軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

政治は『お笑い番組』ではない!

 原稿書きに熱中するあまり、退官後始めて「ぎっくり腰」の症状が出てあわてた!洗面所で洗顔しようと腰をかがめて腰が曲がらず「アッ!」と思ったが遅かった。新聞を取りにいくことができずしばし立ち往生。

 朝食後ただちにかかりつけの整体の名医に電話したところOK、一時間治療を受け、なんと一発で解消した!
先生いわく「背筋がバリバリ! 足の筋肉が衰えている。歩きなさい!」
 傍から家内が「そ〜れごらんなさない。私がいつも言うことでしょう!」と勝ち誇った?ように言った。しかし原稿は後6本ある。歩いていては仕事にならない!そこで今日のブログは“手抜きの”アラカルト!


1、政治は『お笑い番組」ではない! 
 自民党の古賀氏が宮崎県知事を尋ね、自民党から立候補するよう要請したという。とうとうそこまでこの国の政治は劣化したか!と思った。
 その昔、議員会館に招かれて『国際情勢の見方』について話をしたことがあったが、30名以上集まった中に議員は7名だった。バッジをつけていたからそう見たのだが、超党派の勉強会といったが殆ど自民党議員。

 質疑で「自民党の現状ついて」意見を求められたから「今までは腐っても“鯛”だと無理に考えてきたが、今や腐った“鰯”だ!」と言ったところ、「先生、鰯は今や高級魚だ!」と言った議員がいた。会場は馬鹿受け?で笑い声が充満したが、私はあきれてこれじゃ“めだか”以下だと思った。(めだかが気を悪くしたろうが・・・)

 あれから6年、とうとう政界は「お笑い議員大募集」になった!
 全うな議員諸侯よ、若し居られるのならば、意地を見せて欲しい!そうでないと国民は「議員の正体見たり・・・」と愛想を尽かしているから、あきれ果ててつぎの選挙が“恐ろしい結果”を生むのではないか?と不安だからである。取り返しがつかなくなってからでは遅すぎるし、犠牲が大きすぎる!


2、イランで「第2の天安門事件」発生か?
 イランはとうとう「第二の天安門」に近づいてきた。今朝の産経は、9面で詳細にイラン情勢を報じているが、気の毒なのは「下層階級に支配された教養ある有識者たち」である。
 一時的な「革命の情熱」に浮かれた結果、ロシアは人類歴史上最も陰惨な犠牲者を出す、スターリン指導下の「収容所列島」と化した。
 中国大陸も、貧者救済を掲げた毛沢東率いる「革命旋風」で、政権奪取後も2000万人以上が犠牲になったと言われている。カンボジアでも、ポルポトによる有識者・教養人撲滅で300万人以上が虐殺された・・・。

 北朝鮮はいうまでもなかろう。200万人以上が餓死したとされている。
 ヒトラーの残虐性だけが「悪例」としてよく取り上げられるが、20世紀を振り返ってみるだけでも人間性無視の「共産主義専制主義思想蔓延」による犠牲者数の方が『世界大戦』の犠牲者数よりはるかに多い。


 最も、そんな非人道的な体制は、その国の国民自身が選んだことだから、他人があれこれ言う筋のものではないが、起きてしまってからでは如何に遅いか、ということをはっきりと示しているではないか。
 体制を変える(元に戻す)ための犠牲者は、一時的革命熱症状の時よりも遥かに多くなることは歴史が示している。
イランの教養人・有識者達の今後が気になるところであるが、日本の現状も、それに近づきつつあり、極めて不安であることを国民はどこまで理解していることか・・・。


3、北朝鮮の権力闘争? 
 北朝鮮では後継者問題がどんどん「リーク」されている(産経8面)。多分、国内での後継者をめぐる権力闘争が熾烈になっているのだろう。と言うことは、金正日総書記の病状はかなり深刻だということになる。
 わが政府は「骨太方針」で「北朝鮮に対処」することを明記したそうだが、紙に書いただけでは対処できないことを知るべきだろう。

