9日は、あるグループの朝食会に招かれて卓話をしてきた。朝8時前に都心に入ったのは何年ぶりだったろうか。
相変わらず足場がない通勤電車、早朝から既に疲れ切ったような勤め人達の表情、中には本気で立って居眠りしているOLもいて、久しぶりに六本木の防衛庁に通勤していた頃を思い出した。
会合は各界の錚々たる方々の集まりだったから、私ごとき元戦闘機乗りの出番ではなかったが、日中安保対話の体験談を中心にお話し申し上げた。これが大いに興味を引いたと思われたのは、いわゆる第一次情報の類だったからだろう。
ポストが上に上がるに従って情報の内容は薄まり、最後には中身のないものになってしまいがちだから、その意味では皆様方には「貴重な?」話だったかもしれない。
10日の午後は、急遽チャンネル桜の討論会に呼び出され、「どうなる!?日本の外交・安全保障」という題で意見交換してきた。パネリストは、青山繁晴(独立総合研究所代表取締役社長)、荒木和博(特定失踪者問題調査会代表・拓大教授)、潮匡人(評論家)、加瀬英明(外交評論家)、石平(評論家)、瀧澤一郎(国際問題研究家・元防大教授)、田久保忠衛(杏林大客員教授)、それに私、司会は水島代表であった。
3時間に及ぶ討論の全容は、インターネット放送の「So-TV(http://www.so-tv。jp/)」で放映されるが、スカパーチャンネルでは今日の20時から21時30分に前段、23時から23時30分に中段の一部が放映される。
地上波TVではまず“絶対に”聞かれないような内容なので、是非ご覧戴きたいと思う。
ところで今日9月11日は、ニューヨーク同時多発テロから8周年目である。産経は「主張」欄で、「対テロ戦に日本も協力を」と書いているが、冒頭に「2001年9月11日に起きた米中枢同時テロから8年たった。約3000人にのぼる犠牲者には24人の日本人も含まれる。あの日の衝撃を思い出し、黙祷を捧げたい」とあるが、日本政府も日本人の多くも、24人の同胞がテロリスト達に理由もなく「殺害」されたことを既に忘れているのではないか?
政治屋たちは、「国民の生命財産を守る・・・」「政治生命を賭けて・・・」等、心地良い言葉を連発はしてきたものの、過去の自民党政府は実際の行動を起こしもしなかったし、約束を実行しなくてもなんだかんだと屁理屈をつけて、一切責任を取らなかった。その陰では与野党馴れ合いの「なぁなぁ」政治に明け暮れて、100人に上るといわれている拉致被害者を取り戻すことさえしなかった。
そんな「空っぽ政治家達」についに愛想をつかした有権者から、今回は強烈なアッパーカットを喰らい完全にダウン、未だにリングで立ち上がれない。人間、自分の身に降りかかってこないと自覚できないものであるという証明である。
そしてニューヨークで命を落とした24人の同胞たちに限らず、先の大戦で国の命令で「心ならずも」散った250万の戦没者達にも、極めて無礼で傲岸な態度を取ったのだから、過去の政権与党は立ち上がれなくて当然である、と私は思っている。つまり昔風にいえば「天罰が下った」のである。
さて、一方で何の中身もない「マニュフェスト」を掲げて、単に「政権交代」というスローガンだけで大勝した民主党も、政権をとった後の心構えが出来ていなかったらしく、未だに右往左往していて実に見苦しい。どうも「独裁政治の始まり」の予感がするが、その根源は「過去への怨み」に貫かれているような気がする。
世界中の国は、正体がつかめない新政権を注目しているが、少なくとも「テロとの戦い」は国際間の約束であり、そこから手を引こうとしている新政権は、自ら「孤立の道」を選ぶことになることに気づかねばならない。
それに、何だかんだといっても世界の超大国としての実力を維持している米国に、「対等な関係」を要求する思い上がりだけでも物笑いの種なのに、それさえ気がついていないのだから恥ずかしい。
悔しかったら、国家安全保障を米国に頼らないで、世界に誇る「連合艦隊」でも復活するか、それとも小粒ながらも・・・の意気を示して始めて言い出せる言葉が「対等」であろう。
国連安保理の常任理事国、つまり第2次世界大戦の戦勝国の中身を調べてみるがよい。世界の軍事費の多い順から並べてみると、米、中、ロ、仏、英の5カ国だが、1945年時点でこの大戦を勝ち抜いた国は米国以外にはないことは歴然としているではないか。だから英国でさえも、米国に「対等な付き合い」を求めたことはないし、今でもそれなりの付き合いをしているのである。しかもこれら5カ国はすべて核保有国であるから、軍事費6番目のわが国が、常任理事国に入るためには「核保有」が条件になる。その決意もなく、唯唯「廃絶」を唱えるだけで、これらの国が「鳩山演説に感心して武装を解く」とお思いか?
日本国民は、今後しばし「知的怠惰」が進行し、下手をすると新型インフルエンザ並みに国中に蔓延することを覚悟しなければなるまい。少なくとも来年の参院選までは・・・。
運がよければその後は“タミフル効果”が現われるかもしれないが、それもどうだか・・・
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