軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

大型連休明けに思う

“毎日サンデー”である年金生活者の私にとって「大型連休」は全く無関係なのだが、10日間ほどの連休が明け、漸く国内の動きも正常に?戻りつつあるようだ。
 5日以降4日ほども続いた雨天で、家内の薔薇の手入れは停滞していたから、ここ四日ほどはお手伝い!それに応えるかのように見事な薔薇が咲き誇った。毎朝かぐわしい香りを楽しみつつ、現役時代の癖で軽い柔軟体操を続ける幸せを感じている。



1、ソ連」復活
 ロシアの今年の戦勝記念日は、冷戦時代の米国を意識した軍事力パレードそのままだった。BBCは詳細にこれを伝えていたが、わが国の地上波TVは見ていないから分からない。
 今朝の「正論」で田久保忠衛氏は亡くなった上坂女史を偲びつつ「4島問題」を論じたが、女史が立腹したのは「ロシアの不道徳」で、「石油・天然ガス開発事業『サハリン2』にクレムリンが横車を押して経営権を強奪したり、反体制ジャーナリストを次から次へと殺す。近代国家では到底考えられない蛮行を平気で繰り返す異常さへの痛憤」だったと書き、「ロシアが北方領土問題の原点でもある道徳的に劣った国であるとの指摘をやめてはいけない」と書いたが全く同感である。
 昭和20年8月、日ソ不可侵条約を一方的に破棄して強奪した蛮行と、60万人を超える同胞を、シベリヤに抑留した非人道行為を、日本人は決して忘れてはならない。ソ連(ロシア人)の火事場泥棒的なその不道徳性こそ強調されねばならぬ。その不道徳な国から昨日首相が来日した。さて、経済力はそこそこだが、軍事力は不使用、道徳性は彼らに比較にならないほど高い国民の代表であるわが国の首相は、彼にどう対応するか、大いに関心がある。


2、小沢氏、代表辞任
 いささか遅かった感がしないでもないが、小沢氏が代表を辞任した。辞任の理由を聞くと、辞めた理由は、彼が代表のままだと『政権交代の実現』が難しく、『挙党一致』できず、『差しさわりがある』からということらしい。
『政治資金調達にやましいとことはない』が『身を引く』のだそうで、とにかく言っていることが支離滅裂。
 自民党などの大臣諸侯が、同じ問題で追及されると、「大臣辞任だけではなくバッジを返すべき」と強調していたのに、自分は『代表を退いても全力で頑張る』というのだから理解に苦しむ。

 その昔、自民党に金丸とか言う方がいて、これと同じような行動を取ったことがあったが、その頃にタイムスリップした感がある。
「小沢代表辞任」の第一報を聞いて、「驚いたが、正直言ってホットもした。答えは簡単だ。小沢一郎氏が民主党代表を辞任することによって、仮に民主党が次期衆院選過半数を制しても『小沢首相』が誕生する可能性がほぼゼロになったからである」と乾正人・産経政治部長は書いたが、これで民主党政権交代はなくなった、と私は思っている。なぜなら、小沢氏は「代表を退いても(一民主党員として)全力で頑張る」といっているのだから、民主党内の結束が乱れることは間違いないからである。もともと思想信条が異なる小集団の集まり、水と油なのだからすぐに分離するだろう。それを纏めて?いたのが彼だったことは認めるが、その神通力にも陰りが見えた。私も『正直言ってホッとした』一人である。


3、海の男の『戦後』終わる
 中静敬一郎・論説委員長が表記の題で『風を読む』欄にコラムを書いている。小さなコラム欄だから目につかないかもしれないが、3月14日に呉からソマリアの海賊退治に出航した2隻の護衛艦に対し、「日本船主協会が『有難う!海上自衛隊』という青色の横断幕を掲げた。これは64年ぶりに海自と海運業界が和解した証である」というのである。
先の大戦で亡くなった日本の船員は6万余人。失われた船舶は約2500隻、800万総トンを越える」から、「商船隊壊滅による(海軍への)不信感は、海軍を引き継いだ恰好の海上自衛隊に向けられ、海運業者らで作る日本船主協会防衛省自衛隊は殆ど没交渉だった」。しかし、ソマリア沖の海賊被害が続発してから、日本関連船舶はEUなどの海軍に「護衛を頼み込んだ」が、「肩身の狭い思いも少なくなかった」と言う。
 護衛艦を見送る式典に初参加した前川裕之会長は「現場の乗組員にとり安心感は計り知れない。(派遣は)わが国の人命、財産を保護する尊い任務です」と語ったそうで、「船員や日本のためにリスクを担おうという海自の姿が、海の男達の『戦後』を終わらせた」と中静氏は書いた。
 海自のみならず、三自衛隊には『わが国の人命、財産を保護する』ことに『わが身を省みず挺身する』決意でいる若者たちが24万人もいることを決して忘れてはならない。

 日本の生命線を危険を冒して往復している海員達が、自国の軍隊ではなく、他国の軍隊に『安全保護』を頼み込み、北朝鮮に拉致された同胞の救助を同盟国に“嘆願”せざるを得ないご家族の気持ちを、日本国の政治家はどう考えているのか!
政権交代!」と○○の一つ覚えのように唱えるだけで、世界中に恥をさらしている道徳性に悖る一部の?「政治屋」どもの意見が聞きたいものである。


4、親日国家を大切にしよう!
 コメントにもあったが、親日国のトルコで、日本への信頼感が揺らいでいるという。台湾も東南アジア諸国もそうだが、戦後日本の政治家達は、なぜか彼らを疎んじる政策を取ってきた。そればかりか、『反日国家』にこびへつらい、多額の資金援助をしてきた。まるで『泣く子と地頭には勝てない』有様だが、そろそろ改めるべきではないか?
 ソ連のような「火事場泥棒的な不道徳性溢れる国」と、紳士的交渉が出来るはずはない。
それよりも、ずっと親日国であった、トルコや台湾のような「道徳性」を感じる国との友好を大切にすべきだと思う。


 ところで政府から“追放”された前空幕長・田母神氏は、全国各地から引く手あまたで、獅子奮迅の活動をしている。おそらく今まで「塀の中に隠されてきた」自衛隊の真の姿が表に出たことで、国民は驚き、かつ快哉を叫んでいるのであろう。後輩たちからその一部が伝えられてきたので「パンフレット」を転載し、田母神君の健闘を祈りたい。

護衛なき輸送船団―知られざる船舶砲兵死闘記

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戦時輸送船団史

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太平洋戦記―南方日本軍の命綱-輸送船団護衛艦はいかに戦ったか! (1985年)

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台湾人と日本精神 (小学館文庫)

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日本精神史研究 (岩波文庫)

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自らの身は顧みず

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