6日台湾問題講演会のあと、夜は場所を新宿に移して仲間20人ほどで座談会?を実施したが、田母神論文問題で防衛問題に対する関心が非常な高まりを示していることを痛感した。台湾問題で軍事的関心が深い新聞記者氏も、極めて常識的で熱心な問題提起をしたが、中台間の“現場体験者”だから日本の政治家達とは一味違った意識を持っていた。
大阪から駆けつけたご婦人方も、TVで見た田母神氏の人間味に「大阪のおばちゃん達が田母神ファンになった!」と笑わせていたが、女性が防衛問題に関心を持ったことは喜ばしい。中には「田母神新党」を作って、自民・民主両党内の、全うな考えを持っている若手議員たちの参加を求めよう!という意見もあったが、私は「政治の素人」だからコメント出来る立場になかった。しかし、彼らの熱意から、既成政党は自分に都合の良い点だけを見ていて何らかの情勢の読み違いをしているのでは?裸の王様では?と今更のように「意識のずれ」を感じた。既成政党の国内情勢分析がこの程度では、とても海千山千の世界を相手に戦えない!
戦いといえば今日12月8日は「ルーズベルトの罠に嵌って」(平河総研のメルマガ「甦れ美しい日本」に「大東亜戦争の真実を求めて」と題して連載中)日米開戦した日である。産経新聞3面「次代への名言」に、野口米次郎(米国人彫刻家、イサム・ノグチの父として知られる詩人)の「宣戦布告」のエッセンスが出ているが、「我聲を大にして殉国の秋を叫ぶ・・・ああ、来るべきものは遂に来れり」とある。
野口は東西にまたがる「二重国籍者」と自称した。しかし「外国に於けるやうに理智の奴隷となりたくない。どうして日本人本来の情調を維持するかが将来の大問題であらねばならぬ」と説く「熱烈な愛国者」だったという。
「開戦の日の日付がある冒頭の詩は《もの共決起せよ、剣を握れ、(中略)東亜の死活この一挙にかかれり》と続く。また、息子の従軍を歌う『召集令』には《私が国に倅を捧げなかったならば、/私の言葉は、無責任の一札になったかも知れない/倅よ、私は(の)親としての感謝を受けよ》とある。昭和22年7月、野口は疎開先だった茨城県で死去した。その小さな死亡記事にある彼は、『戦後』に沈黙している」と産経は書いている。
同じ面の右下には、米国の次期退役軍人省の長官に「日系のシンセキ元陸軍参謀総長(66)が指名されるという記事もある。退役軍人省という役所があるのも流石だが、真珠湾はオバマ次期大統領とシンセキ大将が共に生まれたハワイ州にあるからだともいう。
「オバマ氏は『シンセキ氏は、本国に戻った兵士らに対し敬意が払われるようにするのに適任だと思う』と語り」、シンセキ大将は「2003年のイラク開戦前に、イラクの占領政策には『数十万の兵士が必要』との見方を示した」こと、「この発言が少数精鋭の軍による侵攻を考えていたラムズフェルド前国防長官らから反発を招き、ウォルフォイッツ国防副長官(当時)は『著しく的外れ』と、シンセキ氏を公然と批判した」こと、「オバマ氏はシンセキ氏の判断は『正しかった』と指摘した」と記事にはある。
ヴェトナム戦争のときも、マクナマラという統計屋さんの作戦“指導”で多くの若者たちが戦場に散ったが、ラムズフェルドもそうだった。「シビリアンコントロールの本場」である米国でさえ、この有様なのだから、未熟なわが国においておや!であろう。
シンセキ大将は、祖父の代に広島からハワイに移住、陸士を出て一九六五年に陸軍に入隊し、38年間陸軍に在籍した生粋の軍人であるが、田母神氏も40年間“軍人”として国家に奉職してきた、いわばシンセキ大将同様の軍事のプロである。
日米双方の“軍人”の扱い方を見ていると、月とすっぽんの差があると感じるのは私だけであろうか?
7面にはインド・パキスタン間の緊張を伝える記事、ダライ・ラマと会談したフランスのサルコジ大統領に猛反発する中国に関する記事が出ているが、サルコジ大統領は「(誰と会談するかは)私の自由だ」と中国政府からの再三の非難を一蹴し「(ダライ・ラマの)懸念を欧州も共有している」と強調、会談が中仏貿易などに悪影響を及ぼすとの懸念も出る中「事態を大げさにする必要はない」と「中国に強くクギを刺した」という。
日本の人口の半分にも満たない総人口6000万のフランスが、これほど堂々と中国と渡り合える根拠は何だろうか?
『核装備国だからだ』といったら、目を吊り上げて難癖をつけてくる日本人がいるかもしれないが、もっと現実を良く見たほうが良い。
『・・・そこまで言って委員会』というTV番組で、チャンネル桜の“相棒”の井上君が「文句があれば、話し合うぞ!」と社会党女性に言ったギャクが受けているが、中華思想を盾にどんな些細なことにっでも『クレーム』をつけてくる国に対して話し合いが無理なことは子供でも知っている。
昨夜は元大学教授やOB、会社の若手幹部たちとの夕食会で、どうしてこの国はここまで廃れたのか?この国の将来は?との話題で盛り上がったが、教授は『言論の虚しさ』を語り、OBも“軍隊モドキ”の自衛隊の現状を、創設時代の貧乏だった“混乱期”よりもはるかに自信喪失していると嘆いた。昭和40年初頭、ボロは着てても心は錦、6畳と4・5畳二間だけの9・5坪官舎(長屋)で、焼酎を手に「国家防衛の意気」を語り合った時代のことである。
麻生首相がサルコジ大統領のように「靖国参拝は私の自由だ」「事態を大げさにする必要はない!」と中国に言い放ったら、田母神氏よりも人気沸騰すると思うのだが・・・
大国『米国』に、嵌められたとはいえ、一矢報いる攻撃を敢行した12月8日の今日、野口米次郎が「ああ、来る可きものは遂に来れり」と叫んだ言葉が妙に頭から離れない。
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