今朝の産経には面白い記事が並んでいる。
一面トップはわが国の政情だが、「自民『立党以来最大の危機』」「政権“最後”になるのか」「民主世論頼み・・・『国民』連呼」と両党の“苦悩”を象徴している。
17日夜、時事放談で野中氏が小沢氏を酷評していたが、同じ釜の飯を食った仲だから「公表されていない事実関係」をちらつかせていた。「壊し屋に国を任せると国が壊れる!」という言葉には実感が篭っていたが、さて・・・
今日の記事では、民主党大会を「リベラルな話題が多く社民党か共産党の大会かと錯覚した」という保守系議員の談話が面白い。決して「錯覚」ではなく「現実」である事に気づいてほしいものである。小沢氏は「政権を担っても国民の期待に応えられなかったら、その次の総選挙で政権の座から下ろしてください」と“潔さ”を示したというが、頼まれなくても国民の方が下ろすだろう。これは「潔さ」ではなく「弱さ」を示したことだといえないか?
他方自民党は「立党以来最大の危機」を表す大会だったようだが、首相は石油ショックなどの過去の体験から「危機に直面した時に常に新しい道が開かれる。それが日本の歴史だ」と語ったそうだがこれまた「他力本願」である。
確かにこの国には「危機を乗り越える“何か”」があったのは事実だが、真面目で勤勉な国民の知恵と、皇室という存在が支えてきた、と私は感じている。
巷を見て歩くが良い。100年ぶりの世界恐慌も、国民は戦後同様な?倹約と知恵で切り抜けようと努力している。確かに不景気な様相はあるが、報道の方が「悲観的で絶望的な状況」を垂れ流してはいないか?
ある経済研究者が「株で損した方々」は少数派、今回の金融危機では、そんな余裕が無かった庶民の大半は被害者にならなかった。それが今回幸いしている、と分析している。私も「カブ」は八百屋でしか買ったことが無いから、株価の変動には左右されず、すこぶる胃腸も快調である。
欧米諸国や新興国・中国のように、株に現を抜かしたところは後始末が大変だろうが、事実円は高値安定している。
ところで麻生首相が漸く官邸入りするそうだが、これで解散は遠のいた。さて、九月の総選挙までに自民党が有利になる「新しい道」が開けるとしたら、それは何か?自民党内の「立党の精神」に反するリベラル派の大掃除くらいではなく、もっと大きな変化、それは連立解消に結びつくような「新しい道」なのかもしれない。だとすると国民が裏を知っている“給付金”のカラクリは実は「お餞別」か「お布施」だと言えなくもないが・・・。
さて、9月までに首相が期待する新しい道は開かれるのかどうか・・・
ガザ紛争は、イスラエルと米国間でハマスに対する武器輸出阻止で合意したことから、イスラエルが一方的な停戦に踏み切った。「ハマスに十分な打撃を与えた」からだとイスラエルは発表、ハマスは「武装闘争により敵を一方的な攻撃停止に追い詰めた。輝かしい勝利だ」と宣言している。
戦争とは双方共に「正義」と「勝利」を主張するからいつもこんな発表になる。表現は悪いがいわば「大本営発表」なのであり、自分が悪い、とは絶対に言わないところが面白い。
しかし、日本だけはそうではなかった・・・。戦後ずっと「自分が悪かった」と謝罪し続けているし、大東亜戦争では、死闘を繰り返している相手のルーズベルト大統領が死去した時、日本政府は「弔電」を打っている。
そんな国柄には、中近東の壮絶な殺し合いが理解できるはずはない。
イスラエルは米国の共和党政権最終日に去りゆくブッシュ大統領に「華を持たせ」、明日登場する民主党のバラク・フセイン・オバマ大統領の就任式に“配慮”した。
圧倒的戦力でハマスを封じ込める自信があるから、国際的協調を重視したのだろう。就任式後、ハマスのはぐれ者が、ロケット攻撃でもしようものなら、その何十倍もの反撃を加えるに違いないし、そのお墨付きを国際的にもらったような「停戦」である。
18面の「透明な歳月の光」に曽野綾子女史は、この紛争に日本が積極的に停戦を呼びかけるべき、というが「むしろ何も関係ない人がしゃしゃり出てきた、と見られるのが落ちだと思う」と書いている。
「イスラエルでは少人数の小学生が近くに写生に行くときでも、付き添いの教師は自動小銃を携行する」。「日本はパレスチナに9億円の人道支援を決定した」が、「日本人は、日本がパレスチナに出す金は、公正な人道上の行為だと相手も理解してくれるだろう、などと思う」「しかしそうでもないと用心するのが当然だ。金品を着服しようとする人も、その金でつまりは武器を買おうとする人もいるだろう」「贈り物にも適当な監視が必要だというのは、世界の常識だ」と書いたが全く同感、国民に選ばれた議員の中に、事務所経費を流用したり、水増ししたり着服する「日本人」」がいるではないか!国内には通じても、国際的にはリベラルの「偽善」は通じない。
3面の「東大安田講堂封鎖解除40年」という記事も読ませる。当時東大理学部学生で本郷キャンパスに篭城して「国家権力」と戦った、島泰三氏(62)の体験談なのだが、機動隊に追い詰められた時、「仲間と腕を組み、仏で作られた革命歌で1944(昭和19)年まで旧ソ連の国家だった『インターナショナル』を歌った」と云う。
これが私が彼らを信用しない根拠の一つである。日本人学生なのに、なぜソ連の国歌を歌い、かの国に忠誠を誓うのか?国内の正義を貫こうというのであれば、「日本国歌(君が代)」か、機動隊に殲滅寸前であれば「海行かば」を歌うべきだろう、と私は思うからである。
今頃になって「やれることはやった。大学の教育は良くなっていないが、米国のベトナム戦争に日本が協力しないという機運につなげられた」と言う。まるでハマスが言う「負け惜しみ」と同じである。
そう強がる一方「若者は自分の正義しか見えないが、年寄りは相手の正義も見える。そのことを知らなかった。数を頼みに、盛り上がっていることが全てだと思っていた」そして「親の世代ときちんと話せていれば、学生運動や労働運動を当然の権利とした、違った社会をつくることが出来たかもしれない」と反省している。これこそが青年期の「未熟ゆえ」の暴走であろう。
しかし、立ち直った島氏は良いとして、どれだけ多くの若者達が犠牲になったか。勿論、自ら闘争に身を投じた者はそれなりの責任を負って当然だが、そのあおりで受験できず、学問に集中できず、将来ある人生を粉々にされた名も無き仲間達がいたか、それを考えたこともあるまい。若気の至りではすまない問題だが、「親の世代とのコミュニケーション確立」が如何に大切か、今社会問題になっている親子関係改善に大きな示唆を与えてくれてはいると思う。
紙数が増えるから次はご紹介に留めるが友人の「梶田達治油絵展」1月15日〜21日(最終日は午後4時30分閉場):池袋東武百貨店6F1番地「アートサロン」
18日午後、家内と共に鑑賞してきたが、多くのファンで賑わっていた。産経紙上でも3回にわたって取り上げられたからか好評で、ご夫妻は連日会場につめておられる。得意の帆船よりも軍用機が多く、若者が多かった!ご紹介まで
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