軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

自分の身は自分で守れ!

 読書や電話の応対で、PCの前で十分推敲せずに掲載することが多くなったが、熱心な読者の方が、文章校正までしてくださっているので恐縮している。外務省については「汚名返上」とカッコつきで書くべきだったがご指摘のように聊か度が過ぎた?感がある。
 しかし、今朝の産経が報じたように「日朝交渉の記録欠落」など、重要な記録文書の欠落が発生しているという。昭和16年12月7日、義父・寺井義守海軍少佐が海軍武官補佐官としてワシントンの大使館に勤務していたとき、日米開戦の最重要な文書「第14部」の受信・翻訳を放置して、仲間の送別会を開いていて米側に対する通達が遅れ、まんまとルーズベルトの“ワナ”に嵌って「スニーク・アタック」になった例が示すように、どうもこの国の外交担当者には「緊張感」が欠けていて、その上「継続性」に欠ける嫌いがあるように思う。当時、日朝交渉に当たっていた田中均氏は「交渉は私だけがやっていたことではないし、私も職としてやっていたことで、個人的にやっていたわけではない。当時は局長だったから、私が(自分で)記録を書くわけじゃない。記録があるかないかは、外務省に聞いて欲しい」と述べたそうだが、一事が万事これである。
 以前ご紹介した「ユダヤ難民を助けた日本と日本人」(上杉千年著:神社新報社刊)を読み終えたが、当時の松岡外相・東条英機板垣征四郎という、戦後「悪人視」されている方々の勇気ある行動について、再考すべきだと感じた。外務省ではリトアニア領事館の杉原千畝領事代理である。いい機会だから外務省関係者は今一度読み直してはいかがだろう。それとも「記録がない」というのだろうか?

 ところで、「毒入りギョーザ事件」は、犯人が特定されそうな気配であるから、中国側の捜査を見守ることにするが、気になるのは日本国内における危機管理意識の欠如である。今回の事件は、食品衛生上、輸入冷凍食品の受け入れ態勢について重大な問題を提起したが、担当部門間に危機管理意識が欠落していたことを証明している。
 産経30面に、今回千葉で中毒事件が発生した時に、被害女性から苦情を受けたコープの担当者はその日の午前11時10分に、市の保健所に詳しい内容のメールを送っている。ところが保健所は年末年始の休暇中で6日間メールを開かなかったというから驚きである。ここもまた「一事が万事」この調子なのである。社保庁はじめ、公務員の危機意識欠落は度し難い。コープ側も、再度メールを受信したかどうか確認すべきであった。それほど重視していなかったのではないか?
 それにしても弛んでいるのは公務員側である。年金問題では、舛添大臣が窮地に立たされているようだが、この問題の本質は、コンピューター化されることに反対してサボタージュした当時の職員達と、それを監督しなかった当時の大臣はじめキャリア組の責任である。遡って処罰しない限り、この手の不祥事はなくならない。彼らに絶対「逃げ得」を許してはならないのである。

 話は変わるが、昨年私も「食の安全」について貴重な体験をした。家内と買い物に行ったある新設された郊外のスーパーで「コロッケ」を2個買って食べたのだが「ガリッ」と奥歯にショックがあったのですぐに吐き出して調べると、金属片が出てきたのである。丁度「小指のつめ」を爪きりでカットした様な形状の捩れた細い金属片で、飲み込んでいたら胃壁に突き刺さって大変だったことだろう。
 翌日それを持ってスーパーに「注意」しにいったが、応対した店長は、謝りもせず、購入価格の税込み105円を返してくれただけで、「念のために住所と電話番号を」と汚い紙切れを差し出しただけであった。
 こちらは「個人情報」を教えた以上何らかの対応があると期待していたがその後全くなかった。勿論、弁償金や菓子折りの一つ・・・などというけちなことを期待していたのではない。元「航空事故調査部隊の司令」を勤めた経験がある私は、このスーパーがどんな安全対策を採るか興味があったのであり、再発防止の方策を聞きたかったのである。しかし期待は裏切られた。
 多分、コロッケの具を攪拌する機械の一部の取り付けが悪かったため、異常な応力が攪拌棒にかかり、擦れてねじ状に断裂した金属片が具に混入したと思われるのだが、そうだとすれば他のコロッケにも混入していた可能性がある。
 このスーパーの惣菜部門のコロッケ店では、運び込まれた生のコロッケを揚げるだけの様だったから、同じ製造元から生のコロッケを取り寄せているほかのスーパーでも起こり得る“事故”である。
 今回の「毒入りギョーザ事件」は、中国側の製造過程が中心に報じられているが、案外身の回りにもこのような恐るべき「不感症」が蔓延していることに気がつかねばならない。
 以後我々は、こんな程度の感覚しか持たない店長が取り仕切る当該スーパーでは、いくら清潔を装って、巨大な売り場面積を誇っていても、絶対に買い物をしないことにしたのだが、この際、普段は全く店を信用して気にも留めずに買い物している方々も、身の回りの各種安全点検をして見るのもよいかもしれない。自分の身は自分で守る!
 国の安全を“同盟国”と自衛隊に任せて無関心でいたツケが噴出しているように思う!というのはちと言いすぎだろうか?

敵国になり得る国・米国

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崩壊日本国再生論

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