 現役時代、基地防空演習をよくやったものだが、予算もないので人員の避難すべき「防空壕」は、空き地に石灰の線で書かれた「仮設防空壕」が定番だった。
 サイレンがなると、隊員や事務官達は、その空き地に石灰で書かれた線の中の“防空壕”に入り、空を見上げて上空を飛び交う戦闘機を見上げて歓声を上げていたものである。

 総合演習では「民間空港」を使用できないので、図上演習では「使ったことにして(設想)」と指示されていたものであった。「方針」には「北朝鮮によるミサイル発射、核実験への対処」「真に必要な防衛生産・技術基盤の確立に努める」と明記することになったそうだが(設想)と付け加えられていないことを期待したい。


4、いつまで「反戦・平和」を唱える気か? 
 沖縄の戦闘終結(6月23日)を迎え、いつもの行事が行なわれていることが報道されているが、いつまで「反戦色」を強調した報道が続くのだろう。
「侵食される守り・沖縄米軍基地」という産経の連載記事を見れば、沖縄に“諸外国”の手がまわっていることが歴然としている。侵食されているという点では対馬もそうだが、沖縄は喫緊の問題である。
 昨日のこの欄に、昭和53年に起きた漁船団侵入事件のことが出ていた。
「昭和53年4月12日午前7時半頃、哨戒中の巡視船『やえやま』が魚釣島の北北西海域に約100隻の船影をレーダーでとらえたことから始まった・・・」とする記事である。
五星紅旗(中国国旗)を掲げ、機銃を装備した十数隻の漁船が退去勧告を受け入れず、領有権を主張した」
 この時『やえやま』は孤立無援のまま、300隻以上の中国の武装漁船と対峙した。「当時の海保隊員らの証言を総合すれば第二次大戦後始めて中国と日本が武力衝突する可能性があった」と産経は書いた。
 漁船などには「自動小銃を抱えた人民服の兵士が乗船していた」のであり、「やえやま」が応援を呼ぶと、1時間後に米軍機が飛来したが、「助かった」と思ったのもつかの間、「米軍機は上空を旋回するばかりで・・・」、中国船がどんどん領海に入り込み、上陸の準備を始めた。
 阻止できるのは巡視船たった一隻!「小型艇に5人ほどの隊員が乗り込み、退去勧告のため(漁船に)乗り込むことを決意したが、貨物船と見えた大型船は重機銃を備え付けた武装船とわかり驚いた。船内のあちこちから軍服を着た兵士と見られる男が自動小銃を構え、手が震えているのもはっきり見えた。われわれはすぐにうつぶせになり、武器のないことを示そうとしたが、一つ間違えば射殺されていた」
 事件の深刻さに気づいた海保は、2日後に全国から10隻の巡視艇、4機の航空機で船団を領海外に押し戻したと記述されているが、当時の海保隊員らによると、実態は「押し戻したのではなく中国側が断念したからだ」と証言している。

 今や中国は、沖縄近海の詳細な海図を完成し配布しているだろうから、何時でも侵入出来る態勢にある。
 30年前に身体を張って阻止しようとした海保隊員のほとんどは沖縄県民であった。ただただ「反戦、平和」と唱えているだけでは、戦争は防げないという実例であろう。戦うのがいやだから「征服される方がまし!」というのなら話は別である。


5、たまたま、95歳の門脇翁が主催する「あけぼの」が届いた。さすがは昔の特務経験者らしく、中国国内事情を正確に分析しておられるが、今日は見開きいっぱいの中国海軍『海上閲兵式』の模様を写真でご覧いただこう。中国は、もう漁船団や貨物船を使わなくとも、軍事力で侵攻できる態勢を完成したという証拠でもある。


ついでに台湾の状況もご参考まで!
馬政権に反対を唱える台湾国民である。中には選挙で彼に投票した者も居るのではないのか?これが“民主主義の落とし穴”である。

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