軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

歴史的事実を教訓にせよ!

 PCダウンについての助言に感謝! ただし、財政困難で器材の更新は不可能だから、しばしこれで我慢!


 15日の産経新聞一面左上段に“塩爺”が『歴史的事実を教訓にせよ』と題して「前向きに自信を回復し素直に考え精進しよう」とする年頭所感を書いている。『村山談話』を破棄して『歴史的事実』を確認することを国民に提言したのか?と思ったがそうではなかったから少し残念に思ったが、「日本は亡国への坂を下るように思えてならない」という締めくくりには同感である。
 ところで現在進行中の「現代史」の中に、過去の歴史的事実に照らして実に興味深いものが散見される。

1、「ガザ紛争」 
 イスラエルハマスの戦いは「策源地を徹底的に破壊するまで退かない」というイスラエルの決意が感じられる。被害者が1000人を越えたからと、リベラル的感覚で報じるニュースが多いが、世界一の軍事大国であった米国は、ヴェトナムでこの手の『情報戦』に負けた屈辱的教訓を得ている。今回、イスラエルがこの教訓をどう生かすか、海のかなたの「桃源郷」国では「そんなこと関係ない!」とばかりにサル山の戦いが行われているが・・・。

2、「政府、P3C派遣検討」 
 14日の産経トップに、ソマリア沖の海賊退治に、政府が海自のP3Cを派遣しようと検討中だという記事が出た。今頃・・・という気がしないでもないが、EUの「連合艦隊」派遣前に、同盟国海軍から強い要望が出されていたが、それを無視し続けてきたのではなかったか?同盟国海軍士官たちは、インド洋の給油活動を一時停止して引き上げてみたり、P3C派遣を期待したがだらだらとさっぱり要領を得ない。そこへ持ってきて「一夜にして空軍参謀総長の首を切り捨てた早業」に言葉を失ったという。流石は“侍の国!”と「問答無用」の抜き打ちの物凄さに驚いたらしいが、真意はわが同盟国は「何を考えているか分からない」というもの。さて、結論はいつ出ることやら・・・

3、「中国『天安門』削除を」 
 今朝のトップ記事はこれである。日中両国の有識者による『歴史共同研究』での話題だが、「民主化運動を武力鎮圧した天安門事件(1989年)に関する日本側の記述を中国側が『極めて敏感』な問題として削除するよう求めている」のだという。
 昨年暮れの30日にも、日本のNPO法人が編集した日本語教材が中国で出版された際、「原本に史実として収録されていた『旧日本軍意が多くの中国人を助けた』との内容に対し、中国側が『問題がある』として削除していたことが分かった」という記事があった。「中国側では愛国主義教育の一環として、日本軍の残虐さを誇張して描写した書籍が大量に出版されており、こうした日本軍のイメージを矛盾しているため」だという。
 自分に都合の悪い事実は、勝手に削除する上、それを外国にまで要求する面の皮の厚さには言葉もないが、それに『唯々諾々?』として従う我が方のほうが余程おかしいのではないか?
塩爺”ではないが、「歴史的事実を教訓にせよ!」と怒鳴り返してやるべきだろう。同時に、わがほうが戦後60年間「言われなき非難」どころか「歴史を捻じ曲げられてきた事実」も修正させるべきである。
 そしてその第一は「村山談話」の如き事実誤認である。“南京大虐殺”も、靖国問題も、これを契機に「日中間」で、相互に“修正”するが良い。

4、「昨日の敵は今日の友」 
 カンボジア国民を大量虐殺したポル・ポト政権が崩壊して30年になる。1979年1月7日に、侵攻したヴェトナム軍の手によってカンボジアは地獄から「解放」されたが、ポル・ポトを支援していた中国にとってはこの日は屈辱の日であった。しかし、いまやカンボジアにとって中国は「最大の投資国」である。
 こんな国々が目白押しの東南アジア方面に、実力はどうであれ「中国製空母」が就航したら・・・。「張子の虎」も使い方次第、開発途上国は皆打ち揃って「中国になびく」だろう。
 昨日の敵は今日の友、今日の友は・・・? さて、20日のオバマ大統領の就任式演説が気にかかる。

5、「露『ガス紛争』長期化へ」 
 今朝の6面である。CNNもBBCも、ガス供給が止まった欧州の生活窮状を伝えているが、ロシアとウクライナの「ガス紛争」は、ロシアが欧州向け供給の再開を約束した後もガスが欧州に届かず、両国が非難合戦を続けている。
「欧州を“人質”にしてまで両国が泥仕合を続けるのは、ガス問題がウクライナを二分する親露派と親欧米派の主導権争いに直結しているためだ」という。
 昔だったら、油を止められたら『戦争』だったのだが、その点は人類も進歩したのだろう!しかし、昔も今も「油(ガス)」を持っている国が主導権を握っているのであって、その奪い合いが戦争の主因だったことを忘れてはなるまい。

 長大なシーレーンの維持を同盟国に頼っているわが国!その産油国周辺には、他国のみならず「反日国」海軍艦艇が遊弋し始めている現実。
「歴史的事実」を無視して、「そんなこと関係ない!」かの如き“惨状”を呈しているこの国の政治屋たちに対して“塩爺”はもっと厳しく叱責してほしいものである。

再現 南京戦

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靖国公式参拝の総括

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マオ―誰も知らなかった毛沢東 上

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マオ―誰も知らなかった毛沢東 下

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毛沢東の私生活〈上〉 (文春文庫)

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