軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

大人が幼稚、幼児が大人!

昨日は午後から雪になった。天気予報も、機材が発達したからかなり的確に予報できるようになったが、それでも“大人たち”は右往左往、夜のニュース番組では、各地の降雪状況を若いレポーターが“懸命に”なって伝えていた。

しかし冬に雪が降るのは定説であり、何も今回始まった特別なことではない。雪が降れば積もるのも定説、用心しないと滑って転ぶのも常識。
しかし昨今のテレビニュースは、それがあたかも『ニュース』であるかのように、微に入り細に入り伝えて仕事をした気になっている。それとも大人のレポーターが“定説”を知らないからだろうか?
夏に雪が降った時に「特番」を組めばいいのだ。雪国の方々から見れば、東京の大雪報道は奇妙に見えるのではないか?

新聞休刊日だったから他に伝えるべきニュースはいくらでもあったろうに、まるで民主党の不評を伝えたくないばかりに、雪や八百長の話で話題をそらし、国民の目を避けているかのように見える。


今朝の産経27面に、八百長問題を報じて敗訴し賠償金を支払った講談社が、相撲協会に対し損害補償と回復を求める通告書を送付したという。当然である。同時に、誤った判断を下した裁判所にも何らかの処置をとるべきだろう。
相撲協会は裁判に勝つため“辣腕”弁護士を雇って戦い、裁判官はそれを見破って「公平な判断を下す責務」がある。この裁判では辣腕弁護士と相撲協会がゲームに勝ったのであり、有能なはずの裁判官がだまされたのである。責任をとるべきは裁判所の方だろう。裁判所は何らかの『コメント』を出してしかるべきだと思うが・・・。
おそらくしないだろうから、少なくとも講談社は、この裁判にかかわった裁判官名を「週刊現代」で公表し、国民が次の選挙でそのような公平な裁きを下せない方々に「判定」を下せる便宜を図るべきである。


24面には、尖閣ビデオを“流出”させた一色元海上保安官の記事が出ていてこれまた面白い。

「(秘密にすべき情報という)ボーダーラインをはるかに超えていた」「なぜ秘密になったのか、皆が知りたがっている」「今回の件(衝突映像)はボーダーラインをはるかに超えていたと私が勝手に判断した」と彼は言っているが当然で、保身に明け暮れる上級者は「何でも隠そうとする」癖があることをうかがわせた。そして政府は彼の「なぜ秘密にしたのか」との発言に応える義務がある。

更に石原都知事が「退職は極めて遺憾だ」と言ったのに対して、「退職は組織のルールを破ったけじめなので後悔していない」と答えたという。


その昔、JAL123便墜落事故の際、いわれなき非難に反論した私は、突如上司から文の訂正と某記者との和解を要求され、組織にご迷惑をおかけした、と判断して辞表を提出したことがあったが、その時の心情を思い出した。面白いのは≪sengoku38≫というハンドルネームの意味については「一つくらい秘密があった方が(事件のことが社会から)忘れられない」と彼が述べたことで実にユーモアがあり愉快である。
この一連の“流出事件”に対する軍配は彼に上がったも同然だが、海保は惜しい保安官を“流出”させたものだ…


ところで、27面に思わず噴出しそうになった記事が出ている。
これが今日の主題のつもりだったのだが、「最近、日本人の幼稚化が止まらない」と確か曽野綾子女史も言っていたように、幼児の方が冷静でしっかりしている、という証明である。


雪が降れば降ったで大騒ぎ、雨が降ったら降ったで、水があふれていそうなところに駆けつけて、印象的な画面作りをする大人達が多い半面、同じTVでも子供たちの方が冷静、かつユーモアにあふれている。

今回の子供は3歳児だというから「危険」というものを知らなかっただろうし幸運が重なったこともあろうが、「男児は自力で作業用通路を歩き、ホーム端の業務用階段からホーム上に戻った」というのが素晴らしい。出来れば、救助しようと車体を覗き込んでいる大人の肩をたたいて「おじチャン何しているの?」とでも言っていたらトップ記事になったろうが、それにしても大したものだ。

JR九州は社内や駅の放送で注意を呼び掛け、再発防止策も検討する」そうだが、3歳児用の「呼びかけ文」をぜひ聞きたいものである!
まさか車内放送で「幼児語」を乱発するのじゃなかろうが、しかし停車するたびに「坊ちゃん嬢ちゃん、デンチャを降りるときはパパ、ママの手を離しちゃダメでちゅよ!」とスピーカーから流れたら、車内は明るく和やかな雰囲気になるかもしれない。逆に若いアベックたちが手をつないだりして…!

最近の人間は、歳をとるに従って『損得勘定』を覚え、人をだます方法を覚え、楽して得する方法を学ぶ?ことに躍起になり過ぎて、人間本来の姿を見失っているのだろう。

子供は純真、大人は慢心、大いに考えさせられた事件だが、この子にけががなくて本当に良かった。

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