3本目の単行本用原稿に取り掛かる前に、今朝の産経新聞から思いつくまま書いておきたい。
(その前に、コメントを下さる読者から紹介いただく情報は貴重なので、機会をとらえて拝見しているのだが、このところアクセスできないことが多い。PCの調子が悪いのか不明だが残念ながら15日分は拝見できなかった)
さて、今朝の産経一面に「塩爺」こと塩川正十郎元財務相が『総選挙で堂々と安保論争を』と書いている。
確かに各党とも「生活第一」主義を掲げているから、有権者にはさっぱり理解できない。何が国民生活にとって「第一」なのか、不明だからである。
私のような元戦闘機乗りにとっては、国家安全保障の確立こそ「国民生活」の基盤を支える第一に必要な要件だと思うのだが、各党とも違うらしい。スーパーで安い買い物ができるのが『生活第一』とでも言うのだろうか?
「北朝鮮が弾道ミサイル発射や再度の核実験をしたのに、国際情勢の変化に日本の安全保障をどう対応させるかという問題が、全く議論の俎上に載らなかったことだ」
「国民の多くは、このままで国家の安全は大丈夫なのか、日本が将来も国際社会で名誉ある地位を確保し続けられるかを懸念し、国家の将来について政治家から明確な意志を聞きたいと思っている」
「日本では口先だけの平和論はいまなお活発である。だが、世界の現実を見れば、これまでのように専守防衛を旨とする自衛隊の存在と、在日米軍だけで安全を保障された平和環境ではなくなってきたことは火を見るより明らかだ」というが全く同感である。
“塩爺”は、「今こそわが国は、厳しい現状認識に基づいて安全保障政策を見直すべきである」と強調し、総選挙情報に現を抜かす「『国取り物語』にしてはいけない」と警告する。
ところで話は変わるが、そんな「国取り物語」に現を抜かしている間に、軍事費総額で中国は米国に次ぐ世界第2になり、東シナ海のガス田防衛(奪取)はもとより、沖ノ鳥島まで進出し始めた。
わが空自のF-22取得にも勿論反対で、財政優位の立場をフルに活用して、日本への輸出を妨害している。経済面で中国の風下?に立ったかのようなアメリカだが、将来を見据えて着々と最新兵器の開発を進め、やがて来るであろう中国との対決に備えつつある。
米国の次世代戦闘艦
人員削減、予算削減に泣く防衛省は大丈夫か?と気にしていたら、泣いているのは現場の自衛隊で、役所のほうは平常業務遂行中らしい。そんな中、5面片隅に「防衛相補佐官に森本敏氏起用」と小さな記事があり、「浜田防衛相は15日、防衛省改革の一環として、新設する政治任用の防衛相補佐官に、森本敏拓殖大学大学院教授を当てる人事を内定した」とあった。しかも「補佐官の定員は三人以内だが、森本氏の起用にとどめる」のだという。彼ひとりの助言?で防衛相が動くのは些か気になる。民主主義の鉄則は「広く公論」に決するところにあるのだから、三人同時に発令して公平を期するべきだろう。最も、8月1日に発令されても月の終わりには『政権交代』の予定だから、彼は浜田防衛相のご意見番ではなくなるだろうから、それも読み込み済みかもしれない・・・。さて、そうなると、彼の防衛論が、自民から民主へとブレなければいいのだが・・・。案外「第7艦隊だけでいい」なんていいだしかねない・・・
次ぎは産経8面の「無言の帰国、8兵士に別れ」という「アフガニスタンでタリバンとの戦闘中に戦死した英兵士8人が14日、無言の帰国を果たした」との写真入り記事である。
「ラインハイム空軍基地近くの村では、棺を運ぶ車列に別れを告げようと遺族や友人ら数千人が集まり、8人の死を悼んだ」とあるが、これが洋の東西を問わず、国家のために犠牲になった軍人に対する感謝とはなむけである。
外遊なさっておられる両陛下は、ハワイで第二次大戦で戦没した「米軍戦死者」の御霊に花輪を捧げられた。
“憲法違反”で、“軍人”ではない『国家公務員特別職』に過ぎない「自衛官殉職慰霊碑」に花輪を捧げて戴かなくともかまわないが、せめて同じ第二次大戦で散華したわが国の軍人に、“小振り”でよいから、花輪を届けていただけないものか、と痛切に思う。勿論、靖国に御親拝くださるのが望ましいが・・・
これなくして、混乱が続く日本国が、戦後呪縛から解放されることは期待できない様に思う。
「戦前・戦中・戦後=日本とともなる靖国神社」(『昭和の戦争記念館・第五巻:すべての戦没者に捧げる』から)
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