軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

迫る四面楚歌

 今朝の産経抄子は「私は、女房(かない)に当たりました」という劇作家、宇野信夫のエッセーを紹介している。「知り合いのクリーニング店の主人が、こう言い切るのを聞いて驚いた。長野県出身のこの人は、東京で洗濯の修行をし、やがて結婚して、小さな店を持つようになった。それから色々苦労はあったものの、夫婦で乗り切り、60歳を過ぎて社長と呼ばれる身分になったそうだ」。宇野は「私は目の前の、世にも幸福な人を、つくづく見た」と書いているという。
 のっけからそれに便乗するわけではないが、先月30日に私どもも結婚40周年を迎えた。今は禁酒・禁肉?中の私だから、名物の豆腐料理でも・・・と思っていたら、長男と次男が参加して“お祝い”してくれた。
 航空自衛官生活は34年、防大を入れても38年、それを2年も越えたのだから、私も「女房に当たった」といえるのだろう。車もいい製品に“当たって”既に20年乗り継いでいるが、車は買い替えられても女房はそうはいかない。
「お互い“忍”の一字で40年!」と言ったら息子らは笑ったが、家内が「夫に当たった」と思っているかどうかは定かではない!
 いずれにせよ「世界中で一番身近な赤の他人」、良く40年も続いたものだ!さて、これから先は何年持つのか??
 産経抄子は国民が「いい首相に当たったなあ」としみじみいえるようになる日が・・・と締めくくったが、それは望み薄だろう。

 
 バラクフセインオバマ陣営は動き出し、国務長官にヒラリー・クリントン指名、国防長官にロバート・ゲーツ続投、テロ対策安保長官に女性のジャネット・ナポリターノ・アリゾナ州知事、司法長官に黒人初のエリック・ホルダー元司法副長官、安保担当補佐官にジェームズ・ジョーンズNATO欧州連合軍元最高司令官、国連大使にはスーザン・ライス前国務次官補という名前がそろった。他方現職のライス長官は、ムンバイテロ事件の後始末?のため、インド首脳との協議に出発した。

 北朝鮮国内の動きも不穏の一途をたどっているし、韓国も経済不況で落ち着かない。中国は各地で暴動が起きていて、経済不況と地方の共産党役人の汚職に不満爆発寸前、その息抜き?か、「中国広東省深圳市で、民主化活動家グループが『国家改革建議書』と題する民主化要求文書を街頭で市民に配るのを妨害せず、事実上黙認した」という。

 不況で解雇が続く人民は、来春の春節には恒例の土産持参どころか「失業」して、着の身着のまま、故郷に錦どころか、ボロを纏って帰ることになる。今年の春節は大雪で帰郷できず、お土産を貰えなかった郷里の家族は、来年はどう迎えるのか?世界は急激に流動している。

『正論』欄に、クライン孝子さんが、「ベルリン壁崩壊から20年と拉致」と題して、ベルリンの壁で引き裂かれたドイツ国民が『生き別れになった肉親に会うため、壁を越えて西側に入ろうとして東ドイツ国境警備隊に射殺された』悲劇を例に、6歳で満州終戦を迎えた原体験から北朝鮮による『拉致問題の解決なくして何が日本外交か』と思っているので解決のために微力ながら手を貸す、と書いた。

 そんな中、30年以上も拉致された同胞を解放できないわが国、それを自覚しているのかいないのか、首相は渋谷の生活雑貨専門店を“視察”し、雇用対策に取り組む姿勢をアピールした、という。
 産経の一面トップの見出しは「内閣支持率27・5%」「“麻生節”に冷たい目」とあるが、支持率に一喜一憂するのも如何かと思うが、この時期に『百円ショップ』に行くことに何の意味があるのだろう?

 対する民主党も一枚岩ではなく、日教組の“親分”が取り仕切っている様子。どちらに転んでも『いい首相に当たったなあ』と国民がいう状況にはなりそうにない。
 我らが首相閣下は、わが国は年明け早々から「四面楚歌」に陥りそうな気配があることに気がついているのかどうか・・・いや「よんめんそうか」なんて思っていたりして・・・

リベラルたちの背信―アメリカを誤らせた民主党の60年

リベラルたちの背信―アメリカを誤らせた民主党の60年

“劇場政治”の因果―戦争を禁止された“国家”の悲劇

“劇場政治”の因果―戦争を禁止された“国家”の悲劇

劇場政治を超えて―ドイツと日本 (ちくま新書)

劇場政治を超えて―ドイツと日本 (ちくま新書)

平和はいかに失われたか―大戦前の米中日関係もう一つの選択肢

平和はいかに失われたか―大戦前の米中日関係もう一つの選択肢

シナ大陸の真相―1931‐1938

シナ大陸の真相―1931‐1938

中山成彬はなぜ日教組と戦うのか

中山成彬はなぜ日教組と戦うのか