軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

完全に舐められた日本政府

15日は日帰りで仙台の護国神社に参拝し、1時間余講演してきたが、熱心な皆さんの熱気にほだされ、アドリブが多くなって後半は電気紙芝居の早送りになってしまった。
家内によると靖国神社参拝までに40分以上列中に並ぶほど熱気にあふれていたという。国民の気持ちはこれが真実なのだが、どうしてか議員や大臣になると≪素直な気持ち≫にはなれないらしい。
皆で参れば怖くない「団体参拝」や、「私人としての大臣参拝」が出たようだが、英霊の目はごまかせまい。


ところが、帰京中の新幹線のニューステロップを見て、尖閣にまたまた香港人が上陸したことを知った。このブログでも警告していたのに、上陸を許すとは…

尖閣に向け航行する漁船=産経から≫


第11管区海上保安本部は厳戒態勢を敷いていたそうだが、阻止しようとする巡視船をすり抜けて上陸されたらしい。

これまでの教訓はどうしたのだろうか?しっかり図上演習はやったのか?
島には警察官などが居たそうだが、連中が国旗を振り国歌??を斉唱するのを見ていたというが本当か??


その昔、北朝鮮の「不審船」に対して、鹿児島の第10管区海上保安部は機関砲射撃をして逃走を阻止し自爆させたが、今回、領海侵犯寸前に、進路前方に警告射撃をなぜしなかったのか、理解に苦しむ。
北朝鮮にはできても、強大な軍事大国?には手控えるとでもいうのか?

その内情は、やがて「一色」君ではなく今度は「二色・三色」君が暴露してくれるだろうが、役立たずの組織なら【税金泥棒】だろう。昔我々自衛隊はそう呼ばれたし、御巣鷹山にJAL機が墜落した際、位置特定と救助活動が遅かったとして「空自は穀つぶし」とまである遺族に言われたものだ。しっかりしてくれ、海猿たちよ!


残念ながら上陸されてしまった以上、次は漁船の大船団で来ることを覚悟しなければなるまい。その背景には、汚染海域に取り囲まれた中国沿岸漁民は、漁獲量が減ってあえいでいるからである。
遠洋の尖閣周辺に出ると魚は豊富だが、今度は漁船の燃料が足りない。今回の船も、資金が集まらず、燃料が買えず、台湾からこっそり提供されたという。もちろん水も食料も。抗議船もそうだが、漁船もそうだという。
強行上陸した抗議船「啓豊二号」の舵は破損、燃料もないが、日本政府を脅させば、うまくいくと修理してくれ、その上燃料も水も食料品もいただける。帰国すれば【英雄】だし、どんどん金も集まる!
何とか踏ん張って日本政府が「優しく開放」してくれるよう、政府に圧力をかけさせている、というのが彼らの図式だろう。そんな緻密な計算をした結果第一弾の上陸作戦は組まれ、今回の「8月15日」をターゲットに行動したのだが、驚いたことに成功した!


≪香港政府は16日までに、同政府トップの梁振英行政長官が15日夜、隈丸優次・駐香港日本総領事を呼び出し、沖縄県尖閣諸島(中国名・釣魚島)に上陸して逮捕された香港の団体のメンバーらの速やかな釈放を日本政府に求めたと発表した。(産経)≫


人民解放軍内も、もちろん北京政府も、今はそれどころではないが、不満を抱く漁民が徒党を組めば、いつわが身に降りかかるかもしれず、重大な政局転換を迎える秋の大会に影響が出る。

そこで政府・解放軍は、人民のために強力に日本政府を威圧し、海軍は漁船団に燃料を補給するだろう。彼らの不満を自分に向けさせないために。1石3鳥の手法だが、さて、わが国はこれにどう対応する?


海保がだめなことは分かったから、相手は舐めてくる。次は海自だが、これは憲法で手足を縛られているし、民間人には手が出せないことを彼らは十分承知している。

不審船ならまだしも、れっきとした?漁船に軍艦を出せば、国際的にも非難は日本に向くだろう。では自衛隊は≪超法規≫で来るか?

その昔、福田という最高指揮官は、自ら≪超法規≫で、ハイジャック犯を国外に逃亡させたという前例はあるから、指揮官が腹をくくって決心すればできないことはない。国民の多くは憤慨しているから、きっと支持してくれるに違いない。


まさかとは思うが、今度も彼らを≪強制退去≫という自己満足だけの理由づけで釈放すれば、帰国した彼らは間違いなく【英雄】になり、金もどんどん入ってくること間違いない。
そうなると“佐渡へ〜”ではあるまいが、“尖閣へと草木もなびき!”後に続く漁民と活動家は激増するだろう。とにかく彼らは金がほしいのである。
一応北京政府にも支持されるから、江沢民派も胡錦濤派も危機は脱するだろうが、今回同行した香港のTV局は江沢民が創設した彼の宣伝道具である。胡錦濤派は快く思うまい。


そのうえ、今回は自粛した台湾の活動家も動き出すだろう。
産経主張は、≪尖閣諸島沖の日本領海内に香港(中国の特別行政区)の抗議船が侵入し、活動家7人が魚釣島に上陸した。沖縄県警は船に乗っていた者を含め14人を入管難民法違反などの疑いで逮捕した。野田佳彦政権は、中国による尖閣奪取への備えを一段と強めるべきだ≫と書き、≪野田首相は「法令にのっとり厳正に対処する」と述べた≫が、さて精鋭部隊の自衛官の息子である首相よ、どうする気か?

しかし、靖国に参拝しなかったのだから、信念は弱そうだが…

せめて「厳正」とか「毅然」という言葉の意味だけでもご理解していてほしいが…。口先だけじゃ誰も信じない。お盆明けだというのに大変ですな〜〜


私が沖縄勤務だった1996年10月にも7月に日本の有志が北小島に「灯台」を建てたことをきっかけに、「中国、台湾や香港で大規模な抗議運動が発生し、活動家ら4人が上陸した。同年9月には台湾や香港の活動家らを乗せて尖閣諸島に接近した複数の船舶から数人が海に飛び込み、1人が死亡する事件」が発生した。
しかし今回の「計画」は、2004年3月に、中国人活動家7人が尖閣諸島に接近した船から手こぎボートで接岸し不法上陸する事件が発生した際、≪沖縄県警が入管難民法違反で逮捕したものの、送検はせずに中国に強制送還した≫ことが彼らに勇気を持たせたものだろう。

あれほど靖国参拝を強行し、反中姿勢を示した小泉首相でさえ、本心はこの程度だ、と彼らは読んだからである。日本の首相は、威勢が良いだけで、口先だけで実行力なし!と。
もっとも2002年9月の日朝首脳会談で、小泉首相の正体をつかんでいた節はあったが…


15年以上も前から≪警告≫していたことが今回現実になったのだが、愚かな歴代の指導者たちの無責任ぶりが、言い換えれば今頃ようやく国民の目に触れただけのこと、高額な歳費でいい思いをしている“先生方”の実力はこんな程度、彼らこそ本当の「税金泥棒」じゃないか?しかし、彼らを選んだのが自分たちだというジレンマは、多くの心ある国民には≪重圧≫としては残っても、解決には至るまい。


国のために一身をささげた英霊方の目にはもとより、夫を、息子を差し出したご遺族にとっては、憤懣やるかたない現状に写っていることだろう。世はまさに末期である。

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