の地方紙に出た野田政権と前首相の記事と写真≫


日本国内に潜入している人民解放軍兵士たちについて一例をあげよう。
ご記憶だろうが、2006年6月、栃木県西方町で県警鹿沼署の男性巡査が職務質問に抵抗した中国人男性(当時38歳)に向けて拳銃を発射し、男性が死亡した事件があった。報道によると事件のあらましはこうである。

≪2006年6月23日午後5時5分ごろ、栃木県西方町真名子の民家前の路で、 県警鹿沼署真名子駐在所の男性巡査(30)が、石灯籠の頭部(直径約20センチ)を持った中国人とみられる男に襲いかかられ、拳銃1発を発砲した。 弾は男の左下腹部に命中し、男は約1時間15分後に搬送先の病院で死亡した。同署で身元の確認を急いでいる。
調べによると、巡査は午後4時40分ごろ、死亡した男と別の男の計2人が、近くにある農協の現金自動預け払い機周辺で不審な行動をしているのを見つけ、職務質問しようとした。男が巡査の腰に体当たりして左手で拳銃を奪おうとしたうえ、民家の庭先から石灯籠を持ち出してきたため、警告の上で発砲したという。
もう1人の男は逃走したが、午後9時15分に入管難民法違反(不法残留)の現行犯で逮捕された。福島県在住の中国籍の男(37)とみられる。
佐藤忠志・県警警務部長は「(巡査は)身の危険を感じて発砲した。正当防衛とみられるが、なお詳細は調査中」とするコメントを発表した。 県警は「背後に犯罪組織が存在する可能性があり、報復される恐れもある」として、発砲した巡査の氏名は公表していない≫

その後死亡したのは中国籍の住所不詳、無職、羅成・元研修生(38)と分かったが、彼は四川省出身で、04年2月に来日、研修先の岐阜県内で幼なじみの張学華容疑者(37)=出入国管理法違反(不法残留)容疑で逮捕=と再会した。
2人は今年2月、研修先を抜け出し、福島県のコンクリート工場で働いていたが、事件前日の22日、知人を頼って西方町に来て事件を起こしたものだが、中国大使館はこの事件を非常に重視し、直ちに領事官を現地に派遣して、関係事情を調べると共に、被逮捕者と面接した。 羅元研修生は今年2月4日で在留資格が切れていた。 張容疑者は調べに対し「強制送還されるのが嫌で逃げた」と供述したという。

その後、私に届いた情報では「羅成・元研修生」は人民解放軍兵士であり、特殊部隊にいたという。

そしてこの問題で宇都宮地裁(池本寿美子裁判長)は、(中国人)男性の遺族からの付審判請求を認め、巡査を特別公務員暴行陵虐致死罪で審判に付すことを決めたのだが、裏には≪国賊弁護士集団≫の強力な支援があったという。
2007年7月に男性の遺族は巡査を同致死容疑で刑事告訴したが、2008年7月に宇都宮地検が不起訴としたため、遺族は不服として同8月に付審判請求しているが、この訴訟にも、日本人≪国賊弁護士≫が付いていて、中国大使館までが強硬な姿勢をとっている。

その後、この事件は今後、「裁判所が指定した弁護士が検察官役を務め、通常の刑事裁判と同様の手続きで公判が進められる」ことになっていて「男性の遺族4人は県に総額約5000万円の損害賠償を求めて提訴したが、宇都宮地裁は今月23日、発砲の必要性を認め、請求を棄却」した。この時、男性の弁護団の一人である「花垣存彦弁護士は『民事訴訟では、問題ある発砲行為だったと認められなかったので、今回は請求が認められ、裁判所に対して敬意を表している』と話した」と報じられている。ならばこの事件で訴えられた警察官は≪無罪≫とすべきだろう。
この弁護士の名前は応選女史が公表した中にはないから真っ当と思えるが、これほど中国側を支援する我が国の法曹界は“放送界”同様、工作が進んでいるとみていいだろう。

問題は、今後尖閣事案が発生した場合、突如戦線の「後方」である国内で彼らのような工作員たちが一斉に蜂起することであり、それは大陸の権力闘争と連動していることを忘れてはなるまい。
最後の砦になる警察力、自衛隊の毅然たる対応を期待したい。



≪大使館の指示ですぐに“戦力”は集中できる!=長野では実証済み≫

売国奴

売国奴

国難に克つ 論戦2011

国難に克つ 論戦2011

中国人民解放軍の正体―平和ボケ日本人への警告!!

中国人民解放軍の正体―平和ボケ日本人への警告!!

日本が中国の「自治区」になる

日本が中国の「自治区」になる

日本の空を誰が守るのか (双葉新書)

日本の空を誰が守るのか (双葉新書)