軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

司法界とマスコミ界の闇!

 昨夜は仲間内のサロンで村岡兼造氏の話を聞いた。
「一億円やみ献金にかかわる冤罪事件・・・ありのままにお話しましょう」という演題だったが、聴衆一同、政官界の金権構造の凄まじさと司法界の闇にガクゼンとなった。
 一億円献金問題とは、政治団体日本歯科医師連盟」から自民党橋本派への一億円献金隠し事件で、当該橋本氏が「記憶にないが、皆さんがあったというのであればあったのでしょう」と記者団を煙に巻いたあの事件のことである。一億円の小切手を貰って懐に入れたとされる橋本元首相は「無罪」となったが、その場にいなかった村岡元官房長官が、「政治資金規正法違反(不記載)」で在宅起訴され、2006年3月30日に東京地裁で「無罪」となったものの、2007年5月10日の第2審で、判決を取り消されて禁固10ヶ月、執行猶予3年の逆転判決が言い渡され、現在最高裁で争っているものである。(「月刊日本」7月号に詳しい記事)

 私は政治の裏社会には全く疎いが、かってのリクルート事件ロッキード事件を髣髴とさせる。これも政治と金にかかわる、政界と裏社会の関係を浮き彫りにした事件で、代表的なものに「右翼団体」からの「褒め殺し事件」があった。中曽根氏の後の首相を狙っていた竹下氏に対して、田中元首相を裏切ったとして「詫びを入れさせるために仕組まれた事件」で、結局金丸氏が30億円、森氏が20億円を“闇”に支払って解決したと言われているが、この事件は後々までも政界と司法界、闇社会とが絡んだ問題としてこの国の政治を腐敗堕落させた元凶だといわれている。
 我々庶民には全く理解出来ない超高額な金がいとも軽々と取引されているのは実に異常としかいえないが、その金だって、税金同様、色々な手立てで「かき集められたもの」であり、日歯連の活動費についてみれば、全国の歯医者さんたちの「会費」で成り立っている筈である。それが会長選挙や、政治家への献金に、いとも容易く化けるのだから、組織の幹部たちにとっては笑いが止まらないであろう。
 この事件で起訴されている臼田容疑者の一連の捜査費用として、日歯連は「政治活動費」から総額約一億5千万円を弁護士10人に支払っていたと共同通信が伝えているが、橋本氏に一億円の闇献金をした前会長の弁護のための費用に、更に“準公金”から1億5千万円を惜しげもなく出すと言う組織の構造は一体どうなっているのだろう?
 面白いことに「リクルート事件」に関わる検察捜査の総費用(人件費を除く)は約1億5千万円、「ロッキード事件」では1億7千万円だったというから、「元東京高検検事長だった弁護士」さんは、「事案の社会的重大性に鑑み、相当額」と回答したそうだが、きっとこの“前例”を参考にして日歯連に出させたのであろう。
 いやはや、すべては金のために!であり、人(組織)の金は自分のものなのである!
 正義の最後の砦である「司法界」にも“毒”が廻りつつあるのか?!と深刻にならざるを得なかったが、話を聞いて声もなかったある御婦人は「必殺仕置き人が必要ですね」と私に言った。

 ところで今朝の産経新聞は一面トップで「TBS系の情報番組『みのもんたの朝ズバッ!』による不二家報道について、『重大な放送倫理上の問題があった』として、改善を求める見解を発表した」と報じた。
関西テレビの捏造問題を機に今年5月に発足した『放送倫理・番組向上機構(BPO)』の放送倫理検証委員会が始めて審理したケースとなる」とのことだが、本当に効果はあるのだろうか? 何しろこの組織は、NHKと民放で組織されているのである。談合、気配りが優先しているのではないか?
『放送倫理上、見過ごすことが出来ない落ち度』だというのであれば、即刻この番組を放送禁止にすべきであろう。 どのような“有識者”がこの委員会を構成しておられるか知らないが、案外『地上波テレビ』などは御多忙なのでご覧になっていないかもしれない。報告書や単なる証拠VTRだけで倫理問題を判断するのでは片手落ちだろう。これを機に、すべての番組について一度真剣に審査して欲しいものである。
 
 安倍首相に対する朝日の異常なバッシングは「官房副長官時代、安倍氏はNHKの『女性国際戦犯法廷』を巡るNHK放送を『事前にチェックした』と朝日新聞に報じられた。これについて安倍氏は『誤報である』と非難する記者会見を行った。朝日新聞は検証記事を書いたが、記事の不正確さを認めざるを得なかった。恥をかかされた朝日は全社一丸となって敵を取ろうとしているかのようだ」と屋山太郎氏が「WiLL9月号」に書いていることに集約されよう。つまるところ形を変えた卑怯な朝日の「復讐」なのである。
 森元総理も同誌に「あるテレビ局のキャップが首相官邸で、『森政権なんか、三ヶ月で潰してやる』と豪語していた」と書いているが、そんな傲慢不遜な会社がのうのうと生き延びていることの方が不思議である。政界と何らかの裏取引があるのではないか?と疑いたくなる。森氏はどうしてこのキャップと対決しなかったのだろう?
 以前書いたはずだが、私も広報室長時代に、日航機墜落事件を巡る自衛隊非難に反論したところ、突然乱入してきた新聞記者からけんかを売られ、言うに事欠いた記者が『貴様の組織(航空自衛隊)なんか潰すのは簡単だ!何ならやってやろうか!』とジャケットの内ポケットからボールペンを取り出して振り上げたことを思い出す。『やれるものならやってみよ!』と私が応えると彼は「言ったなあ、このバカ!阿呆!1佐なんか飛ばすのは簡単だ!どこかに飛ばしてやろうか?」と気色ばんだ。
 その後彼は私のことを各方面に電話して根掘り葉掘り聞き出そうとしたようだが、翌日再び広報室に来た彼は「あんたには一つだけ感心したことがある。どこに言っても誰に聞いてもあんたの悪口を言うものがいない。これはあんたの人徳だよ」と言ったのである。けんか相手に褒められた私は、正直返答に窮したのだが、これが彼らの“口封じのための”常套手段であることを悟った。
 その後も彼は、深夜に自宅にまで電話をかけてきて家内を脅かしたようだが、その時家内が私に直ちに報告してくれていたら、私は家庭までも巻き込む彼の卑劣さを絶対に許さなかっただろうから、違った展開になっていたかもしれなかった。幸か不幸か、たまたま家内はその頃、母が末期がんで倒れ危篤状態であったから看病に追われていたのでそれどころでなかったのであった。
 今も昔も第4権力の思い上がりは常軌を逸している。正義の味方を自称するのなら、政官界、司法界の闇に切り込んで、村岡氏の冤罪を晴らしてみるが良かろう。
 彼らにその勇気はなかろうが、TBSが今回のBPOの改善要望をどの程度“真摯に”受け止め行動するか、国民は注目しておく必要がある。[rakuten:book:11980500:detail]






















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