軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

映画「南京の真実」

 14日金曜日、午後から九段会館で、「南京の真実」第一部「七人の『死刑囚』」撮影完了報告大会が開かれ参加した。

 約10分間の特別予告編に続いて、南京戦に参加した元兵士のインタビュー、映画のキャストからのメッセージなどが上映され、その後約1時間半『南京問題と国際情報戦争』のテーマでシンポジウムが開かれた。パネリストは渡部昇一上智大名誉教授、評論家・宮崎正弘氏、東中野修道亜細亜大学教授、日本南京学界理事で元兵士の冨澤繁信氏、日本文化総合研究所代表の高森明勅氏と軍事評論家?の私、司会は水島監督であった。
 映画の特別予告編は、七人の死刑執行のシーンから始まり、東京裁判などの実写フィルムが挿入されていて、実に興味深い内容が展開する。私はその昔、伊豆の興亜観音、愛知県の三ヶ根山、横浜の葬儀場、巣鴨プリズン跡地など、関連部署はほとんど巡回していたから、それらの場面が髣髴と浮かんできた。完成試写会は後に掲載したパンフレットにもあるが、来年1月25日(金)17時開場で、よみうりホールで上映されるという。残念ながら私はこの日福岡に講演で出かけているので見られないが、機会を見てなるべく早く鑑賞しようと思っている。
 シンポジウムでは、当初各自の意見発表が10分程度に制限されたが、それよりも錚々たる専門家がいるので、私ごとき戦後派が口を挟むべきものではなかった。
 そこで私は情報・思想・諜報・謀略戦が進行中であることに注意すべきという内容を中心に提言したのだが、まず最初に『終戦時における日本軍の態勢概見図』を示し、昭和20年8月15日現在の支那派遣軍は、北京から張家口、大原、宣昌、漢口、長沙、香港を結ぶ線の東側、支那大陸の主要な部分を支配していたが、何故「南京だけで30万人の大虐殺が行われたのだろう?」と疑問を呈した。
 つまり、同じ帝国陸軍将兵がこの地域を七年近くも支配していたのに、「南京占領部隊」だけが「異常者の集団」で、手当たり次第に殺戮をしたのか?それとも、敗走する蒋介石軍が、井戸という井戸に“毒物”を投げ込んで逃走したが、その時「バイアグラ」を投げ込んだのではないか?だからそれを飲んだ日本軍兵士が、見境なく中国女性を強姦したとしか考えられない!と言ったところ、会場からは一斉に笑い声が上がったが、冗談は別にして「南京大虐殺容認派」の先生方と中国政府に是非解説してもらいたいものである。
 20世紀の特色であった欧米列国によるアジア諸国への帝国主義の侵攻による中国大陸の被害には目をつぶり、日本だけに的を絞っていつまでも「虐殺」を唱えるのは実にイカガワシイ「宣伝行為」ではないのか?つまり、欧米諸国は「強大な国家」だから、そんなことをすれば「ただでは済まない事」を認識しているからではないのか?
 更に中国がこれを持ち出すことを欧米諸国が容認?しているのは、欧米諸国が犯した「戦争犯罪」がこれによって薄められるからに違いない。特にユダヤ人を虐殺したドイツはそうであるし、米国も非戦闘員であった我国民に対して原爆を使用し、人道に対する罪を犯しているからであろう。
 つまるところ「南京大虐殺」という虚構は、彼らにとって都合がいいのである。まさに典型的な情報戦なのであって、大虐殺がなかったという学術的証明をし、世界に反論するのは必要であり当然なことだとしても、言いだしっぺの中国が理解するはずは“絶対に”あるまい。
 面白いことに、対日「悪宣伝」をするのは、日本軍に負けていたシナと、統治下にあった朝鮮だけだから、双方共に「悔しい」のである。弱い犬ほど良く吼えるのである!
 そしてこの問題は悲しいことに「身内の協力者」がこれを助けているという動かしがたい現実にある。中国が一寸火をつければ、日本国内の「協力者」が一斉に燃え上がる図法が問題なのである。
 憲法同様、この虚構を論じて「印税」を稼いでいる有名人も多く、これらの「協力者」を一掃しない限り解決する筈はあるまい、と言うのが私の持論である。
 更に中国を黙らせるためには、我が国が「強く」なればいいのである。「弱い」と見くびられているから相手はいつまでも繰り返すのである。
 強くなること、それは「普通の国」に脱皮し、憲法にある「戦力不行使」を削除することである。「専守防衛」を再検討することである。我が国が、外交の裏づけとなる「軍事力」のスレッシュホールドを、他国並みに引き下げるだけでよいのである。
 欧米諸国には「文句」も言わず、日本にだけ強要するのは、欧米諸国は「軽々に?」軍事力を行使するから怖いのであり、それに対して我が国は、「絶対に?」武力を行使しない、と認識しているから舐めているのである。
 中国の研究者は「中日互恵関係」を築くべきだ、と良く発言するが、「日中友好」を掲げながら、「虐殺記念館」をリニューアルオープンするようでは、日中間には「戦略的誤解関係」しか生まれまい。
 要は、この問題も「従軍慰安婦」「靖国」問題も、一寸マッチをこすられるだけで、家全体が燃えているのが日本の現状なのだから、日本国民が毅然とした態度を示せば、やがて消滅する事案ではないのか?「反論もせず、ただただ謝罪を繰り返す政治家が多いから、完全に舐められて、相手は嵩にかかって責めているだけ」だと私は思う。シンポジウムの最後のコメントで私はこういった。
 中国大使館前に「通州事件で虐殺された200人を弔う慰霊碑」を建立し、「20万人の婦女子が殺された」と書き、ロシア大使館前には「シベリア抑留で犠牲になった60万人を顕彰する慰霊碑」を建立し、国民が連日花束を捧げればいいのである。いつまでも受身でいるから問題が大きくなりはしても解決には向かわない。「攻撃は最大の防御ではないか」と締めくくったのだが、「目には目を」の方が適切だったかも・・・
 映画「南京の真実」の上映が期待されるが、同時にどんな方面から「クレーム」又は「非協力的態度」が示されるか、これもまた楽しみの一つである!

1937南京攻略戦の真実―新資料発掘 (小学館文庫)

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「南京事件」発展史

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「南京大虐殺」はこうして作られた―東京裁判の欺瞞

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南京大虐殺の真実 2007年 12月号 [雑誌]

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