73回目の226に思う - 軍事評論家=佐藤守のブログ日記

　今日は2月26日、大雪ならぬしとしと雨で何と無く湿っぽい。政治も経済も、暗いニュースばかりだから仕方ないと言えばそれまでだが、どうしてどうして、庶民は健気に？明るく振る舞っているように思える。

　ご近所から、近場に出来た「岩盤浴温泉」を教えられ、キャンペーン期間中ということもあって割安だったから、先週から家内と岩盤浴に「嵌って」しまった。

　５種類ある岩盤浴室、数種類の温泉がある浴場、散髪屋、エステ、食堂と、ほぼ半日居ても飽きないように設計されている施設。面白いことにその大半が我々同様ご老人だが、その７割が若い女性を含むご婦人方ということは「ダイエット？」が目的らしい。
　夕方になると子供連れが増えて、男性浴場は一気に子連れで賑わう。その原因は母親が「岩盤浴」でダイエット、父親が子供の面倒を見ることになるからだと気がついた！

　この施設はいいアイデアだと感心するが、従業員のほとんどは若者達。それがなかなか教育が行き届いていて、対応振りが良いのに感心する。近くに大学が集中しているから、学生のアルバイトか？と思ったがそうでもないらしい。夜は学生達が、部活後に立ち寄るらしく、それとなく弁別できるからである。

　躾は学校で受けるものではなく、もともと親がまず躾け、社会がそれを監督すべきものだと思うのだが、意図的に彼らと会話してみると、とにかく我々大人の「教えざるの罪」が大きいようで、素質があるいい若者達も「教えられていない」だけの様に見える。素直に応対する彼らに大いに期待が持てたのだが、今朝はフジTVの「阿久悠が最後にホレた歌姫あさみちゆき３１歳の公園ライブ」を見ていて、井の頭公園でそんなことがあったのか、とはじめて知った。
　４００人を超える聴衆の大半はお年寄りだが、彼女の歌声に等しく感動するというのは「半端じゃない」。
　昭和３０年代のロマン復活？なのかもしれないが、今の日本人が求めている何かを知るよすがにはなる。
　フジＴＶの前段では「つみきのいえ」でアカデミー賞を取った加藤久仁生監督が出演していて、とつとつとした語り口で、表彰式で「サンキュー、マイペンシル」と語ったことについて、「毎日鉛筆を握って格闘したからで、紙や消しゴム、パソコンにも感謝しないといけないのだが、アノ場では代表して鉛筆にした」と言ったのにも感心した。彼も３１歳、いや〜今の３１歳は大したものだと、なんだか嬉しくなった。まだまだ日本も捨てたものじゃない。

　今朝の産経第一面には、宇宙へ旅立つ二人のパイロットの写真が出ていた。ＪＡＸＡが、国際宇宙ステーションに滞在する新たな宇宙飛行士候補者として、全日空パイロットの大西卓哉さん（３３）と、防衛省航空幕僚監部のＦ-１５パイロット・油井亀美也さん（３９）を決定したという。
　早ければ２０１３年に宇宙ステーションで長期滞在を始めるそうだが、彼らにも大いに頑張ってほしいと思う。私はファントム戦闘機で６００００フィート（１８ｋｍ）しか上がったことはないが、それでも宇宙飛行士の感覚を味わったものだ。

これは私がファントム時代に受けた“宇宙服適合テスト”であるが、このように、空自の戦闘機パイロットは、多分宇宙飛行士としての基礎訓練に相当するものを受けていると私は思っている。

　その昔、宇宙飛行士が募集されるという話があり、Ｆ-１０４パイロットで家庭の事情で退職していた同期が受験したのだが、元自衛官が宇宙に進出するのは、宇宙平和利用条約に反する？とか何とか理屈をつけられて望みが達せられなかったことがある。基礎訓練が出来ている者を「差別」して不合格にし、全くの基礎からお金をかける者を選ぶのは、何とも国家予算の無駄遣いだと思ったものだが、時代は変わったものだ。これも大変良い兆候だと思う。
　共に皆３０代の好青年たち！日本の将来のために大いに健闘してもらいたいと思う。

　同時にマスコミも、気が重くなるようなことばかり話題にせず、今回のような明るい、そしてペーソスがある話題を大いに提供して欲しいものである。田舎？に行けば、いくらでも心温まるエピソードがうずもれている。大いに発掘して欲しいと思う。また、私のように古希を迎えた大人？たちも、これら若者たちに負けてはいられない！宇宙ステーション滞在は無理かもしれないが、せめて日本の将来を担っている若者たちと、正面から向き合って行きたいものだと思う。
　昔の世直し？は、２２６に代表されるようなものだったが、今では若者達の底力が期待できるような気がする。
　それに気がつかない還暦過ぎ（間近？）の政治家達には、是非とも岩盤浴で体内の毒素を出すことをお勧めしたい！
何と無く、気が晴れる思いがした“２２６”であった。